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「囲む」
written by 黒根 ユウ
  • シリアス
  • ホラー
公開日2021年07月26日 03:09 更新日2021年07月26日 03:09
文字数
1145文字(約 3分49秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
ご覧いただきありがとうございますm(__)m
ホラーのボイス台本です。不快に思う可能性の内容が含まれている可能性があります。ご注意ください。

《あらすじ》
実家に帰った主人公、寝ている自分のもとに来た家族の様子がおかしい…
《場所・季節・時間》
場所指定や季節感はありません。
《演者様役柄》
ひとり暮らしをしている人物
《リスナー様役柄》
特になし
《その他注釈・規約》
アレンジはご自由に。ご使用の際は著者名を明記願います。
本編
これは私が実家に里帰りした時の話です。
実家には弟と両親がいます。
私は久しぶりの実家でのんびりするつもりでした。

帰ったその日の夜のことです。
ふと夜中に目を覚ました私は、ベッドの脇に誰かの気配を感じました。
見上げると、誰かが立っていました。
私は暗くしなければ眠れないので、部屋は真っ暗です。
その暗闇に浮かぶシルエットからすると、どうやら母であるようでした。
「お母さん、何?」
私の問いには答えずに、母は部屋から出ていきました。

翌朝、母親にそのことを尋ねると、
母はきょとんとしており、何も知らない様子でした。
私は夢だったのかと思い、それ以上は気にかけませんでした。
その日、私はまた深夜に目を覚ましました。
また、ベッドの脇に気配を感じます。
今度はベッドの脇には黒い人影が2つ。
母と弟でした。
2人の顔は暗闇に溶け込み墨汁を塗ったようでした。
表情はわかりませんが、どうやら口が動いているように見えました。
「2人とも、何よ?勝手に部屋に入ってきて!」
話しかけても返事はなく、じっとこちらを見いるようです。
「ちょっと!本当に何なの?!」
そのうちに2人とも無言で外に出て行きました。

翌朝、弟と母を問い質しても2人とも何もおぼえていません。
2人の様子はふざけているような感じではなく、やはり夢なのかと私は思うようにしました。
しかし夢としては現実感があった事が気になり、私は父に相談をしました。
私の話を聞いた父は、何もないとは思うが夜中に様子を見に来ると言ってくれました。
とはいえ、その夜はなかなか眠りにつけず、私は布団をかぶってしきりに寝返りをうっていました。
そのうちに部屋のドアが開く音がしました。
父が様子を見に来てくれたと思い、声をかけようとした時、息をのみました。
足音は1人ではなかったのです。
足音は3人でした。
かぶった布団を少しずらすと、家族全員が私を取り囲んで見下ろしています。
顔は暗くで表情はわかりませんが、口をしきりに動かしています。
何かを喋っている?
ただ事でない様子に怯え、私は声を出すこともできずにいました。
何?何なの?みんな変だよ!
私は声にならない悲鳴をあげました。
その時、3人の声が聞こえてきました。
「支配できたか?」
「支配できたか?」
「支配できたか?」
この言葉を繰り返し喋っています。
私は震えながら布団の中で耳を抑えました。

いつの間にか朝になり、家族は部屋から消えていました。
リビングを覗くといつものように談笑する3人がいます。
もうここには居れない!
滞在予定はまだ残っていましたが、私は逃げるように私は実家を後にしました。

私の家族はどうなってしまったのでしょう。
この事をどこに相談したら良いのかわかりません。
そして、先日恋人が泊まりに来た翌朝、私を不思議そうに見ていたのはなぜなのでしょう
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
「囲む」
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
黒根 ユウ
ライター情報
主に男性向けボイスシナリオを作成しています。全てフリー台本です。
R15内容を含む作品がありますので閲覧の際はご注意ください。

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