彼氏が仕事から帰ると 何やら悩んでいるらしき 彼女。なかなか自分から気持ちを話したり 甘えたりできない彼女の性格をわかっている彼氏は、彼なりの方法で甘やかすことにします。

ただいま〜
あれ？いつも 玄関まで来てくれるのに…キッチンかな？

ただいま
何、そんなに驚いて。
いいよいいよ、出迎えなんて。
それより 今日もいいにおい！急いで風呂はいってくる！
え？はいはい（笑）じゃあ ゆっくりはいってくるよ

―――お風呂―――

明るい調子で しゃべってるけど、全然目を合わせない。やたらに 口数が多い。俺が帰って来たのに気づかなかった。なんかあったな…。言い出せないだけなのか、気づかれたくないのか…。まったく、変なところで我慢しちゃうんだよな、あいつ…

―――――――――

ごちそうさまでした。今日も美味しかった！いつもありがとな。でも あんまり無理するなよ。お前だって仕事してるんだし、大変だろ。
大丈夫？ま、そう言うと思ってたけど（笑）

あ、片付けは俺がやるって。風呂 入ってくれば？うん。ごゆっくり。

―――PCのカタカタ音―――

あぁ、出てきたのか。
これ？明日の会議の資料。あと少しで終わるよ。
(あーあ、目が腫れてる。風呂で泣いてきたな…ったく…)

―――PCに向かいながら―――

何 じっと見てんの？こっち来る？ここ座れば？
(おー、素直に来た。で、なぜか背中合わせにくっついてくる。辛いことがあった時のお決まりのパターン。俺の邪魔しないようになんだろうけど…素直になりきれない困ったちゃんだねぇ。
…体、震えてる…泣いてるのか？)

よーし！終わり！
ちょっと どこいくの？コーヒー？いらないいらない。
それより、ぎゅーってさせてよ。はい ぎゅー。
そうそう。やっぱり これがないと疲れがとれない。
んー？なにが？
そんなの帰ってきて すぐにわかったよ、何かあったなって。

あのさ、辛かったり 悩んだりしても、なんでもかんでも 俺に話せるわけじゃないと思う。お前のそういう性格、わかってるつもり。でも、そんな気持ち1人で抱え込まれるの 嫌なんだ。
だから、話せない時はぎゅーって抱きついておいでよ。「辛いよ」の合図にしよう。
もちろん、『帰ってきてすぐは疲れてるかな？』とか 『お仕事じゃましたら悪いかな？』とか 考えずにな。

(笑）そんなの お見通しだよ！

人って、 抱きしめられて癒されるタイプと 抱きしめて癒されるタイプがいるんだ。お前は前者、俺は後者。だから、なーんにも遠慮することない。疲れてる時も忙しい時も、お前を抱きしめられるなら大歓迎！だって 癒されるんだもん。
な？ほら もう1回、ぎゅーーっ。
あれ、お前、髪の毛乾かしてないじゃん。まったく 風邪ひくだろ。よーし、特別に俺が乾かしてやる。
いいの！やりたいの！
で、眠るまでとことん甘やかす！決めた！

―――耳元で―――

いいか、今日は俺、本気で甘やかすからな

・台本（ゆるボイ！）
抱きしめて癒されて
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
美俐