和風〇〇なお姫様と、その護衛のお侍シリーズその１。
ほのぼのしたやりとりのシチュエーションボイス台本です。

こちらはお侍視点となります。なんちゃって御座る語で話しています。
言葉的におかしい部分もあるかもしれませんがご容赦下さい。
女性の方は宜しければお姫様視点の方も見てみて下さいね。
（このお姫様とお侍のやりとり二人用の台本もpixivさんに用意してあります）

※ふわっとあらすじと設定
読み手はのお転婆お姫様の護衛をしているお侍。ござる。
やや振り回され気味だが、お姫様の事は敬愛している。
聞き手は貴族のお姫様。木登りで息抜きしています。
齢は８歳から１０歳程度。育ちの所為でやや大人びています。

※（）内は効果音、BGMなど。その通りでなくても構いません。

以下から侍視点バージョン台本startです。

～～～

（がさがさと草をかきわける音など）

「姫様ー！　どこに行かれたので御座るかー！
姫様ーー！！

……ああ！？　何故なにゆえ、木の上に！？
もしや一人で登られたので御座るか！？
危あぶのうございます、早はよう降りてきて……いや、そこでお待ちあれ！
拙者が迎えに参ります故！」

―――　間　―――

「はぁ……はぁ……やっと登れたで御座る……。
姫様、笑い事では御座りませぬぞ……。
む、此処に座れば安心で御座るか？　で、では失礼仕つかまつる。
……おぉ、本当だ。姫様は木登りの達人であられたか。
御見それ致しました。
……して、何かあったで御座るか？
いや何、姫様が行方をくらませる時は、お顔が曇りがちで御座るからな。
……とは言え、無理には聞かぬで御座る。
話したくなった時に、誰かに話せれば良いで御座るな。
話す事は、手放す事にも通じると聞く。
その方が姫様の御心おこころも、軽くなると思うで御座るよ」

（風の吹く音など）

「……ふぅ、此処ここは良い眺めで御座る。
吹き渡る風も、何とも心地良い。
いやはや、姫様は素晴らしい場所をご存じで御座るなぁ。
……むむ、姫様の秘密の場所で御座ったか。
なれば拙者は忘れる故、どうぞ姫様だけの場所に……
む？　拙者ならば構わぬ、と？　宜しいので御座るか？
ははは、有難き幸せ。嬉しゅう御座る。
もし、また此処に来たくなった時は、拙者もお供致しますぞ。
姫様に何かあっては一大事で御座るからな。
……何を申される、当然の事で御座るよ。
拙者の一番は、姫様で御座る。
確かに、姫様の護衛の任は、姫様の父上に命じられたもの。
それでも、我が命に代えても護ろうと思ったのは、姫様だからこそ。
……拙者の言葉は信じられぬで御座ろうか？
……ははは、姫様に信じて頂けるのであれば、百人力で御座るよ」

（やや強い風の音）

「おや、風が強くなってまいった。
姫様、お体が冷えては毒に御座る。
名残なごり惜しくはありますが、そろそろ屋敷に戻りましょう。
……ぬ！？　ひ、姫様！？　なりませぬ！
そのように背中に引っ付かれては……！
……え？　寒くなってきたし、降りるのが恐ろしい？
そ、それならば致し方ありますまい。
……うむ、これも姫様の為、うむ。
……顔が赤い？　いやいやいや、姫様の気のせいで御座るよ。うむ。
しっかり掴まっていて下され、ゆるりと降りまする」

―――　間　―――

「よっ、と。ふぅ……無事に降りられたで御座る。
姫様、下ろしますが宜しいか？
…………姫様？
（ここから小声）おぉ、何と……眠ってしまわれたか……むむ、起こすのも忍びない。
……斯様かように小さき身ながら、多くを背負われて。
拙者が身代わりになれればとも思うが……歯痒はがゆいものよ。
……姫様、屋敷に着くまで、暫しばしゆるりと休まれよ。
せめて、拙者の背中に居る内だけでも、安らかに（小声終わり）」

（ゆっくりと歩いて去る音など）

End

・台本（ゆるボイ！）
おてんばお姫様と護衛の侍：侍視点ばぁじょん
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
天北くろむ