悪の人外女王様が、お茶会に乱入した人間と戯れてあげる話。

【登場人物】
・人間を紅茶に加工してしまうタイプの女王様。人じゃない。
・仲間を紅茶に加工されてしまった人間。可哀想。

優雅にセクシーに歌うように演じるとしっくり来るかも？
楽しんで読んでくだされば、特に問題ないです。

有償利用時は事前にご相談ください。

あら、人間風情がここまでたどり着くとは……。
それにしても遅かったではないですか。
せっかく淹れた紅茶もとっくに冷めてしまいました。
まぁいいでしょう……。
たかだか人間風情が、ここまでたどり着けただけでも及第点ではないですか。

しかしせっかくのいい紅茶でしたのに……。
あらあら、そんな怖い顔しないで、こちらにおいでなさいな。
この紅茶、きれいな紅色(あかいろ)でしょう？
冷めてもいい香りがするのですよ。
血のように深く、肉のように芳醇で……。

あら、お気に召さなかった？
何もひっくり返さなくても良いではないですか。
あーあ、せっかくのティーカップが粉々になってしまいました。
人間というのはどうしてこうも短気なのでしょう……。

それで、あなたの御用というのは、なあに？
……。なるほど、お仲間が恋しいのですね。
それならここに居りましたのに。
先程あなたがひっくり返した──ティーカップの中に。
今では私のドレスの染みになってしまいましたが……。

あらまぁ、すごいお顔。
そんなに怖い顔をすると、皺が深く刻まれてしまいますよ。
……。お茶会の席で剣を抜くとは、人間というのは何とも無粋な生き物なのですね。
風情を理解できない人間風情にも丁度よい催し物……。

そうですね、『狩り』などはいかがですか？
私から逃げ切って生き延びることができれば、勝ち。
私に捕まって死んでしまったら、負け。
簡単でしょう？難しかったかしら？

では、お時間を差し上げましょう。
逃げるなり隠れるなり、お好きになさいな。
そうね、3分。
その間、私から逃げ切って生き延びることができればあなたの勝ちよ。
精々楽しませてちょうだいな。
人間風情にできる芸事など、この程度でしかないのだから。

準備はできたかしら？
さん、に、いち──ぜろ。

・台本（ゆるボイ！）
人外クイーンと命がけの鬼ごっこ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
鉄乃クサリ