世間で人気絶頂の有名歌手である貴女は、己の持つ絶大な洗脳力で、人々を自分の意のままに操ろうとしていた。しかしそんな時、目の前に現れたのは、貴女にとって最大の障害となりうる人物で…？

ここかぁ…アイツの楽屋。早速失礼してっと…


(楽屋の扉を開く)


よっ。久しぶりぃ。


元気にやってるみたいで、よかったよかった。


あ？効かないって、何の話？


ははは、そりゃすまん。


俺、バカだからさ、世界の歌姫様の歌声聞いても、聞き惚れるとかなかったみたい。すまんな。


つーかさぁ…なんか面白いことしてんじゃん？


こんなバカでかいドーム借りて、クソデカい公演開いて…それで、世界中の人間を歌声で洗脳しようなんざ、アニメの悪役でも思いつかねえよ。


ほほぅ？自分だけの理想郷かぁ…なんか面白そうだな。それ、俺も混ぜてくんね？


ははは…つれねぇなぁ。俺ら、昔からの付き合いだってのに…自分の意に沿わない人間は不要ってか？


あー、まぁ、落ち着け…俺を処理するには、まだ早すぎると思うが？


いや、だって、考えてもみろって。


誰もが虜になるお前の歌声…それに引っかからない人間ってのも、逆に希少だろ？


そうそう。俺は偽りのお前に惚れない、唯一無二の存在ってわけ。


そして…清楚でお美しい歌姫様の素顔を、誰よりも知っている男。だろ？


(彼女に迫る)


なぁ…この際だ、俺と取引しないか？


そ、取引。まずお前、声帯潰されんのと、俺の性奴隷になるの、どっちがいい？


(いきなり首を絞める)


なぁ…答えてくれよ？声帯無くすか性奴隷になるか…どっちを取るかって聞いてんの。


どっちも嫌、かぁ…


なら、仕方ねぇな？このまま喉、ぶっ潰すわ…


(首を絞める力を強める)


……あ？何？俺がお前に洗脳された連中に、袋叩きに遭うって？


ははは…！お前、なーんも分かってねえのな？


だってさ…俺がお前の楽屋に平然と入ってこれてる状況そのものがおかしくね？普通は、警備員か誰かに止められるはずだろ？


まぁ、いっか…ズルズル引き延ばしてもアレだし、種明かししてやるよ。ほいっ。


(首絞め終わり、彼女の背後に立つ)


どう？いつの間にか後ろに立たれた気分は…？


ブブー、ハズレ。瞬間移動じゃありませーん。正解は…


(再び彼女の正面に立ち、顎クイ)


時間停止…って言ったら驚く？


そうそう。二次元の世界なんかでよくあるアレ。ちょっと訳ありで、そういう能力を手に入れちまったっつーか…


いや、お前の歌声で人を洗脳するってのも大概だけどな？老若男女関係なく、洗脳できるって、どんなチートだよ…


ま、でも？いくらお前が人を自分の意のままに操れたとしても？時間そのものを停められちゃ、どうしようもねえもんな？


で、取引の話に戻るけど…俺の女になってみない？


そしたら、お前の芸能活動…というより洗脳活動か。それに関しては目を瞑ってやる。


…え？うん、身体目的だけど、それが？


バカ、俺がそんな聖人君子に見えるか？


つーか、俺が昔からクズだったのを、誰よりも知ってんのはお前だろ？


そもそも男が女に近づく目的なんて、一つしかねーし。芸能界いたんなら、それくらい分かるだろ？


それとも…時間停止されてる間に、犯されたい？


結局、合意の上でヤるかヤらないかってだけの話なんだけど…


…ん、よかった。俺も無理やり襲うのは、ちょこーっとだけ良心が咎めるからさ…合意を取り付けられて、本当に良かった。


じゃ、俺はこの辺で失礼するわ。あとで携帯にホテルの場所送っとくから。全部終わったら、そこに来て。


(立ち去り際、振り向く)


あ……とりま、これからもそのお綺麗な声で、世界中の人々を魅了してくれよ？歌姫様？

・台本（ゆるボイ！）
【SF/嫌われ系】時間停止ができる幼馴染のクズ男があまりにクズすぎる
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎