『七鬼衆』の中では最も粗暴で、力の強い「羅刹」と呼ばれる鬼は、半人半妖の男を匂いで発見する。彼女はありったけの力を振るい、男を本気で殺そうとする。その殺意の裏には男への並々ならぬ愛憎があって…？

面白そうなゲームを提案してくれたよなぁ、大将も…


上手くいきゃあ、アイツをアタシのモンにできんのかぁ…


くくくっ…面白ぇ。一番に見つけ出して、アイツを手に入れてやる…！


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(匂いを嗅ぐ)


匂い的にはこのあたりなんだがなぁ…


…おい。出てこいよ。そこに隠れてんだろ？


(男が物陰から出てくる)


よぉ。また会えて嬉しいぜ。


ははっ！んなつれねーこと言うなよ。傷つくだろ？


ん、まぁな。テメーを殺しに来た。


アタシらと同じ鬼のくせに、人間に味方する大馬鹿野郎はぶち殺さねえとなぁ？


知ってる。お前、半人半妖だろ？


鬼の血は半分しか流れてないってなぁ。


要するに人間にも鬼にもなれない半端者ってわけだ。


どっちつかずの中途半端なお前は、人間にも鬼にも味方されず、無様に死ぬってわけだ。


分かってるだろうが、人間に味方しても無駄だぞ。アイツらはお前のことを鬼としてしか見ていねえ。


はっ…知ってるよ。鬼の味方をする気もないんだろ？


だったら…このアタシがテメェをここで終わらせてやるよ。覚悟しな？


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(剣戟の打ち合い)


はぁっ、はぁっ…


半妖のくせにやるじゃねえか…！このやろ…！


つーかよ…前に戦った時より、ずいぶん妖力上げてきたじゃねえか…！


この羅刹様と渡り合えるなんてなぁ…！


…あん？なんだって？


たりめぇだろ。テメェのことは憎たらしいよ。


半妖のくせに人間の味方しやがってよぉ…！


テメェは本来、こっち側だろうが！


なのになんで…人間なんかの味方しやがる！？


大将だってお前のこと、仲間に入れたがってたんだぞ！


…まさかアレか？お前を拾ったっていう人間の女に情が湧いたからか？


図星かよ。分かりやすいなぁ、おい。


くだらねぇ。鬼のくせに人間の女に入れ込むなんてな。


アタシら七鬼衆を裏切るった報い、今ここで受けやがれ！おらぁっ！


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(剣戟の打ち合い)


けっ！このナマクラ刀が！とっとと刃こぼれしやがって！


こうなったら…殴り合いで決着つけんぞ、こらぁっ！


(殴り合い)


くっ…そんなヌルい攻撃がアタシに効くと思ってんのか！だらぁっ！


(渾身の一撃)


はぁっ、はぁっ、はぁっ…


決着はついたみてえだな…そらっ！


(男の首を絞めあげる)


苦しいか？ざまぁねえな。自業自得だ。


アタシの気持ち知ってて、人間側についたんだろ？余計にタチ悪いぜ…！


あぁ…テメェのことを愛してた。


半妖だろうが何だろうが、お前は立派な鬼で、男だ。


アタシもかつてはお前に助けてもらったからな…


あん時のお前の背中はデカかった。


あのデカい背中を持つお前になら、アタシの全てを預けてもいいと思ってた。


だってのに…お前は人間を守ることを選んだ。あんなクソみてえな連中を…


…今回な、大将からゲームを提案されたんだよ。


アタシら七鬼衆の中で、誰が一番にお前を手に入れるかっていうゲームをな…


一番最初にお前を屈服させた奴が勝ちって話だったが…どうやらアタシの勝ちみてえだな。


死にたくなきゃ、今すぐこっち側につけ。


アタシの言うことが聞けねえってんなら…この細っこい首、今すぐへし折ってやる…！


…はっ。そうかよ。そりゃ残念なこった。


お前ならアタシのカッコいい旦那様になれると思ったんだがな…


ひとおもいに殺してやるよ…そんで、お前の首を斬って持ち帰って、アタシの部屋に飾る。


そうすりゃ、死んでもずっと一緒だろ？


お前もそっちのがいいよな？


仲間の七鬼衆にもお前は渡さねぇ…


お前はアタシだけのモンにするって決めてんだ。


だから…ここで死ね。アタシのために…な？


ははっ…はははっ！ははははは！ははははははははは！

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレ七鬼衆に愛されすぎて命が危ない〜豪鬼・羅刹編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎