ギャルは勉強を見てもらいたくて、あなたの部屋へとやってきた。
あなたが飲み物を用意しに、部屋から出る隙にギャルは部屋を楽しんでいた。
ベッドや机を見て、ふと気づく。
ひょっとして、あなたは学園のアイドルのことが好きなんじゃないか、と。
それまでため込んでいたギャルのメンヘラが爆発する。

【】：状況
（）：声色 or SE

【ギャルちゃんが部屋に入ってくる】
（ノック）（ドアを開ける音）

おっじゃましまーす！
いやー、キミがアタシのことを誘ってくれるなんて珍しいじゃん！
ついにアタシのこと、気になったりしちゃったりしますー？
なーんて、そんなわけないよねー。
ごめんね！　宿題手伝ってほしいなんて言っちゃって。

マジ古文の先生、えぐい量の宿題出しすぎだっつーの。
高校生という非常に尊くて、大変貴重な人生の3年をこんな宿題ごときで邪魔するなーってね。

よいしょっと

【ギャル座る】

ん？　麦茶取ってくるの？
別に気にしなくてもいいのに。アタシ、ほら！　水分多めのギャルですし？
あー。何その、人をデブみたいに言いたげな顔！
確かに最近太ってきた、っていうか、だらしないって自分では自覚してるんだけど。
でもでも！　ご飯が美味しいのが悪いんじゃん！　アタシ悪くないし！

うん、じゃー、いってらー。

（ドアが閉じる音）

さってと。ここがあの子の部屋かー。
すぅ……はぁ……。いい匂い……。アタシここ好き。
ここでいつも勉強してるんだよね。それで、飲み物を飲んで、お菓子食べて。
そしてこのベッドでいつも寝たり起きたり……。ひょっとしたらこの上で……。

誰をおかずにしてるんだろう。スマホの中は、流石に見たらダメだよね。
写真とかないかな。アタシでしてたらどうしよう。
でも、だったら嬉しいな。アタシを愛してくれてるって証拠だもん。
アタシのことを好きなら、それだけで嬉しい。アタシも好きだし両思いだよね。

……ん？　この机の上の写真って。

（ドアが開く音）

あ！　えっと、勝手に部屋荒らしちゃってごめんね！
気になっちゃうんだよね、人の部屋とか。
興味湧かない？　そこにいる人がどんな生活してるのかーとか。

……ところで、さ。最近クラスのあの子とよく話すよね。
アタシが話しかけても、先約があるからーって、あの子のところ行って。

いや！　アタシだって友達いるよ？
でも、そうじゃないんだよ。アタシ、入学した時からずーっとアンタと一緒にいたよね。
アタシはさ、アタシがウザがらみしても、軽く笑ってノってくれるアンタが好きなんだよ。
勉強も、運動も。ファッションとかもさ。
てんでダメだけど、それでも一緒にいてくれたアンタじゃなきゃダメなの。
アタシなんかが、アタシでいられるのは、アンタがいてくれるおかげなんだよ。

でも最近あの子のとこに行ってさ！
確かにかわいいし、明るいし、なんでもできて、学園のアイドルなんて言われてるよ。
アタシなんかじゃ、あの子の足元にも及ばない。
何をしても、アンタを振り向かせることなんてできないかも。
って思ったら急に胸の奥が苦しくなって、ひとりぼっちになるんじゃないかって。

ねぇ、アタシのとこにいてよ。
ずっと。ずっとアタシのそばにいて！
今から死ぬまで、アタシが寂しくならないようにずっと。ずーーーーっと！！

だ、大丈夫だよ！
アタシだって頑張れば料理とかできるようになりたいし、勉強だってアンタがいてくれたら高校ぐらい卒業できるはず！
尽くす。そう尽くすよ！
アタシ相手なら何してもいいし、アンタが望んでること何でもする！
触れないあの子をおかずにするんじゃなくて、今ここにいるアタシを犯してもいいんだよ？！

だから、アタシを選んで！
アタシを、1人にしないでよ……！

・台本（ゆるボイ！）
メンヘラギャルは学園のアイドルに嫉妬する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス