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ヤンデレシスターは崇める教えを国教にしてほしい
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  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • シスター
公開日2022年06月26日 03:56 更新日2022年06月26日 03:56
文字数
2462文字(約 8分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
シスター
視聴者役柄
騎士様
場所
教会
あらすじ
私は人殺しだ。人殺しは、罪に問われる大罪だ。
名誉をもらっても土地をもらっても、それが晴れることはない。
だから私は教会に行くのを欠かさない。すべては散った命のために。そしてこれから背負っていく命のために。
本編
おはようございます。騎士様。
いえ、領主さま…と呼んだ方がよろしいでしょうか。

ふふ、いつものようにですか。
かしこまりました。
では、貴方様とお呼びしますね。

此度の戦闘お疲れさまでございます。
貴方様のおかげで、再び民は救われました。

//信じていない様子で
これも神のご加護あってのことでしょう。

して、貴方様。
礼拝後、少しお時間をいただけませんか?
折り入って相談したいことがあるのです。

ありがとうございます。
では、後ほど。

★ ☆ ★ ☆

相談というのは、他でもありません。
私、この機を持って改宗しようと考えております。

シスターとしてこの教会で働き、早10余年。
いまでは1人で教会を任せられるほどになりました。

それと同時に、この教団の明るいところも暗いところも見えてきてまいりました。

はっきりいって……この教団は腐り始めています。
組織が巨大である故に、危機感を覚えない人材が多くなり過ぎました。

ある種の傲慢さすら覚えます。

上層部が法の裏で、スラム街の子供たちを攫いオークションにかけているのを貴方様は知っていますか?

その子供たちが、毎夜毎夜虐げられていると思うと私の心はひどく痛みます。
それを知ったとき、このままではいけない、と私は強く決心しました。

そして、気付いたのです。
今の体制を変えなければ、いずれこの教えは滅びるだろうと。

そこで、です。
私は新たな教えを興したいと考えております。

それは貴方様を主とした教えです。
貴方様を神に据え置き、民に貴方様を信仰させるのです。

いるかどうかもわからない神に祈りを捧げるより、存在する神に祈りを捧げた方が実になるでしょう。

種すら蒔かない畑など、いかに熱心に水や栄養を与えようとも何も育つはずがありません。
そして……

(聞き手:言葉を遮ろうとする)

どうか、どうか、最後まで私の話を聞いてください。
きっと、貴方なら理解してくれるはずです。

私は貴方を信じているからこそ申し上げているのです。これは正しい選択であるということを。

まず私がなぜこの考えに至ったかをお教えいたしましょう。

第一に貴方様の置かれている状態がとても良いことです。
貴方様に与えられた領地は……正直に言ってあまり良い土地ではないでしょう。

ですが、それ故に何者を拒まない柔軟さがある。
そして、この教えもまだ浸透していない。
まさに未開拓の土地なのです。

第二に民をまとめ上げるためには、教えが必要です。
正しくは、民を先導するものが必要なのです。

私はもともとこの領主と民の関係は好ましいと考えておりました。
なにせ、民からしてみれば領主は法であり、絶対的。
そこに神がいようがいまいが、関係ありません。

領主が黒と言ったら黒なのです。

ならば、領主そのものを神にした教えを作ればいい。
しかし、ここにはひとつ大きなデメリットが存在します。

神は民を救うものであり、守るものでなくてはなりません。
私はごくまれにですが、他の教会に訪れることがあります。

しかし…そこにいる大体の領主は、この教団の上層部とそう変わりませんでした。
民を見下し、困窮している人々の暮らしを無視し、奇跡すら独占する。

吐き気がする人たちばかりでした。

しかし、貴方様が領主になるのなら話は別です。
貴方様は私が出会った中でも、高潔で気品のある人。

そして、勇気のある人です。
法に惑わされず、自分の正義を持っていらっしゃる。

私は貴方様でしたら、私の望む…いえ、民の望む神になれると信じています。

第三に……これは私的なものになりますが。
貴方様は私と出会った日のことを覚えていますか?

ええ、そうです。
悪漢に襲われ……裸同然のまま森に連れていかれそうになったところを助けてくださいました。

あの日、路地裏で襲われそうになったとき。
私は神に助けを求めました。

私は必死に神に祈りました。
どうかお救いになってください、と。
しかし、助けは一向に現れなかった。

私はその時の民の目が忘れられません。
声をあげても、身ぐるみを剥がれている姿を見ても、通り過ぎる人たちは目線をくべるだけ。

あろうことか、森に連れていかれる際も門番である人間も目を背けるだけだった。

そこで助けてくれたのが、貴方様です。
選ばれし者だけが使える魔法を使い、私を助けてくださった。
教えでは、他人に魔法を使ってはいけないのに関わらず、です

そのとき私は思いました。
貴方様こそが神に相応しい人間だと。
私の信じる神はこの人だと、そう思ったんです。

私はそれからずっとこの日を待ちわびていました。

本来なら認められた者にしか扱えない薬品も、すべて使って貴方様を支えてきたつもりです。

先日の戦いで貴方様が領土を賜ったと聞いたとき、私はひどく喜びました。

やっとこの夢を、願いをかなえることができる、と。

……私の話はここで終わりです。

貴方様。
私は間違っていますか?

(考えに賛同はしたい。だが、教団を敵に回すわけにはいかない。私だけではない。民がいる)

そうですか……残念です。
貴方様とはわかりあえると思ったのですが。

仕方ないですね。
では、力ずくで従わせましょうか?

ふふふ、冗談ではありません。
私は争いは好みませんが、やるときはやりますよ。

…生憎ここに貴方様の得意とする剣はございません。
魔法もこの教会内では無意味です。
教えで物理的に縛られていますからね。

行使できるのは聖女が使える「奇跡」のみ。
無防備な貴方様が出来ることは、私の願いに応えるだけです。

ふふ、そんなに怯えないでください。
大丈夫です。私は貴方様に死に至るような危害を加えるつもりはございません。

ただ……生きた人を神にするにはある儀式が必要なのです。その間、ほんの少し貴方様の意識を飛ばすだけです。

私はこれからそれを行うだけ。
だから怯えずに、安心して大人しくしてください。
力加減はわかっていますから。

//囁き
……神になった暁には、一番近くで貴方様を信仰させてください。
第一の信者として……そして貴方様の妻として……仕えさせていただきます。

貴方様がこの国を……この世界を変えてくれると私は信じています。
貴方様が導けば、きっと……。

では、どうかいい夢を。
数時間後に、また会いましょう?

//SE:倒れる音
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレシスターは崇める教えを国教にしてほしい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者

ライター情報
pixivにて、台本を投稿し始めました。
ヤンデレや甘々、わからせなどを学び中。
シチュエーションボイス採用を目指しております。

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