異種族が当たり前の世界。
貴族の跡と息子として、日々、忙しい生活をしている貴方。
そんな貴方を支える優しい異種族の女執事。
忙しい毎日に徐々に嫌悪感を抱いてゆき、貴方は予定を全てキャンセルし、
丸一日、休むことを決意する。
そんな貴方に、執事は快く了承し、休もうとするが……。

【演技のススメ：体の中身がエイリアンになった気持ちで挑戦してみましょう】

“ベッドが軋む音”

おはようございます、ご主人様。
ご機嫌はよろしいでしょうか？

なんでしょうか？　
そのようなご表情をなされて、
いつからいた、ですか？
二時間ほど前から、ご主人様が目を覚ますのを待っていました。

以前、起こさないでくれとつぶやいていましたので、
見ていたのですが……間違いでしょうか？
そうですか、
でしたら、明日から、規定時間に起こしになります。

ん？　どうしましたか、ご主人様。
まだ眠い、ですか？
いけません、ご主人様、
起きてくださいませ。
あと五分……わかりました、
では五分後。
失礼します。

“扉が閉まる音”

ご主人様失礼します。

“扉が開く音”

五分、経ちました、ご主人様、
起きてください。
起きないと、いたずらをしてしまいますよ？
ほら、起きてください。
既に日は上がっています。
朝餉をお食べにならないと、お体を壊してしまいます。
ですので、早く起きてください。

“着替える音”

御着物をこちらに、
ではご主人様、こちらに。
朝餉の準備はできています。
さて、朝餉の食事をしながら、
今日のご予定を説明を、
まずは、朝の会合は、
ご主人様の体調を確認しキャンセルに、
その次には学校の登校を……え？
全部、キャンセル、ですか？
ということは、学校にも行きたくないと？

……むぅ、（訝しい顔）
ご主人様？　それは難しいかと、
ご主人様は、この家の跡継ぎ、無暗にお休みになられては、
今後の社交界などでは問題が、

ふむ、熱がおありと。
そうですか、確かにその理由でしたら、
お休みになるのでしたら十分な理由ですね。
ですが、今後、体調管理ができないと、

はぁ、わかりました。
今日は断固として、お行きにならないのですね。
わかりました。
その手の理由はこちらで上手くつけときますので、
では、御予定のキャンセルをしてきます。

“扉を開ける音”

今日の体調が悪い、ですか。
もしかしたら、今日がチャンスというものでは？
まぁ、それらは予定のキャンセルをしながら、考えますか。

～～

ご主人様、今日の御用邸を全てキャンセルいたしました。
大丈夫です。
理由は生徒会の職務のしすぎによる熱、と言っておきました。
これで学園側も、余計なことは言えないでしょう。
ですので、今日は存分にお休みすることが可能です。

眠くなった、ですか？
そうですか。でしたら、もう一度、お休みになられて、
いつも頑張っていますから。
では食器を片付けておきます。
ので、ご主人様はお休みください。

お休みになられたでしょうか？
寝ていますか？
……まぁ、寝ているのでしたら、
早く作業を終わらせましょうか。

“縛る音”

あ、ご主人様、お目覚めになられましたか。
はい？　何をしているのか、ですか？
見ての通り、ご主人様を縛っている最中ですが？
何か問題でも？
そうですか、

“縛る音”

ふぅ、
あっ、抵抗しないでください？
もし怪我でもされたら、今後の執務にも支障が出ます。

なら、離せ、ですか？
それは無理です。
私自身、離す気は毛頭ありません。
ご主人様が、私の子供を産んでくれるのでしたら話は別ですけど。

“顔を両手で掴む”

ご主人様、目を逸らさないでください。
私の目をじっと見てください、
ほら、

“徐々に意識が遠のいていく”

む、入りましたか。
では、いただきます。

“口を大きく開いて、中から触手が飛び出して口の中に入り込む”
“口から喉、体の中に異物が入りこむ”
【演技のススメ：キスしながら喉を鳴らす感じ】

ぷはっ、んくっ、
ん、ご主人様の意識が戻りましたか。
どうしましたか？　ご主人様、
放心された顔をなさって、

まさか、その年になるまで接吻をなされたことが？
……そうですか、初めてでしたか。
それは申し訳ございません、
これでは、私たち、水生亜人としか満足できませんね。
いえ、明確には私としか、と言っておきましょうか。

私たち、一族に初めてを奪われてしまうと、
他の種族、例えば人間の女性と接吻をなされても、
興奮できなくなります。
まぁ、あのような刺激、他の雌では感じることはできませんね。

けど、ご主人様はそれを知っているはずでは？
かつて、港町のスラムで貴方様に救われて、
貴方様の傍に忠実な執事として働いてきた私ですから、
私の生態を知っていたのでは？

半蛸人（ハーフスキュラ）のこと、
まさか、知らないのですか？
……そうですか、
亜人の詳しい貴方様のことですから、
詳しい生態を知っていると思ったのですが、

では、縛られながら、私についての授業でも行いましょうか？
私たち、ハーフスキュラは、種の存続方法が他の種族とは違うのです。
本来、交尾を行い、子をなしますが、
私たちハーフスキュラは違います。
先ほども、ご主人様も経験した通り、
私たちはキスで産卵を行います。
簡単に言ってしまえば、口内に産卵器官を持っています。

んあ、ほれれす。みえますか？
んくっ、先程見せたのが産卵器官です。
先の産卵器官を、異性の相手に口内を伝い、
侵入させ産卵します。

え？　産卵は通常、交尾の終えた後？
それが私たち、ハーフスキュラがほかの種族と違うところです。
ご主人様。
私たちは、特殊な方法で交尾をしますから、
簡単に言えば寄生先で受精するのです。
私たちが体内に卵を送り込み、相手の体内で受精、孵化すると。
まぁ、私自身、詳しくはないので、よくわかりません。

あぁ、そんなに暴れないでください。
別にご主人様の腹を食い破ってくるなどということはありませんから、
貴方様のお尻の穴から出るのです。
出産時には、感じたことのない快楽を得られますから。
ですから、ご安心を

産卵された相手は定期的に発情期に入る、と言われていますが、
その時は苦しいでしょうが、私がお相手になります。
その時はぜひとも、人払いも、

なぜ、このことに、ですか。
本当に気づいておられないのですね、
私の気持ちを、

正直に言いましょう。
ご主人様、私は貴方に救われた時からお慕い上げていました。
貴方様が私の手をあの町から救うために差し伸べた時から、ずっと、

ですから、貴方様が輝き、誰かに慕われる光景は、
従者である私自身、うれしかったのです。
けど、謝っておきます。申し訳ございません。
貴方様の羨望の視線が、恋慕の視線に変わることを恐れたのです。
貴方の近くにいる女子の方々、いや、メスが、
貴方様と一緒になって、子供をなして、愛を育んでいると考えると、
胸の奥底が苦しいのです。
あのスラムにいた時よりも苦しく、つらいのです。

ですから、このような手段で、
私は、貴方様に気持ちを伝えることができないのです。

正直、やり方があったのかもしれません。
けど、申し訳ございません。
貴方様を奪われるくらいなら、私は、先祖と同じように、
本能を使います。
ですから、恐れないでください。
悲しまないでください。
これは、私の苦しみ、私の罪なのです。

あぁ、そのような顔をされると…、

・台本（ゆるボイ！）
クールな表情でえげつない強制接吻産卵（こうい）をする海洋系亜人の執事
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山鳥