学校　夕方――
下校前、友人と帰ろうとした瞬間、
生徒会長に呼び止められ、音楽室で生徒会の仕事の手伝いをする、
そこで何をされるのかさえも知らずに、音楽室に向かう。

（扉を開ける音）

む、すまないね、急に呼び出して。
生徒会室だと、少し人に聞かれては個回るからね。
案外、あそこは人が来るからね。

それに対して音楽室は静かで、防音性も高く、
人が立ち寄り難い場所だ。
ましてやうちの学校では、幽霊が出る、なんて噂も出るからね。
知っていたかい？

ふふ、そうか。
っと、そんな話の為に君を呼んだんじゃないんだった。
急な呼び出しですまないね。
帰り際と言え、用事があるからと呼び止めてしまって。
あぁ、荷物は、そこら辺に置いておくと嬉しいね。

さて、

（鍵を閉める音）

荷物を置いたなら、
カーテンを閉めてくれるかい？
一応、楽器とかが日焼けしない様に気を付けないといけないから。

（カーテンの閉める音）

ふぅ、準備ができたかな？
ん？　仕事について、かい？
あぁ、それは今からするよ。
こうやってね。

（殴る音）

ん？　どうしたんだい？
急に驚いた顔をして、
もしかして、殴られたことに驚いているの？
だったら、その痛みは嘘じゃないよ。
現実、
ねっ？

（言葉の休み休みに殴り続ける）

あぁ、いい声だなぁ。
やっぱり、君にしておいてよかった、よっ！

何でこんなことを？
ふふっ、単純なことだよ？
君が殴りごたえがありそうな可愛らしい子だったからだよ。
健気で従順な子犬のようにね。

だから、そんな君を殴って見せたら、
気道よくなれるんじゃないかって、思ったの。

ふぅん、私を脅すかい？
なら無理だよ。
例え友人が多い君であろうとも、
私の人徳ぐらいは知っているだろう？
君の言葉一つ、私が本気になれば打ち消すことなんてできる。
この状況だって、先生達に言ってもいいけど、
私は君に襲われて正当防衛をした、といえば、
まぁ、やりすぎだから過剰防衛となるけど、
君に謝罪すれば許される。

え？　許さない？
ははっ、何を勘違いしているんだい？
学校社会というものは、適当に謝罪をすれば許されるんだよ。
先生たちだって生徒の起こす問題に時間を割きたくないだろうしね、
学生の問題は学生の手で解決するのが、
大人たちが求める学生たち問題解決なんだよ。

ふふっ、これで君の逃げ道はない。
友人は私がこんなことするかわかってくれるかな
君の先輩は分かってくれるかな？
君の後輩は分かってくれるかな？
先生たちは？　親は？
君のことを信頼しているかな？

ふふっ、その怖がっている顔、最高だよ。
その表情が見たかった。

あぁ、別に泣き叫んでもいいよ？
ここじゃ、君の声なんて届かないから。
さぁ、もっと泣いてね？

・台本（ゆるボイ！）
誰にも知らない生徒会長の裏の顔　～手伝いだと思ったら急に殴られた～
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
山鳥