おつかれー、先輩。ナイシュー。

ん？まぁね。

スランプに陥っていた準エースが復活したって聞いたから観に来た。

いや、そんなことないと思うけど。

ふつうにカッコよかったよ。

全盛期とは程遠いっつっても、あんだけシュート入れば十分じゃん。

チームも勝ったし、別に問題ないんじゃない？

ふーん…自分的にはまだまだなんだ。

先輩ってストイックだね。尊敬する。

っていうか、どうやってスランプから立ち直ったの？

参考までに聞かせてよ。

ふーん…いいお姉さんだね。

そんなふうに励まされたんだ。すごいね。

…ねぇ、先輩。今から時間ある？

ちょっと付き合ってよ、バスケ。

いや、なんとなく。

今の先輩とバスケで遊んだら、楽しそーだなって思っただけ。行こ。



ふぅ…先輩、やっぱ強いね。

全然抜けないし…てか、逆にシュートバンバン決められるし。絶好調じゃん。

え？あたし？いや、別に何もないけど…

…意外と周り見てるんだね、先輩って。

まぁ先輩の言う通り、あたし最近ちょっと調子悪くてさ。

んー…スランプってほどじゃないけど、なんか身体が思うように動かない感じ？

どうしたらいいと思う？

分からないって…そりゃそっか。

他人がどうこう言えることじゃないし…

あたしの問題だしね。自分で乗り越えないと。

え？……ふふっ、何それ。お姉さんの受け売り？

そっか。先輩はあたしのこと信じてくれるんだ。

ありがと。そう言ってもらえると助かる。

ん？続き？あー、そうだな…

うん、やる。

一回は先輩から一本とりたいし。

(バスケやりながら)

ねぇ、先輩。

先輩って彼女いる？

なんでって、いいじゃん。答えてよ。

いない？そっか…

じゃああたしが彼女になってあげようか？先輩の。

はい、隙あり。

やっと先輩から一本とれた。

ナイシュー、自分。

卑怯？何が？

先輩が勝手に動揺しただけじゃん。

あたし、なんも悪くないし。

あぁ、あとさっきのは冗談だから。

本気にはしないでよね。

そ。わかってんならいいけど。

…ふーん、そう。

お姉さんみたいな人がタイプなんだ。

…なんかそれはそれでムカつく。

何も。先輩にそういうことは期待してないし。

とにかくありがと。

試合後なのに付き合ってくれて。

ん…まぁ、その、自分なりに頑張ってみる…

そんじゃあ帰る。お疲れ様。

…っ、あ、ありがと…それじゃ！



急にドキッとすること言うじゃん、先輩…

てか、試合してる姿もカッコよかったし…

あー、やめやめ！

先輩のこと、そういう目で見るなんてありえないし！

尊敬はしてても、それはないって…

けどよかった。

先輩、またバスケやるようになって…

また遊んでもらお。ふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
女子バスケ部の後輩とバスケして遊んだ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎