恥ずかしがり屋だけど、人一倍。いや、人の五倍以上君のことが好きなダウナー系の彼女。
彼女が考えるのは昔から想っていた君との恋人旅行のプラン。
だけどダウナー系の彼女に任せがちな君に、少し不満げな表情を見せる。

それでもダウナー系の彼女はグチグチ言いながらも、大好きな君との恋人旅行に期待で胸を膨らませるのだった。

【】：状況
（）：声色 or SE

【カリカリとノートに計画を立てていく】

ねぇ。……ねぇってば。私の声、聞こえてる？
ん？　じゃないがな。なんで君は旅行先のパンフをずっと見てるのかって聞いてたの。
おかしくない？　私だけずっとノートにカリカリ計画立てて、君はずーっと計画してるだけ。
前から思ってたけど、私に全部丸投げしすぎじゃない？

せっかくのふたりっきりの旅行なんだよ？
もっとちゃんとした計画を立てさせてよ。私が一人で舞い上がってるみたいでいやじゃん。
こういうのは共同研究というか、一緒に考えて形にしていくのがベストなんじゃないの？

そうだよ。私だってまぁまぁ。そこそこ。ぼちぼち楽しみだよ。
だって、付き合ってから初めての旅行だし。
そりゃあ昔から友達として何度か行ったことはあるけどさ。
それとこれとは違うじゃん。なんというか、気持ちの持ちようが、さ。

好きか好きじゃないかとか、そういうの関係ないって。
関係があるのは、私たちの結び方というか、近さというか……。
とにかく！　私が言いたいのは、君も計画考えてってこと！

【聞き手ちゃんが読み手ちゃんの隣に来る】

……って、いきなり近づきすぎでしょ。
じゃあ、って言ってすぐ隣にくっつくとか、どんだけ私のこと好きなのさ。
もうちょっと節操というやつを覚えてほしいものですよ、彼女としては。

嬉しくないかー、とかそうじゃなくって。
……なんというか、さ。長年片思いだった子がいざ私のものになったと思うと、ドギマギするというか、信じられない夢みたいに思えて。
告ったときとか、まさか頷いてくれると思ってなかったし。
だから隣にいて、私のことを好いてくれるのは、すごく……。

あー、やめやめ。すーぐそういうこと聞きたがるじゃん。
私は正直そういうところ、すっごく困るんだけど。

いや、嫌いとかじゃないし。
ただ……。恥ずかしいじゃん、そういうことを面と向かって言うの。
それと、旅行の計画を手伝ってくれない人に言う好意は持ち合わせてないの。

じゃあ手伝う、って。手のひらドリルでできてる？
さっきまで、めんどくさーいとか言ってたじゃん。
どんだけ私に言わせたいわけ。

まぁ、嬉しいっちゃ嬉しいし、2人で考えた方がいいものができると思うけど。
んーもう。なんか調子狂うなぁ。

【パンフレットを眺める彼女】

とりあえずここと、ここは候補にいれたいよね。
あとはそこの名物とかも食べたい。

あー、それもいいね。
そこのアイス、美味しいってネットで評判だったよ。
2人で別々の味食べない？　そっちの方が貯金できるし、効率もいいし。

調べたんだ、って。そりゃ調べるでしょ。
せっかくの、恋人旅行だし……。（恥ずかしそうに）

【ニマニマする彼女】

なにその顔は。
まるで私が君のこと好きすぎてたまらないよね、って言いたげな！
そうだよ、好きだよ！　ずっとずっとずーっと、昔から好きだったんだから。

……って、なに言わせるのさ！
恥ずかしい……。ずっと好きだったけどさ、想うのと口にするのは違うじゃん。
だいたい、口にしなくても分かるでしょ？　私が、どれだけ君のことを好きか。

（手を握る音）

まぁ、なんと言いますか。
このぐらい、言わなくても伝わってよ、恥ずかしいんだからさ。

・台本（ゆるボイ！）
恥ずかしがり屋でダウナーな彼女と一緒に旅行のプランを考える
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス