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ヤンデレハンター【ファンタジー】
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公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
4284文字(約 14分17秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
ハンター
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 あらすじとしては「ある日、用事があって森を通っていると、後ろから弓を構えた女性が近づいてきて・・・・・・」となっております。

 キャライメージとしては「森でたった独りで暮らす女ハンターさん」です。
本編
 (草むらを歩く音)

 そこの男。止まれ!

 妙な気は起こすなよ。その場で両手を上にあげろ。

 この矢で、穴を開けられたくはないだろう?

 (近づく足音)

 嗅ぎ慣れない臭いがいくつも動いていると思ったら・・・・・・なるほど、冒険者だな?あんた。

 ここに何の用だ?

 まぁ、大体察しはつくけども。

 さしづめ、この先の洞窟への用事か、町への近道にこの森に入ったんだろう?

 それとも、キノコでも取りにきたのか?

 スンスン(鼻を鳴らす音)

 あの町のレンガの臭いも僅かにするが、私が目的・・・・・・ではなさそうだな。

 ふん。引き留めて悪かった。

 じゃあな。旅の無事を祈ってるぞ。

 (歩く足音)

 あ・・・・・・おい。あんた、あの町に住んでいるんだろ?一つ頼んでいいか?

 そういえば、と思い出してな。

 肉を保存するための塩がもう底をつきそうでな。

 定期的に商人が来てくれるんだが、最近、大きい猪を狩って、その肉を塩漬けにしたものだから。

 そうだな・・・・・・この袋に入るだけでいい。

 勿論、お礼は考えてる。どうだ?頼まれてくれるか?

 (数秒間をあけてください)

 おお、そうか。助かる。

 じゃあ、頼むな。

 【別日、同じ森にて】

 (茂みを歩く音)

 む。あんたは・・・・・・。

 そうか、買ってきてくれたんだな?

 渡して貰っていいか?

 (数秒間をあけてください)

 どれ・・・・・・。お、これは・・・・・・丁度これが欲しかったんだ。

 あんた、知ってたのか?塩漬けに向いている塩。

 それとも、聞いてくれたのか?

 いずれにしろ、ありがとな。

 じゃあ、次は私の番だな。

 ちょっと付いてきて貰えるか?

 ふふ。安心しろ。私はこの森にずっといるんだ。迷ったりなんてしないさ。

 それに、あんたに何もしないと誓うよ。

 さ、こっちだ。

 (茂みを歩く音)

 お。上手く行ったようだな。

 ほらこの道。背の低い草や、木の幹の皮が少し剝がれてるだろ?

 猪やウサギがよく通る道なんだ。

 その道に、そいつらが分からないように落とし穴を掘ってやると・・・・・・。

 (歩く足音)

 ほら、立派な猪だ。

 これを、あんたに振舞ってやるよ。

 (数秒間をあけてください)

 む。なんだ?あんた、あまり猪を食ったことないのか?

 って、そりゃそうか。鳥とか豚とか、町には沢山いたからこれを食う必要は無かったもんな。

 よく獣くさいなんて言われるが、しっかり血抜きをすると、殆ど臭いはしないんだぞ?

 ・・・・・・それに、獣の臭さより、私は人の方が・・・・・・。

 ああいや。なんでもない。

 さ、それじゃあ・・・・・・棒で紐と足を結んで、っと。

 あんたはそっちを担いでくれるか?

 あっちに私の家があるから、そこまで頼む。

 【家の前にて】

 (茂みを歩く音)

 よし、ここで降ろしてくれ。

 ここからは私の仕事だ。

 別にここで見ていてもいいが・・・・・・結構、その。解体とかするからアレだぞ?

 嫌だと思ったら、家の中で待っててもいいからな?

 まあでも・・・・・・誰かと話すのは久しぶりだな。

 いつもこうして、獲物を捌いているときは、喋る人もいないからな。

 それに慣れていたらか、少し変な感じはするな。ふふ。

 あ、迷惑ってわけじゃない。むしろ、その・・・・・・新鮮でなんだか楽しくてな。

 子供の頃、父はすごいハンターでな?

 あの頃は町で暮らしていたんだが、よく町の人のお願いを聞いては、弓を担いで出かけていたよ。

 帰ってくるときは必ず、デカい獲物を持って帰ってきてたっけ。

 それで、それを母が父の手を借りながら解体して、皮も奇麗に洗って、なめして・・・・・・。

 そうしてできた肉と皮はすごい評判でな。

 よく夕食にも出てたから、今でもその味を覚えてるよ。

 そういえば・・・・・・夕食の時に、私もお父さんのようになりたい、って言ったらすごい剣幕で怒られたっけ。

 危ないから、母さんから皮のなめし方を教えてもらいなさいって、何度も言われたよ。

 ふふ。懐かしいな。

 (数秒間をあけてください)

 よし。こんなもんか。

 じゃあ、家に入ろう。

 (扉を開く音)

 そうだな・・・・・・よし、肉の旨さを知ってほしいし、ステーキにしようか。

 あんたに買ってきてもらった塩もあることだしな。

 直ぐにできる。そこで座って待っててくれ。

 (フライパンで焼く音)

 あ、柔らかめと硬め、どっちがいいんだ?

 (数秒間をあけてください)

 よし、分かった。もう少し待っててくれ。

 (フライパンで焼く音)

 ん。こんなもんか。

 ほら、できたぞ。そこの皿を取ってくれるか?

 (数秒間をあけてください)

 ん。助かる。

 どうだ?旨そうな匂いだろ?

 この大きい方があんたのな。

 よし、持って行ってくれ。

 (数秒間をあけてください)

 んじゃ、食べようか。

 いただきます。

 んぐ。(咀嚼音)

 ん・・・・・・ちゃんと血抜きはされてるな。

 ほら、あんたも食ってみろ。

 (数秒間をあけてください)

 どうだ?旨いか?

 その顔・・・・・・ふふ。お気に召したようだな。

 うまいだろ?猪も。

 父も、色んな獲物を狩ってきたが、猪を狩ってきた日はいつもよりも嬉しそうな顔でな?

 その日の夕食に出たステーキを、何度もお代わりしていたっけ。

 ふふっ。

 (数秒間をあけてください)

 そういえば・・・・・・あんたに話したことあったっけか?

 私がここ。町じゃなくて、わざわざここで暮らしている理由。

 まぁ、つまらない話なんだけどな。話してもいいか?

 (数秒間をあけてください)

 ふふ。優しいんだな、あんた。

 じゃあ・・・・・・。

 まあ、その。なんだ。

 その日も、いつものように父が町の人のお願いを聞いて、狩りにでかけてな。

 いつものように、次の日には帰ってくると思ってた。

 でも、父は何日経っても帰らなくてな。

 母の顔を見て・・・・・・なんとなく察したよ。

 でも、町の・・・・・・あいつらは、父が逃げたといって、毎日のように怒鳴りに来てな。

 中には・・・・・・生き物の命を奪って金を稼ぐなんて野蛮だ、なんて。言うやつもいたっけか。

 あいつら、他のとこよりも安いと言って、母が加工した皮や肉を買いに来てたくせに。

 父が、今まであんたらのために、どれほど危険な目に遭ったのかを知っているくせに。

 それで、母は弱ってしまって。金はあったけど、外に出たらあいつらから何を言われるのかわからないから、医者にもいけなくて。

 そこで悟ったんだ。

 金なんて必要ないんだって。

 だから、町に住む必要も無いんだって。

 それから、家にあった、父の予備の弓矢と、母の首飾りと指輪と、解体の道具を一通り持って、あの町を出たんだ。

 ふふ。どうだ?つまらなかったろ?

 (数秒間をあけてください)

 はは。なんだその顔。今にも泣きそうじゃないか。

 あんた、あの町の人間に割には、優しいんだな?

 (数秒間をあけてください)
 
 そうだっ、まだ皮をなめしてなかった!

 ちょっと外に出てくるな!

 あんたはそのまま食べててくれ!

 (駆ける足音)

 (扉を閉じる音)

 【しばらくして、家の外にて】

 (扉を開く音)

 あぁ・・・・・・そうか、食べ終わったんだな。

 じゃあ、町の道まで案内してやるから、ついてきな。

 (茂みを歩く音)

 それにしてもあんた、誰にでもそんな感じなのか?

 今日あんたと出会った時、僅かにだけどあんたから甘い香水の匂いがしてな。

 冒険者のあんたがよく会うとなると・・・・・・店の看板娘や、酒場のやつか?

 そいつにも、同じくらい優しいのか?

 それとも・・・・・・。

 い、いや。なんでもない。

 でも。あんたはあの町で上手くしてるんだな。

 正直、あんたのその優しさとお人よしな様子だと、心配になるよ。
 
 (数秒間をあけてください)

 な、なぁ。もし、良かったら・・・・・・。

 (茂みを歩く音)

 よし。ついたぞ。ここを真っすぐ歩いていけば、すぐ町が見えてくるはずだ。

 (数秒間をあけてください)

 そう、だよな。あんたは別に、離れる理由がないもんな。

 (数秒間をあけてください)

 なぁ。

 次からは、この森は避けて通ってくれないか?

 正直、迷惑なんだ。

 あんたのその優しさ。昔の、両親と一緒に楽しく暮らしていた頃を思い出すんだ。

 もし次、この森で見かけたら・・・・・・私、あんたに何するか分からないからな。

 だから、もうここには来ないでくれ。

 【別日、同じ森にて】

 (茂みを歩く音)

 あんた・・・・・・なんで、ここに来てるんだ?

 私、前に言ったよな。もう来るなって。

 あんたのお人よしで、優しいところが、嫌だって。

 この間、あんたと話してから・・・・・・まるで、すぐ隣にあんたがいるみたいでね。

 でも、横を向いても誰も居なくて。その度に、勇気を出して町へ行こうとするけど・・・・・・何度しても無理だった。

 だから・・・・・・あんたにあんな事を言ったというのに。

 また、あんたがここに来てくれないか、夜、星に願ったんだ。

 ふふ。そうか。

 あの願いが・・・・・・叶ったんだな。

 (近づく足音)

 あんたを、この森。いや、私の隣に閉じ込めたいって。

 優しいあんたを、永遠に私の物にしたいって。

 (近づく足音)

 なぁ。この瓶の中身、冒険者のあんたなら知ってるか?

 これは、獲物を仕留めるときに、矢に塗るものなんだが。

 獲物の足の筋肉を弱らせる効果があるんだ。

 弱った筋肉はそのままでな。元に戻らないし、その分収穫が減るから、もう使わないと思ってたんだが。

 今日がそんな日になるだなんてな。

 (数秒間をあけてください)

 ふふ。あんた、そういう顔もできるんだ。

 安心してくれ。あんたが一生立てない体になっても、私が毎日、あんたを手伝ってやる。

 朝起きるときも、食事も、トイレも、寝るときも。
 
 ジっとしていてくれよ?手元が狂うからな。

 大丈夫だ。傷自体は浅く済むから、塞がったときにさほど傷跡は目立たないはずだ。

 (芝生を歩く音。一歩分(後ずさりするイメージをしていただけますと)

 ん?なんだ、逃げたいのか?

 いいぞ?逃げても。

 でも・・・・・・私が、この森の事を熟知している事は知ってるだろ?

 それに、走ってるあんたを射抜くのは・・・・・・正直、加減が利かないから、あんたに大怪我を負わせそうで怖いしな。

 ふふ。

 さ、そのままジッとしてるんだぞ?

 あぁ・・・・・・これからは、毎日、あんたが傍にいてくれるんだな。

 もう、あんたの幻を見なくて、済むんだな。

 これから、一生。あんたの傍に居るからな?

 愛してるぞ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレハンター【ファンタジー】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
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