朝早くドアを開けてみると、部屋の中はやっぱり寒い。
もう冬も近いからか、まだ薄暗いままだ。
適当にパンをトーストしてから、彼女を起こす。
めちゃくちゃ不機嫌そうだった。

【】：状況
（）：声色 or SE

【起こす聴き手】
【目を覚ます読み手】

んん……、うぅ……ん……。
ふあぁ……ふぅ……（あくび）
眠い。なにさ、朝っぱらから。あたし、眠いんだけど。

んん……、ごはん……。ご飯の時間？
いま何時ぐらい？　まだ5時ぐらいだと思ってるんだけど。

……7時半？　まだ外暗くない？　ふあぁ……。
ほら、カーテン開けてもそんなに明るくないし。

時計？　あぁ、ホントだぁ。
まぁ、眠いし、別によくない？
今日は確かお休みだった気がするし。もう少し寝ててもいいよね。
てか眠い。寝かせて。あたしは長い時間寝ないとダメなタイプの女だから。
そんな感じで、おやすみ～。

【起こす聴き手】

うるさぃ……。ご飯とか知らないし。眠いもんは眠いんよ……。
んー……。確かにいい匂いはするけどさぁ。眠気が……。ふあぁ……。
んん……。ねむい。さむいし。ねむいし。動きたくない……。
だから、もうちょっとだけ。あと3時間ぐらい……。

ご飯が冷めるって、レンチンすればいいだけだし。
今は寝るの重要。寝るしかない。今だけは。

【寝たらディープキスと脅す聴き手】

ディープ、キス……？！
……さすがに寝起きでそれは嫌だなぁ。
でも眠いし。でもでも勝手にベロベロされたくはないし……。
ま、まぁ……うーん……起きます。

（物音）

ディープられるとか、ありえないし。
そんな微妙そうな顔しないでほしいんですけど。
あたしと一緒に出来立てのご飯食べれるならいいじゃん。
ふあぁ……。ご飯食べたら、寝ればいいだけだし。

だからディープるのはダメです。今日はあたしの休みなので。

　◇

んん……。パンじゃん。
パンだけじゃん。

キミがあたしのことを起こすぐらいだから、いい感じのご飯かと思ったのに。
見てみたら、ただのトーストした菓子パンだけだし。まぁ、いいけど。

あ、コーヒーもある。ちゃんとカフェオレにしてるね。助かるー。
あたし、胃が弱いからカフェオレしか勝たんのよ。
ブラックとか胃が、うがー。ってなるし。

うん。じゃあ、いただきます。

（もぐもぐ）

んー、美味しい。
焼きたてじゃないけど、トーストしたてだからサクサク。熱いけど。
猫舌だから、もうちょっとごねてパンを冷ますべきだったかなぁ。

【文句言う聴き手】

ごめんごめん。ちゃんと嬉しいから。
こうやって仕事が忙しくて、なんにも家事出来なくて困ってたから。
ほぼ家事代行サービスみたいにする気はなかったけどね。
本当ならお金とか渡した方がいいんだろうけど、キミは受け取らないからねぇ。

……まぁ、ありがと。
おかげで本当に助かってるから。

【数秒沈黙】

あはは、慣れないこと、言うもんではないね。
はい、ごちそうさま！
じゃ、じゃあ寝るから！　おやすみ！

・台本（ゆるボイ！）
素直じゃないダウナー系彼女の休日の朝
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス