ふざけて鍵穴を針金でガチャガチャしてたら開いてびっくりしたことがあります。

//←こちらのマークの後に場面情景や行動を記載しています。

//ドアをノックする音

はーい、どうぞー

//ドアを開ける音

なんだ君かぁ。
まあ座ってよ、今コーヒーを入れるからさ。
大丈夫、普通のコーヒーだよ。
今日は何も混ぜてないから安心して。
もう冗談だってば。

今日ここに呼んだのは話があるからなんだけど。
君、最近研究は順調？
限られた予算、学内の派閥、正直うんざりしてない？
今のボロい機械でやりたくもない研究をさせられて
せっかく発表しても本に載るのは上の奴らの名前だけ。

君は本当にそれで満足？
もしそんなものぜーんぶ捨てて純粋に研究に打ち込める場所があったら、どうする？

単刀直入に言うね、私の助手にならない？
私の元へ来ればどんな研究も自由にさせてあげる。
今の所みたいなしがらみも一切ないよ。
私と君の2人っきり。
ねえ、どうする？

まあすぐにとは言わないよ。
今日の夜、公園で待ってるから。
いい返事を期待してるね。

//夜、公園

あっ来てくれたんだ。
ううん全然待ってないよ。

この公園懐かしいね。
君は泣き虫だったから
いつも私が慰めてたの、覚えてる？

そんな君が今じゃこんなにおっきくなってさ。
本当、びっくりだよ。

ねえ
私達さ、ずっと2人で頑張ってきたじゃん。
お互い支え合ってさ。

私が研究で行き詰まってた時も
みんなは諦めろって言うなかで君だけが応援してくれたこと
今でも覚えてるよ。

君のあの言葉が無かったら
私そもそもこの仕事やめてたかも。
君のおかげで私ずっと頑張れたんだよ。
そのおかげでこうして自分の研究室も持つことが出来たの。

ねえお願い、君がいないとダメなの。
もしお給料が不満ならいくらでも出してあげる。
なんなら、何もしなくてもいい。
側にさえいてくれたらそれで十分だから。

…へぇ。
君も私のことマッドサイエンティストって言うんだ。
だってしょうがないじゃん。
科学の発展のためには多少の犠牲は必要なの。
ちっぽけな倫理観のために研究を止めてたら意味無いじゃん。

大きな声じゃ言えないけど、実はいろんな機関から援助を受けてるんだ。
裏じゃ私、結構有名人なんだよ。

ふーん、そんなこと言っちゃうんだ。

//棒読みで
あーあ、私傷ついちゃったなー
君のこと信じてたのになー

もうしょうがないよね。

//手錠がかかる音

フフッびっくりした？
これ、ただの手錠じゃないんだよ。
私の持ってる鍵から離れすぎちゃうと手錠が
ドカーン！って爆発しちゃうの。
面白いでしょ？

ほら、どっか行きなよ。
私の顔2度と見たくないんでしょ？

あれ～さっきまであれだけバカにしたのに
私の側なんか来てどうしたのかな？
もしかして、私のこと好きになった？
…外してください？
う～んどうしよっかな～

そうだ、良いこと思いついちゃった。
ねえ君。
せっかく公園にいるんだし
昔みたいに鬼ごっこしようよ。
私のこと捕まえたら鍵を渡してあげる。
それじゃ、スタート！

いいの？ぼーっとしてて。
私も何メートル離れたら爆発するか覚えてないんだよね。
アハハッ必死すぎ。
ほーら頑張れ～
早く捕まえないと死んじゃうよ～

ってあれ？
もう限界？
デスクワークで体鈍った？
ダメだよ～ちゃんと運動しないと。

まだ頑張るの？
もーあんまり無理しちゃダメだよ～
まっ手加減なんてしてあげないけどね。
フフッ

//時間経過

ハアッ、ハアッ
ああっ
残念、捕まっちゃった。

鍵？
大丈夫、ちゃんと持ってるよ。
私の体のどこかに隠したから
早く見つけて？

もう、服の上から探してもダメ。
こうやって
直接触って確かめないと。
ね？

でももう時間切れみたい。
さっきの鬼ごっこの声で人が集まって来ちゃったし
続きは私の家でしよっか。

私の体、隅々まで見て、触って
頑張って鍵探そうね。
その前に君の理性が爆発しちゃうかもだけど。
フフッ

・台本（ゆるボイ！）
科学者の彼女と夜の公園で命を懸けた鬼ごっこをする
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
アモラニムータ