今日は夏祭りデート
同棲している彼女の 「たまには待ち合わせてデートしたい」というお願いを不思議に思っていると、彼女が浴衣でやってきます
大喜びの彼氏ですが、やがて彼女の異変に気づきます…

―――彼女の(できれば下駄の)近づく足音―――

あれ？浴衣じゃん！買ったの!?
すげー かわいい！
よく似合ってる！

あー、それで今日、「たまには待ち合わせデートがしたい」なんて言ったんだ！同じ家からでかけるのに変だな、と思ってたんだ（笑）

着付けはどうしたの？

え、浴衣の着付けなんてできたんだ！それは知らなかった。髪もかわいくセットできてるし…どうしよう、かわいすぎて抱きしめたくなってきた！

（笑）しないよ。せっかくお前が頑張って、こんなにかわいくしてきてくれたのに、デートの前に崩れちゃったら困るからな。
《耳元で》
今は、がまんする。

よし、じゃあ 行こっか。
はい、手。
慣れない下駄なんだから ゆっくり歩いた方がいいよな？あ、もし痛くなったら 早めに言うんだぞ。約束な？

―――2人の歩く音―――

えー？そんなにニヤニヤしてる？

そうかなー？でも仕方ないだろ？
夏祭りに彼女と浴衣デートって夢だったんだから。しかも、こんなにかわいいんだぞ！

なに 照れてんのー？顔 真っ赤だよ（笑）
もう ますますかわいい。

わかった わかった！
別にからかった訳じゃないよ（笑）
あ、お前の好きなヨーヨー釣りがある！
わ、走るなって。屋台は逃げないから（笑）

――――――

―――ゆっくり歩く音―――

結構遊んだなー。

そろそろ休憩しよう。
あ、でも もうすぐ花火かー。
ここ、ちょっと登った所に穴場のベンチがあるんだけど……歩けそうか？

なんだよ、そんな驚いた顔して。
足、痛いんだよな？

バレてないと思った？

そんな訳ないだろ？歩くのだんだんゆっくりになってきてたし、よく見たらちょっと引きずってたから。
で、どう？このすぐ上まで行けそう？おんぶする？

恥ずかしいって 痛いよりいいだろ？

大丈夫？
じゃあ、ゆっくり行こう。

――――――

はい、ここ座ってて。飲み物買ってくるから。

――――――

お待たせ。
はい。ラムネ。
夏祭りと言ったらラムネだよなー

あ、そうだ！これ、絆創膏！
ラムネ屋のおばちゃんがくれた。

そうそう。
おばちゃん、気さくな人っぽかったから、ダメ元で聞いてみたら持ってたんだよ！鼻緒で足痛めちゃう子、結構たくさんいるらしいよ。だから おばちゃん、箱で持ってきてるんだって笑ってた（笑）

ほんと！いい人だよなー。
ほら、足見せて。
あーあ、赤くなって擦れてるじゃん。これじゃ、痛いよ…。絆創膏貼るから、俺の腿ももに足乗せて。
《絆創膏を貼りながら》
俺、最初に言ったよな？痛くなったらすぐ言うようにって…。なんで我慢してたの？

せっかく楽しい雰囲気なのに…って。痛いの我慢してお前が楽しめなかったら意味無いだろ？2人の時間は 2人とも楽しくなくちゃダメなんだよ。わかった？

よし、できた。どう？少しは楽？

どういたしまして！ま、俺よりおばちゃんに感謝だな（笑）

そうだな、帰りにお礼言いに行こう（笑）

―――花火の音(以下 なり続ける)―――

あ、花火！
キレイだなー

―――少しの間―――

《急にキス》

ラムネの味がする（笑）
また顔、赤いよ。

「見えない」じゃなくて 見ーせーなーいーの！

さっきから俺、ずっとお前のこと見てるのに、お前は花火ばっか見て全然気づいてくれないから。
それに、花火見てるお前綺麗すぎて我慢できなくなった。

大丈夫、花火はまだ終わらないから、あと１回だけ、な？

《長めのキス》

帰ったら 続き、しような（笑）

・台本（ゆるボイ！）
浴衣と花火とラムネ味のキス
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
美俐