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実験室に閉じ込められた実験体のあなたとコミュニケーションをとりたいようです
written by ソライヌ
  • SF
  • シリアス
  • ファンタジー
  • 監禁
  • 年上
  • 百合
  • 博士
公開日2022年12月01日 22:20 更新日2022年12月01日 22:20
文字数
1266文字(約 4分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
博士
視聴者役柄
実験生命体
場所
地下実験室
あらすじ
~あらすじ~
あなたは地下実験室の培養ポッドに閉じ込められた生命体。
ある日、あなたにやさしく語りかけてくる不思議な博士がやってきて…?
本編
(場所:地下実験室)
(SE:心電図の音やボコボコとした泡の音が聞こえてくる)
(SE:足音)

(培養ポッドに向かって厳格な態度で話しかける)
報告用通信を確認。これより実験生命体A‐17の経過記録の報告を開始する。
…よし、バイタルは正常範囲内。特に異常性もなし…と。
報告は異常だ。それでは通信を終了する。

(ここから少しフランクな雰囲気で)
はぁ…さて、いつも通りのくだらない経過観察報告用のチェックも済んだことだ。
おはよう。気分はどうだい?
とはいっても…今日も変わらず培養ポッドの中にいるから、キミにとってはあまり代わり映えはしないか。
今日もキミと対話によるコミュニケーションを交わしたい。
イエスなら瞬き一回、ノーなら瞬きを二回…可能な限りでいいから示してくれはしないだろうか?
…瞬き一回、そうか、ありがとう。協力を感謝する。
キミは…その様子だと会話をすることが困難なのは変わりないか。
その酸素マスクを外し、あわよく培養液に満たされたポッドから出してやりたいが…そこまでの権限は私は有していない。許してくれ。
…その代わりに、だ。
今日はキミにとっておきのプレゼントを用意してきたんだ。
…ほら、キミ用の栄養剤だ。
先週まで担当していた奴から盗み聞きしてね。
キミに栄養剤を打つのを忘れていたとか。
安心してくれ。今までの分も含めてキミに注射してあげるから。

(SE:機械を弄る音)

準備をするから、少し待ってくれたまえ。
…よし、これで大丈夫なはずだ。
…その顔は、笑っているのかな。
ふふ、姿かたちはほとんどニンゲンと変わらないからな。
表情もこうして読み取ることができるのは悪くないな。
…やはり、キミは変わらないな。

ほかの研究者は君のことをただの道具にすぎないと判断しているが…君は生きている。
確かに私たちの手で創造された産物であることは否定できない。
よりにもよって…キミは生物兵器としてこの世に生を受けてしまった。
キミだけではない。己の私利私欲を満たすためだけに我々は多くの生物兵器を生み出してしまった。
キミの兄弟にあたる子たちは…今頃政府に買われて戦場を駆け回っているのだろうか。
愚かなのは…きっと我々人類に他ならないだろう。
…だけどキミは…生物兵器として生まれたにも関わらず…人間の言葉を理解することができる個体…ただそれだけの能力しかもっていなかった。
ほとんどニンゲンと変わらないキミに価値を見いだせなかった奴どもは…厄介払いとしてことポッドに閉じ込めた。
きっと、キミが朽ち果てるまで永遠にここに封じ込めて置くつもりなんだろう。
経過観察…なんて聞こえがいいだけのおままごとに過ぎないんだろうな、アイツらにとっては。
それでも…それでもだ。
私は必ずキミを助けてみせる。
キミは、生きているんだ。
だから、もう少しだけ待っていてくれないか?
……瞬き、一回。…ああ!ああ!…必ずだ!
こんな狂った世界から、キミを自由にするために…!
私は戦うよ。例え政府を敵に回したとしても…!
それじゃあ名残惜しいが、私もそろそろ行かないと。
明日も必ず来るから、それじゃあ。おやすみ。

(小声でつぶやくように)
キミは私だけの…「特別」なんだから。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
実験室に閉じ込められた実験体のあなたとコミュニケーションをとりたいようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ
ライター情報
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