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30歳ニートが就職しようとしたら面接官が昔の煽り系後輩だった
written by 秋照
  • からかい
  • 後輩
  • サラリーマン
公開日2022年12月15日 22:11 更新日2022年12月15日 22:11
文字数
1162文字(約 3分53秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
面接室
あらすじ
青春の終わり
バンドを卒業して一般就職を目指すあなたの面接官は、大学時代あなたを散々いじってきた後輩だった
謎の圧迫面接の行方は?
本編
 それでは、面接を始めますね
 初めに自己紹介をお願いします

 そうですか、27歳で仕事を辞めて無職に
 それ以来は地道に仕事を探していたけれど、仕事は見つからなかった、と

 仕事探しは真面目にしていたんですか
 それはそれは、大変でしたね

 次の質問をさせてくださいね
 前職を辞めてしまった理由は何でしょうか?

 ふーん、職場の人間関係が嫌だったから、ですか
 そうですね、人はお金のために働くわけではないですから、人間関係の部分でやめてしまうのは仕方ないことだと思います

 では最後に、私からの個人的な質問をしてもよろしいでしょうか?
 あ、理由としましては、あなたは私の部下になるわけですから、あまり人間関係をぐちゃぐちゃにしたくないので、あらかじめ尋ねておこうと思いまして……

 えーっと、先輩?
 どうしてうちに来たんですか?
 先輩は将来ミュージシャンになるんだーって言って夢を追いかけていったじゃないですか
 その姿を私は応援していたんですけど、やめちゃったんですか?
 あーあ、だっさ

 ほんと、あの頃のだらしない先輩に戻っちゃいましたね
 それで私のところで食い扶持を稼ごうだなんて、なんてくだらない先輩なのでしょう
 先輩のバンド内でのポジションはベース、それもダサかったですけどね
 ベースってバンド内で何してるんですか?
 えー、縁の下の力持ち?
 バカですねえ
 そんなこと言ってるから目立たないで埋もれていくんじゃないですか
 あの頃と、何も変わってないですね

 もし、私が今もバンドをやっている先輩の姿を見たら、きっと、憧れて、自分も明日を頑張ろうかな、って思えたんですけどね
 履歴書が送られてきたときに、私の憧れの先輩がそこにいました
 ぜひ会ってみたいと思って時間をとったんですけど、このありさまですか

 がっかりです
 でも、仕方ないですよね
 食べていくためには最低限お金を稼がなきゃいけない時もありますし
 でも、今どきだったら食べていくだけなら国を頼ってしまえばいい
 それをやらない先輩は立派だな、って思います

 でも、私の手で先輩の芽を摘んでしまうのは、とても心が痛みます
 先輩と一緒に、学生だったころの青春の続き、会社で過ごしたいです

 でも、それを選んだら、きっと先輩は舞台に立つこともなくなってしまう
 私がわがままで先輩にバンドを続けさせたら、先輩は食べるのに困ってしまう

 先輩との仲だから、雇っても問題ないとは思うのですが、どうしてでしょうかね、先輩の未来を消してしまうのが、先輩を殺してしまうのと同じことに思えてしまいます

 生きたいように生きられないなら、死んでいるのと大して変わらないですもの
 だから、なんだか、目の前の先輩が、とても嫌なものに見えてくるんですよ

 それでも、私と一緒に働きたいですか?
 そうですか、よろしくお願いします
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
30歳ニートが就職しようとしたら面接官が昔の煽り系後輩だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
秋照
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