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ヤンデレ鬼娘
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
3899文字(約 13分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
鬼娘
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
 あらすじとしては「ある日、山の中で道に迷っていると、デカい鬼娘さんが現れて・・・・・・」となっております。

 キャライメージとしては「山でひっそりと暮らす鬼娘さん」です。
本編
 【ある日、山の中で】

 (茂みをかき分ける音)

 おい、あんた。こんな山奥に何の用だ?

 ほぉ?その身なり・・・・・・麓の村の人間ではないな?見ない格好だ。

 む・・・・・・その腰にあるのは、剣か?

 あぁ、なるほど。

 もしかして、噂に聞く、冒険者というやつか?

 確か、色んな場所を旅して、時には魔物と戦って・・・・・・そういうのなんだろ?

 なんでそんなことをするのか、正直私には理解に苦しむけどな。

 だって、人間というものは、別に村でずっと暮らそうと思えば、畑を耕して作物を作り、牛や鶏から肉をとって、それで十分に暮らせるだろ?

 なかなかに、変わった人間もいるんだな。

 お前みたいなのを酔狂、と言うのか?

 あぁ・・・・・・もしかして。私の噂を聞いてここに来たのか?

 ふふ。そうか。この私と力比べをしたいって訳だな?

 鬼である私に、ただの人間が・・・・・・ふふふ。

 私が女とはいえ、お前ら人間よりは二回りは大きいのだぞ?

 腕も・・・・・・ふふ。お前のは、まるで爪楊枝みたいだな。

 少し力を入れたらパキリといい音がしそうだな?

 フ。安心しろ。この金棒は使わないでおいてやる。

 ただでさえ、人間相手には力の加減が効かぬからな。

 まぁ・・・・・・その頭を粉々にされたいのなら、話は別だがな。

 さぁ、どこからでもかかってこい。

 (数秒間をあけてください)

 ん?どうした?かかってこないのか?

 では、こちらからいくぞ?

 (駆け寄る近づく足音)

 (締め上げる音)

 どうだ?息ができないだろう?

 このまま、この細い首、折ってしまおうか?

 ほらほら。どうした?このままだと死んでしまうぞ?

 むぅ・・・・・・。

 (数秒間をあけてください)

 やめだ。

 このまま無抵抗なお前を手にかけても、ただ夢見が悪くなるだけだからな。

 なんだ?あまりの恐ろしさに、体が震えあがっていたのか?

 ふふ。無理もない。

 なんていったって、私は鬼だからな。

 人間が叶うはずあるまいさ。

 だが・・・・・・お前、どうして抵抗しなかった?

 いくらお前が酔狂とはいえ、死ぬのは御免だろう?

 (数秒間をあけてください)

 む?お前、その服装・・・・・・。

 よく見ると、泥まみれだな。

 それに靴も・・・・・・結構くたびれているな。

 もしかして、道に迷っていた所・・・・・・だったりしたのか?

 (数秒間をあけてください)

 そ、そうか。そうだったのか。

 それで、抵抗する力も残ってなかったんだな。

 それは・・・・・・まあ、その。

 すまなかった。早とちりして。

 そうだ。その詫びと言ってはあれだが・・・・・・さっき、川から汲んだ水がある。飲むか?

 (数秒間をあけてください)

 ふふ。いい飲みっぷりだな。

 お前のその飲みっぷりを見ると・・・・・・久しぶりに酒が飲みたくなってしまったな。

 そうだ。お前、道に迷っていたって事は、村を探しているんだろう?

 この先の道を歩いていくと、幹に赤い目印がついた木があるから、それを辿っていけば人間たちの住む村にたどり着くぞ。

 で、代わりと言ってはなんだが・・・・・・そこで一升瓶の酒を買ってきてくれないか?銘柄は何でもいい。

 あぁ、でも。私と話したことは内緒にしろよ?

 あの村の人間は、私をいいように思っていないからな。

 じゃあ、お前が来るのを待ってるぞ?

 【別日、山の中にて。】

 (茂みを歩く音)

 お・・・・・・来てくれたか。

 と、いう事は・・・・・・おっ、その酒は・・・・・・。

 その銘柄、一番好きなやつなんだ!

 もしかして・・・・・・あんたもよくこれを飲むのか?

 だとしたら・・・・・・ふふ。よく分かってるじゃないか。

 それじゃあ、貰ってもいいか?

 (数秒間をあけてください)

 ん。助かる。

 では、いただきます。

 んぐ、んぐ。(飲料音)

 はぁ・・・・・・このとろみと甘み。何年振りだろうか。

 何年経っても、全く味が変わってない。流石人間だな。

 んぐ、んぐ。

 ぷはぁ。

 はぁ・・・・・・。

 ふふ、なぁ?

 その耳。柔らかそうだなぁ。

 触ってもいいか?

 (肌の擦れ合う音)

 あぁ・・・・・・思った通り、柔らかいな・・・・・・。

 ところで、酒だけだとどうにも口が寂しくてな。

 このまま、お前の耳を引きちぎって、酒のアテにしてもいいか?

 コリコリして、柔らかそうで、きっと旨いと思うんだよ。

 なぁ、だめか?

 (数秒間をあけてください)

 えー?いいだろー?右耳がなくなっても、左耳があるじゃないか?

 それでも、だめか?

 (数秒間をあけてください)

 そうか、だめか・・・・・・。

 仕方ない。干し柿で我慢するか。

 お前も食べるか?人間が柿を食べるところはよく見ているから、きっとお前の口にも合うとは思うが・・・・・・。

 んぐ、んぐ。

 ふはぁ。

 それにしてもお前、初めに私と出会った時、一歩間違えれば死んでいたかもしれないというのに、また来るんだな?

 この体とか、この角が、怖くはないのか?

 ふふ。本当に、酔狂な奴だな、お前。

 (数秒間をあけてください)

 なぁ、麓の村の人間たちの様子は・・・・・・どうだった?

 まぁ・・・・・・大体、察しがつくけどな。

 未だに、私の存在が語り継がれているんだろうな。

 人を攫って食べ、気まぐれで村を襲う、恐ろしい鬼。そんなあたりか。

 実は私な?昔はあの村で、人間たちと一緒に暮らしてたんだ。

 村に大きな建物があっただろう?あれな?私が建てたんだ。

 この山の上からでも見えるから、見るたびに、あの頃をよく思い出すんだ。

 ふふ。懐かしい。

 (数秒間をあけてください)

 私の家系はな?代々、あの村で人間達と暮らしていたんだ。

 用心棒や大工なんかをして、暮らしていた。

 そういえば。大爺様は、あの村の近くに、川を作ったんだとか。

 まぁ。そんな感じで、私たちは人間達に頼られていたんだ。

 でも・・・・・・あの日。

 村に、盗賊がやってきてな。

 なかなかの手練れでな。母親が私を庇って怪我をして。

 それをみて、私は・・・・・・。

 気が付いたら、あいつらは動かなくなっていて、私の両手は、真っ赤になっていて。

 それから・・・・・・あの村の人間達は、私の力を恐ろしく思ったらしくてな。

 そんな私を庇って、父と母は・・・・・・。

 それから、ずっとこの山の奥で暮らしている。

 何度か、村の近くまで行ったことはあるんだ。

 でも。村の人間の顔ぶれが2度3度と変わっても・・・・・・私は受け入れられなかった。

 今にして思うと・・・・・・当然だったと思うんだ。

 そもそも、人間とは力も体も何から何まで違ったんだ。

 だから・・・・・・私は、こうしてこのまま。自分の命が尽きるまで一人で・・・・・・。

 (数秒間をあけてください)

 ん?ふふ。なんだ?そんな辛そうな顔をして。

 傷でも痛むのか?

 おい、やめろ。そんな目で私を見るな。

 私は、人間などと比べて、力も体も大きいのだぞ?

 だから、そのように、同情なんて・・・・・・。

 (数秒間をあけてください)

 お前みたいな人間も、いるんだな。

 ふふ。お前みたいなのばかりだったら、あの村も、父も母も、きっと・・・・・・。

 い、いや。なんでもない。

 んぐ、んぐ。

 ぷはぁ。

 ふぅ。ごちそうさま。

 ありがとうな。酒。

 あぁ、礼がまだだったな。

 じゃあ・・・・・・そうだな。

 あぁ。まだこんなのを持っていたのか。(独り言をイメージをしていただけますと)

 ほら。これでどうだ?

 あの村で暮らしていた時に貰った金塊だ。

 あまり、大きくはないけどな。

 って、お前が持つと、随分と重そうだな。

 帰り道、気をつけろよ?

 それと、もうここには来なくても・・・・・・いや、もう来るな。

 お前と話していて、やはり、人間と一緒に暮らせないと悟ったからな。

 お前も、早く元の旅に戻れ。ここに長居しても無駄だろう?

 いいか。警告だぞ。

 もうここには来るな。

 【別日、山の中にて】

 (茂みをかき分ける音)

 ほお。鬼である私の警告を無視してまた来るとは。いい度胸だな、人間。

 今までは手加減をしていたが、もう容赦はしないからな。

 (駆ける近づく足音)

 (締めあげる音)

 ふふ。やはり、お前はいい目をしているな。

 あの時、私を見てくれたあの目。あれが忘れられなくてな?

 無理やり忘れようと、滝で雑念を払おうともした。

 でも。無駄だった。

 お前の目は、初めてだったから。

 人間が私を見るときは、いつも怯えていたからな。

 どんなに隠そうとしているやつでも、それが滲み出ていた。

 でも。お前は・・・・・・。

 人の目をみて、体が熱くなるのは初めてだった。

 お前を、奪いたくなった。

 自分で、それを抑えたつもりだった。でも・・・・・・。

 ふふ。お前のせいだからな?

 お前が、私を、鬼にしたんだからな?

 (締めあげる音)

 このまま、お前の意識を奪って。この先の私の家まで、担いでいってやる。

 抵抗はされたくないからな。

 そこで、お前を取り戻そうとしてきた人間や、お前を食べようと近づいてくる魔物。

 一人残らず、容赦はしない。

 お前に危害を加えるのなら、人間も魔物も鬼も、関係ない。

 お前のその優しさも、向こう見ずな度胸も、水晶のようにきれいな目も、全て私だけのものだ。

 それで・・・・・・ふふ。いつか子供ができて。お前が先に死んでしまっても。

 私と子供たちが、一生。いや、この世界が終わるその日まで、お前の眠りを守ってやる。

 (締めあげる音)

 さぁ。そのまま、眠るように意識を手放せ。

 これから、お前をこの私の婿として。

 永遠に守っていくからな?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ヤンデレ鬼娘
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
一ノ清 カズスケ
ライター情報
 いつも閲覧ありがとうございます(^^)/

 趣味で聴いているASMR、シチュボ系の動画等を盛り上げたいという思いと、自分の名を売りたいという下心を持って、フリー台本を書いております。

 私の名前をサムネ、又は概要欄にて載せて頂ければ、広告の有り無しに関わらず自由に使って頂けるととても嬉しいです(^^)/

 各台本のタイトル、一部内容はは自由に変えてくださっても構いません。
 
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