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あるヤンデレ怪盗の悲劇。
written by シノト
  • ギャグ
  • 怪盗
  • ヤンデレ
  • 変態
  • 敬語
公開日2021年09月30日 19:35 更新日2022年11月01日 08:41
文字数
1988文字(約 6分38秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
怪盗
視聴者役柄
探偵
場所
探偵の家
あらすじ
怪盗は今日もターゲットの家に忍び込む。
だが、そのターゲットの正体は、実は探偵で――。

pixivにも投稿しています。
本編
こんばんは。
今夜もお宝を盗みに来ましたよ。

え? 鍵、変えたところなのにって?
何言ってるんですか。

私は怪盗ですよ?
鍵ぐらい、すぐに開けることができます。
ちなみに合鍵作ってみました!

あ、ちょ。
取り上げなくてもいいじゃないですかー。
これで、お宝盗み放題だと思ったのに。

お宝なんてない?
いえいえ、たくさんありますって!

まず、個人情報の塊、スマートフォン!
こうちょちょっと機械につなぐとですねー。
ほら! データ、すべて吸い取っちゃいましたー!
ふふ、変な虫につかまってないかチェックしちゃいますよ。

次はパーカー!
ふふふ、あったかくて、あなたのにおいが染みついてるんですよー。
体に巻くと、ぎゅーっとしてもらってるみたいで、ふわふわしちゃいます。

そしてそして、箸!
あなたの使用済みということでしたら、これは間接キス――。

え、黙れって。
はーい。

まあ、でも一番のお宝はあなたですよ。
ふふ、ねぇ、そろそろ私に盗ませてくださいよ。
その心を。その体を。

ほぅら、ベッドに乗られただけで、そんなに焦っちゃって。
可愛いですね。

毎日毎日通ってくる私のこと、嫌いになれずにいるんじゃないですか?
だから、警察も呼ばないんじゃないですか?

ふふ、いいんですよ。
素直になって。

どうして、あなたを狙うのか?

そうです、そうです。
私は世界一有名な怪盗です。
そんな、私がただの人間を欲しがるなんておかしいですよね。
うんうん、おかしい。

そうそう、あなたの言う通り、私はこことは遠く離れた所に住んでいます。
赤い屋根のおうちですよ。よく知ってますね。

ん? え。
どうして知ってるんですか?

どうして知ってるんですか⁉

お、おかしい。私の住処なんて、今まで警察にもばれたことないのに。
どうして、え、なんで!

なに笑ってるんですか?

GPSをつけていたのは私だけではない?
あなたも……?

相思相愛ってことですか?
え、違うの?

あなたの職業?
それは、二駅先の会社に勤める――。
ち、違う?

じゃあ、あなたは?

タンテイ。
たんてい。
探偵。

え、嘘。
嘘、ですよね。
騙されませんよ。

や、やだ! 捕まりたくない!

なんで窓開かないのー⁉

ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!

あなたから盗んだもの、全部返すから!
靴とか、シーツとか、枕カバーとか!

なんで笑ってるんですか!
……。
バカにしてるんですね。

わかってますよ。
体格も力もかなわないって。
私はどうあがいたって捕まる。
知ってます。

手柄を立てて、あなたはさぞいい気分でしょうね。
ずっとそうやって私のこと笑ってたんでしょう?

私が怪我をしてたところを助けてくれた時から。
ずっと、ずっと。
優しいあなたは、すべて、嘘だったんでしょう……?

どうして黙るんですか。
いっそ、切り捨ててくださいよ。
その通りだって。

私がベッドに添い寝しただけで真っ赤になったり、私にえっちな本が見つかって慌てふためいたり、私を追い出そうとして肌に手が触れただけで飛び上がったり、あれは全部私を騙すための嘘なんでしょう? 
そうやって耳まで真っ赤にするのも演技なんでしょう?

どうして、あなたを狙ったのか?
それは……。
私はあなたに恋をしていたからです。
あなたが演じる、嘘のあなたに。

目的なんてないですよ。
お金も、地位もなにも。
ただただ、あなたが好きだったんです。

あなたのすべてを奪いたかった。
スマートフォンも、飲みかけの缶ビールも、下着も。

あわよくばさらって監禁したかった。
あ、これやっぱり取り消します。
罪が重くなる。

さあ、一思いにどうぞ。
もう、逃げませんよ。

反省?
そうですね。してませんよ。
私にとって、怪盗であることは誇りですから。

だけど。
だけど、もし、私が何の変哲もない一人の人間だったら、あなたと違う出会い方ができたかもしれませんね。

私にとって初めての、素敵な恋をありがと……っ、ありがとうござい……っ。

な、なんで抱きしめるんですか……。
優しいふりなんてもうしないでくださいよっ!
苦しいんです、やめてください……。

なんですか?
助手が足りない……?
大変ですね。

いろんな技術を持っている人がいい?
へぇ。
例えば、鍵開けとか?
ふぅん。
GPSの知識とか?
はぁ。

つまり?
つまり、何なんですか。

こういう時もったいぶるから、探偵は嫌いなんです。
はい、聞いてますよ。

へ? 私?
私を、助手に……?

大怪盗の私を⁉
何考えてるんですか⁉
そんなの、下手したらあなたも捕まっちゃうんじゃ……!
べ、別に優しいとかじゃなくて!

私がもう悪いことしないように見張る?
そのために助手にする?

……。
分かりました。
だけど、私、助手だったらまた悪いことします。

……恋人にしてくれたら、もうしません。

あ、そうですよね。黙りますよね。

調子に乗ってすいませんでした。
捕まりたくないんで、助手でもなんでもさせていただきます。
お許しください探偵様。

分かりました。
恋人ですね。了解しました。
誠心誠意、恋人として尽くさせていただきます。

え?

それって、ええええええええ⁉
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
あるヤンデレ怪盗の悲劇。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シノト
ライター情報
主に女性演者様推奨の台本を書いています。

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