家に帰ってきた貴女は、同棲している彼氏から誕生日プレゼントを渡される。箱を開けると、そこに入っていたのは手首を拘束するためのアレで…？

よっ、おかえり。それから誕おめ。はいこれ、誕プレな。


おぅ、開けてみ？スッゲーいいもん入ってっから。


……どうした？そんな固まらなくてもよくね？


いやいや。冗談じゃないって。俺からのガチのプレゼント。


あぁ…こうすりゃ、家ではずっと一緒にいられるよな？


(手錠を嵌める)


あのさぁ、気付いてないとでも思ってた？


俺、見ちゃったんだよね…お前が他の男と楽しそうに話してんの…


俺が嫉妬深いの、知ってるよな？なのになんでそんなことしたわけ？理由聞かせてもらえる？


はぁ？それ、男友達ならセーフって言いたいわけ？


そいつが浮気相手にならないって本気で言い切れんの？


あ、今言い淀んだ。少しは可能性あるんだ。ムカつく。


やりすぎじゃねえよ。お前の浮気性は今のうちに矯正しとかないと…な！


(押し倒す)


逃がさねえよ…ぜってぇ逃がさねえ…


お前は俺の彼女じゃん。普通に俺が独占する権利あるからさ…よその男に譲ってやる義理なんかどこにもねえんだよ。


はっ…どうだかな。口ではなんとでも言えるし。


たまたま会ったから話した…それ、普通に言い訳だよな？


会ってもテキトーに話切り上げればよくね？


「彼氏がいるし、誤解されると嫌だから」っつって断ればいいじゃん。そんなこともできねえの？


できるよ、俺なら。お前以外の女に興味ねえもん。


だから今日だって、頑張ってお前に似合う誕プレ、必死んなって見繕ってきたんじゃん。


なのにお前ときたら、知らねえ男とイチャイチャイチャイチャ…！


マジで意味わかんねぇ…！なんでそんなことすんだよ！俺がいるのに！


(息が乱れる)


わり…取り乱した。ちょっと落ち着く。


(深呼吸)


…よし、もう大丈夫。十分落ち着いた。


それじゃあ改めて誕生日おめでとう。


ハッピーバースデーの歌は恥ずかしいから…代わりにお祝いのキスしてやるよ。


(キス)


生まれてきてくれてありがとう…俺、お前に彼氏として認めてもらえたから、今ここで生きてられる。


大袈裟じゃねえよ。普通に本気だから。


恥ずかしいけど俺、お前がいなきゃこれから先生きてけないからさ…ずっと一緒にいてくれよ。頼む…


なんだよ、その「ごめん」って…


俺とは一緒にいたくないってこと？


こんな束縛してくる彼氏なんか要らないって…そう言いてえのか？


やめろよ…お前の口からそんな否定的な言葉は聞きたくねぇ…！


お前にまで存在否定されたら俺、これからどうやって生きてけばいいんだよ…！


…違う？じゃあさっきのはどういう…


あ、あぁ…！そういうことか！


ごめん！早とちりしちまって！


申し訳なく思ってくれてたんだな…俺を嫉妬させたこと。


いいよ。今のは口先だけの言葉じゃないってわかったから。


そうだ。もう一つ誕プレあるんだけど、受け取ってくれる？


そ。そのまさか。俺自身が誕プレ。嬉しいだろ？


だよな。やっぱ一番のプレゼントは俺自身じゃないと。


今からシてもいい？せっかくの誕生日なんだし、盛大にお祝いさせてくれよ…


よかった…ここで拒否されてたら、本気で死のうと思ってた。


そりゃそうだよ。お前に愛されない俺なんか存在価値ないし。普通に死んだ方がいい。


重たいのは自覚してるけど…仕方ねえじゃん。これが俺なんだから。


こんな俺だけど…恋人として、これからもよろしくな？

・台本（ゆるボイ！）
メンヘラヤンデレ彼氏からの誕生日プレゼント
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎