魔物が出現する街。そこには魔物と戦う魔法少女たちがいました。
あなたは、魔物に襲われそうになったところを口の悪い魔法少女に助けられます。
彼女の背負うものは一体何なのでしょうか。

(逃げ惑う人々の声)
(破壊される街)

くっ、間に合え！
フレイムストームッ！

アンタ、怪我はないか！？

(だ、大丈夫)

よかった、腰が抜けただけみたいだな。

ったく、ワラワラ、ワラワラと出てきやがって。
しつけーな。

アンタ、そこで伏せてろ。
巻き込まれんぞ。

魔物ども、覚悟しろ。
アタシが燃やし尽くしてやる。

おい、こっちは片付いたぞ。
そっちは？
はぁ？　んな雑魚に手こずってんじゃねぇよ。

しゃーねーな。
アタシが行ってやるから、ちょっと堪えろ。

アンタ、立てるか？
あっちに行けば他の逃げた人に追い付けるハズだ。

アタシは今から情けねぇ後輩どもを助けなきゃなんないから、アンタには付いてやれねぇが、うまく逃げろよ。
じゃあな。

(ありがとう)

礼なんざ要らねぇよ。
アタシは助けられるモンは助けてぇだけだ。

(数日後)

最近魔物の出現増えてねぇか？
二、三日前にも出たばっかだろ。

まぁ、出たからには潰してやるけどな。
行くぞ、テメェら！

(疲労している感じで)
ハァハァ。
この辺りはあらかた片付いたか。
思ったより魔力消費しちまったな。
って、ありゃこの間の。

(軽い感じで)
よぉ、数日振りだな。
また逃げ遅れたのか？
ったく、トロいなぁアンタは。
また、腰抜けてんのか？

って、また魔物か。
とことん運がねぇな。

(爆発音)

(より疲労の色濃く)
これで最後か？
クソッ、なんとか倒しはしたが魔力が尽きちまった。
変身も解けちまうし、回復しねぇと戦えないな。

(安全なところに行った方が……)

あ？　ああ、大丈夫だ。
仲間には連絡してあるし、少しすれば来てくれるだろ。

(突き飛ばされる)
いってぇ。
アンタ急にアタシを突き飛ばして何のつもり……

(焦った様子で)
おいッ！　アンタ背中から血が！
まさか、アタシを庇ったのか！？

(よかった無事で)

何がよかっただよ！
何も良かねぇんだよ！

情けねぇ！
気を抜いてたアタシが！

情けねぇ！
魔力切れでへばってたアタシが！

情けねぇ！　
護るべきモンに護られたアタシが！

少し待ってろ！
すぐに終わらせて医者のいるとこに連れていく！

戻ってこいよ魔力！
アタシの全力でヤツを倒す！

二度とごめんなんだ！
助けられるモンを取り零すのは！

ブレイズインパクトッ！

(少しホッとしたように)
目が覚めたか。
よかった。
動かない方がいい。
背中をバッサリやられてるらしい。

(愉快そうに)
ハハッ、お互い包帯まみれで、ミイラみてぇになってんな。

(最後言ってた『助けられるモンを取り零すのはごめんなんだ』ってどういうこと？)

はぁ？　普通聞くか？　それ。
気になっても触れないようにするとこだろ。

まぁ、いいや。

アタシが新米の頃にな、一人の男の子が目の前で魔物に殺されたんだ。

その子の母親には、恨み言を言われたよ『もう少し早ければうちの子は死なずにすんだのに』って。

それを聞いて気がついたんだ。
この街にいる人たちは、みんな誰かの大事な人なんだってな。

だから、せめて目の前の命だけでも助ける。決して取り零したりしない。そう決めたんだ。

(じゃああなたも誰かの大事な人だ)

は、はぁ？
アタシも誰かの大事な人って急になに小っ恥ずかしいこと言ってんだよ。

(それを護れたことを誇りに思う)

それを護れたことを誇りに思うって、二度も腰を抜かしてたくせにエラソーなこと言うな！

(照れながら)
ただ、まぁその、なんだ。
今回はアンタのお陰で助かった。
ありがとうな。

・台本（ゆるボイ！）
ヤンキー系魔法少女には守るべきものがある
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メロンフランスパン