男はその日、巨大なドラゴンであるファフニールの洞窟を訪れていた。彼女が竜殺しの英雄・シグルズに殺されるのを警告するが、彼女は聞き入れない。仕方ないので、男は彼女に未来の光景を見せることにして…？

【キャラ紹介】
①ファフニール…北欧神話を代表するドラゴン。洞窟の中に金銀財宝を隠している。尊大な性格で、人間のことは基本見下している。しかし、今日初めて、一人の人間を認めた。懐に入れば、意外とちょろいのかもしれない。

②男…予言者を名乗っているが、実はただの占い師。ファフニールがシグルズに殺される光景は、実は確実な未来などではなく、あくまでそういうことが起こりうる可能性というのに過ぎない。まぁ、史実では殺されてるし、あながち嘘っぱちというわけでもない。

貴方は何者ですか？わたしの洞窟に何の用ですか？


…予言者？貴方がですか？


ハッ…くだらない。いきなりやって来て何を言い出すかと思えば…バカバカしい。


貴方のくだらない妄言を聞いてる暇はありません。わたしはこの金銀財宝を守るのに忙しいのですから。


あのですね…そもそも、わたしがそのシグルズとかいう、一介の人間ごときに殺されるわけがないでしょう？


えぇ、知っていますよ。彼が人々から竜殺しの英雄と呼ばれていることぐらい。


しかし、わたしとてこの世界では名の知れたドラゴン。いくら相手が英雄とて、そう易々と負けたりなどは…


…なんですって？貴方、いきなりわたしの棲家に土足で上がり込んだだけでは飽き足らず、このわたしが負けるなどと連呼して…まずは貴方から、消し炭にしてあげましょうか？


何が「俺の予言は当たる」ですか。そんなもの、信じるに足る根拠が…


…ッ！？な、何ですか、この光景は…！？あ、ありえない…！


そんな、バカなっ…！わたしが、あんな無様に斬られるなんてっ…！


…未来視？自分の見ていた未来の光景を、わたしにも共有したと？


こ、こけおどしですよ、こんなの…！どうせ幻術か何かの類いでしょう！？騙されませんからね…！


…なぜです？なぜそこまでして、わたしに未来を伝えようと？


ぶっ…！すっ、好きっ！？貴方が！？わたしを！？


ぶっ、ぶぶぶ、無礼者！身の程をわきまえなさい！貴方ごときザコ人間が、このわたしと釣り合うと思って…！


なっ、なっ…！くっ、口を閉じなさい！この愚か者！


やっぱり貴方は焼却します！残らず灰にしてやるから、覚悟なさい！


あっ、こら！逃げるな！待ちなさい！


(彼を滅ぼそうと追いかけまわす)


はぁ、はぁ…！だいぶ棲家から離れてしまいました…！貴方のせいですよ…！


…え？今がちょうど、シグルズがやって来る時間？あの竜殺しの英雄が？


何ですか？つまり貴方は、わざとわたしを挑発して、遠くまで誘き出したと？


ふーん…つまり貴方は、わたしの命を救ったと？


むぅ…そもそも、貴方がわたしにそこまでする理由が分からないのですが…


…く/// またつまらない減らず口を…/// 貴方もしや、わたしを口説いてます？///


ふん…やはり身の程知らずです、貴方は。本気で自分がわたしと釣り合う存在だと思っているのですが？


まぁ、しかし…わたしの身を案じてくれたことと、わたしからここまで逃げ切れた実力を考慮して、特別に側仕えすることを許します///


はぁ！？できれば旦那がいいって、バカですか！？貴方ごときが、わたしと釣り合うとでも！？


まったく…！わたしの夫になりたいのなら、まずは己の有用性を示しなさい。いえ、先ほども一応は示してもらいましたけどね？


そうですね…では、わたしの真名(しんめい/まな)を当ててもらいましょうか。ファフニールではない、わたしの本当の名前…


予言者であれば、それくらいのことは可能でしょう？


んなっ！？い、一発で！？そんなバカな…！


くっ…/// そんなに連呼しなくていいですから///


あと、無駄に愛おしそうな呼び方しないでください/// マジで焼き殺しますよ///


むぐっ…し、仕方ありませんね///


わたしの真名を言い当てられた褒美に、わたしのそばにいることを許しましょう///


ですが、調子に乗らないでくださいね？わたしはまだ、貴方を完全に認めたわけではありませんから。


ふんっ！せいぜい、今のうちに浮かれておいてください。後で絶対、後悔させてやるんですから///

・台本（ゆるボイ！）
【北欧神話/敬語女子】ツンデレファフニールの圧倒的チョロイン感
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎