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こころボックス2~心が折れそうなら折ってしまえば良い~【性別不問1名】
written by ニクキューP
  • 癒し
  • 切ない
  • 職場/オフィス
公開日2023年05月30日 21:35 更新日2023年05月30日 21:35
文字数
2788文字(約 9分18秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
とある小さな喫茶店。
悩みを持つ常連客に、喫茶店のマスターが優しく語り掛けます。

※登場人物の性別は男性を想定して記載しています。
 性別を変更する際は、一人称、語尾等変更して演じてください。
 ただし、内容が変わってしまうような大幅な変更はご遠慮ください。
本編
★★★★★★★★★★★★
 台本をご覧いただきましてありがとうございます!
 本文中、「――」の記述がありましたら、ト書きですので音声化不要です。

 ※注意事項※
 題名、本文中に偏った見解がありますが、あくまでも個人の見解であることを
 ご了承のうえ、お読みいただきますようお願いいたします。
★★★★★★★★★★★★

やあ、いらっしゃい。

 ――間を取る
 
どうしたー?
顔色が悪いぞ?

熱でもあるんじゃないか?

こんなところに来てないで、
早く帰って休んだ方が良い。

 ――間を取る
 
そうか。
精神的に辛すぎて、体調を崩してしまっていると言うことか。

 ――間を取る

わかったよ。
じゃあ、いつもの君の席に座るといいよ。

ホットココアでいいかい?

まずは、ココアを入れている間に、キミの話を聞かせてくれるかな。

きっと、キミは私に話を聞いて欲しいと思ってくれたんだね。
ありがとう。

 ――間を取る(軽く笑うマスター)

あははっ
そりゃあ、わかるさ。君とは長い付き合いだ。

キミが私のことを信用してくれていると思うと嬉しいさ。

 ――間を取る

はい、ココアお待たせ。

そうか。

なるほど。
それは大変だったね。

キミが心を悩ましてしまうのも仕方がないね。

 ――間を取る

じゃあ、少し私の話に付き合ってくれるかい。

私の経験から導き出した考えを君に話そう。
参考になると嬉しいのだが。

 ――間を取る

ココロが折れる。
ココロが折れそう。

絶望感、挫折《ざせつ》感、虚無《きょむ》感。
誰にでも経験があることだ。

この負の感情をプラスに転換できれば、何の問題も無く、『良い経験になったね』で済まされる。

だけれど、人生、そんな単純ではない、よね。

自信を無くしてしまったり、人間不信に陥《おちい》ってしまったり、現実から目を逸《そ》らす、もっと言えば、事実から目を逸らして無かったことにする。

そんな選択肢を選ぶことも少なくないのではないかな。

人間関係、仕事、ネット……悩みは尽きない。

次から次へと、どんどんストレスが自分の中に蓄積されていく。

相談する友達なんて居ないし、SNSで吐き出すだけでは、とてもとても。

キャパオーバーで、自分の中で処理するなんてことは到底《とうてい》できない。

このままでは、本当に心が折れてしまう。

でも家族、職場への影響を考えたら休むことも出来ない。

そんなとき、どうするか。

……誤解を恐れずに言うなら、

 ――間を取る
 
『心が折れそうなら、折ってしまえば良い』

厳密に言うと、心が折れてしまう前にギブアップするのも『アリ』だと。

『心を折ってしまえば良い』なんて簡単に言うなと。

そんなに単純なものではない、深い事情も知らないくせに。

キミは言うかもしれない。

だけれど、今にもメンタルダウンしそうな状況から、自力で立ち直ることが出来る人はいいんだ。

本当に、立ち直ることができる人は、ね。

そう、私は思うんだ。

現状、いや、だいぶ前から不安定な精神状態で、我慢して我慢して、だましだまし気付かないフリをして毎日を過ごしている。

どころか、キミの心が麻痺してしまって、体調にまで影響が出ている。

なのに、そのメンタルダウン直前の状況が、いつもの自分と勘違いしている人も多いのではないかと。

慢性的に片頭痛、震え、めまいが出ている状態で、もう何年も過ごしている。


『私は、僕は、身体が、心が弱いのかな、もっと強くならなきゃ。』


違うね。
身体が弱いんじゃない、ココロが弱いのではない。

今、キミが無意識に無理していることによって、身体が悲鳴をあげているんだ。

感覚が麻痺してしまっているんだ。

もっと言えば、キミに自覚がないだけで、既にココロは折れているのかもしれない。

私にはキミが、どれだけ苦労しているか、どれだけ辛いのかの判断は出来ない。

薬を処方することも出来ないし、無責任に「気にするな」なんて、とても言えない。

私に言えることは、体調等に改善が見られないなら、プロに判断してもらうことも選択肢に入れてほしいと言うことだ。

心療内科など症状に合った病院を受診することを強くお勧めする。

プロに背中を押してもらおうよ。

そうすれば、少なからずキミも前に進めるはずだ。

心療内科なんて躊躇《ちゅうちょ》する気持ちもわかる。

例えば、今抱えてる仕事が多くて会社を休めないこともあるだろう。

 ――間を取る
 
でもね。
キミ一人休むことで、経営が続かない職場に未来はない。

文句を言う上司、同僚が居たら、「倒れたら責任とれるのか」と逆に言ってやれ。

キミの気持ちは、キミにしかわからないのだから。

キミ自身、他人に迷惑を掛けることに引け目を感じることもあるだろう。

けれど今のうちに手を打っておかないと、後々、更に最悪の事態になる危険性だってある。

そうなる前に、今のうちに、ギブアップしたほうが良い。

病院に行ってみて、結果『大丈夫』だったら、それはそれで『大丈夫でよかったね』って思えば良い。

自分の中で納得できるだろう。

もちろん、我慢することも大事なときだってある。

だけれど、当然、我慢にも限界はある。

 ――間を取る
 
人生一度きり。
キミは、もう十分頑張った。もう、そんなに頑張らなくて良いんだよ。

たくさん休んで元気になって、本当の笑顔を僕に見せて欲しい。

そして、輝く未来で、ココロが折れそうな人を見かけたら手を差し伸べてあげようよ。

自分が困ったときにフォローしてくれた人々への恩を、そこで返せば良いんだ。

 ――間を取る

少々、過激なことを言ってしまったけれど、もちろんこれは偏《かたよ》った見解であり、当然、必ずそうすべきだと言うものでもない。

だけれど、選択肢として、検討材料のひとつとして、心の隅に留《とど》めておいてくれたらと思うんだ。

 ――間を取る
 
こんなことを言ったからって、君のことを見捨てた訳じゃない。

いつでも、店に来てくれよ。

キミの出した結論を話してくれたら嬉しいよ。
いや、結論じゃなくてもいい。何も考えられなかったでもいい。

私はキミの顔が見れたら、それでいい。
少しでもキミのチカラになれたら、嬉しいんだ。

だって、今日だってキミが体調悪くても、ここに来てくれた。
そのことが私には、すごく嬉しいんだ。

 ――苦笑い
まあ、キミが体調悪そうな姿で、ここに来ているのを見ると、嬉しいと思いつつ少し複雑ではあるが……

でもキミの笑顔は、私の喜びでもあるんだ。

 ――間を取る
 ――冗談ぽく
 
そう、責任重大だぞー?

なんてね。
一緒に悩んで答えのヒントを見つけていこう。

 ――間を取る
どうした?
そんなに、うなずいて。

 ――間を取る
そうか。
それは良かった。私も嬉しいよ。

 ――間を取る
うん、またおいで。
待ってるよ。

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クレジット
・台本(ゆるボイ!)
こころボックス2~心が折れそうなら折ってしまえば良い~【性別不問1名】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ニクキューP
ライター情報
猫と初音ミクを溺愛しているライターです。
コメディ、日常、メンヘラ、そして百合&ライトBL
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