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ローズという花。
written by シノト
  • 切ない
  • 擬人化
  • バラ
公開日2021年11月03日 21:52 更新日2021年11月03日 21:53
文字数
548文字(約 1分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
バラ
視聴者役柄
バラを育てる人
場所
あらすじ
花は彼を思う。
今日も彼に語り掛ける。
だが、それが伝わることはない。

原案:ベールゴルゴン様(twitter/kaman_zora)
『フォロワーさん100名ありがとうございます企画』におきまして、ベールゴルゴン様より、お題をいただき、制作した作品となります。
この度、ベールゴルゴン様のご厚意により、フリー台本として公開しています。
ありがとうございました!
本編
ふん、また来たわね。

今日もその挨拶?

理解はできないけど、それが私の名前ってことは分かるわ。
もう聞き飽きたわよ。

また、しわまみれの醜い顔で私に微笑むのね。
まったく。
その髪も昔はブロンドだったというのに。
今は美しさのかけらもない。
ブルーの瞳だけは及第点ね。

それでも、私を見事に咲かせるその技量は称賛に値するわ。
私からの褒め言葉よ。
受け取りなさい。

なんて、伝わりもしないけれど。

私、思うの。

あなた、もう、私の世話なんてやめなさい。
老い先短いあなたが自分の手を傷つけてまですることじゃないじゃないわ。

とっても痛そうよ。
ほら、また傷ができてる。

私もあの人のように、あなたの傷を拭いてあげることができたらいいのだけど。

私と同じ名前を持つあの人。

あの人がいたころは、あなた、私に興味なんかなかったものね。
むしろ苦々しい顔をしてたわ。

なのに、あの人の姿が消えてから、あなたは私の世話をするようになった。

苦しくないの?
私はどうやってもあの人にはなれないのよ?

もう、やめなさい。
私にあの人の影を重ねるのは。

やめてほしいの。

あなたの笑顔が好きだから。
だけど、それは私に向けられているものではないから。

お願い。

でも、伝わらないのね。

ああ、また私の名前を、あの人の名前を呼ぶ。

ありがとう。

とっても嬉しくて、とっても辛いの。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ローズという花。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
シノト
ライター情報
主に女性演者様推奨の台本を書いています。

台本使用において、アレンジなどを加えた際は、その旨をリスナー様に伝わるよう概要欄などに必ず記載ください。
また、内容が変わるアレンジはおやめください。

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私が聴かせていただきたい。よろしくお願いいたします。

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