少し大人なカップルのお話です。
年上彼氏に甘えてばかり、助けてもらってばかりは卒業の年頃。彼氏も彼女の気持ちを受け止めつつ見守ります。

新しいプロジェクトのリーダーに推薦された彼女。
普段からなかなか自分に自信が持てない彼女は プレッシャーを感じてしまいます。
彼女の性格をよく知る彼氏は…

―――深夜、目覚める彼氏―――

あれ？いない。
2時半か…

たぶん寝付けないだろうと思ってたけど、案の定だったか…

―――歩く音・ドアの音―――

《彼女に近づきながら》
その通販番組、面白い？

ごめん ごめん（笑）驚かすつもりはなかった。

《隣に座る》
寒くない？
はい、毛布。一緒に入ろ。

―――以下、テレビの方を向いたまま会話するイメージです―――

…あんまり…面白くないな…

ん？手、繋ぎたくなったんだ。いいだろ？別に。

―――少しの間―――

全然、寝てないのか？

そっか。なんか、そんな気はしてたけど。

だって、「新しいプロジェクトのリーダーに推薦されたんだ！」ってはしゃいでただろ？自分でケーキまで買ってきてさ。
でも、空元気…っていうのかな？無理してるように見えたから。

やっぱり、プレッシャー？

―――彼女うなずく―――

まあ、初めてのことだしな…。みんな最初はそうだと思うよ。
でも、もともと お前の企画なんだろ？
だったら 自分の手で実現できるチャンスじゃない？

お、また出た（笑）「私なんかが…」って。

そんなキョトンとした顔してるけどさ、俺、何回も言ってるよ。「なんか」じゃないよって。
自分の大好きな人のこと いっつも「なんか」って言われて 俺、結構 傷ついてるんだぞ。
それに お前にとっても 大事な自分自身じゃん。

―――彼女、うつむく―――

ごめんな。困らせたかった訳じゃないんだ。

…どうしても負担なら 断ればいい、今ならまだ、何も始まっていないから大丈夫だよ。苦しい思いをしてまで引き受けることはない。
でも、みんなの評価は高いのに、自分だけが自分を認めてやれないお前が 自信をつけるいい機会かなって思いも ちょっとある（笑）

まだ猶予あるんだし、自分の気持ちとよく相談して 決めればいいよ。
俺はお前の決めた方を応援する。

やるって決めた時は 前にいた部署だし全力でサポートできるからな！
もちろん、仕事のサポートだけじゃなくて、心のケアもまかせとけ！毎日、帰ってきたら こうやって ギューってして、お疲れさま、いい子いい子ってしてやる（笑）

やらせようとしてる訳じゃないよ（笑）
でも、頑張る時は1人じゃないってこと！
な！

《小さく笑って、切り替えるように》
なあ、今日はこのまま ここで寝ようか。

たまには いいじゃん！
いろいろ話しながら、眠くなったら寝る。明日は休みだから朝までしゃべっててもいいし。
な！

よし。じゃあ、テレビ消して。

―――ピッ―――

わぁー
月明かり すげー明るいな。今日って 満月なのかな…。

うん…。綺麗だな…。


今月も来月も再来月も 月は満ちて欠けていくだろ？
きっと この先何回も月を眺める。
この部屋からだったり、旅行先だったり、残業して会社だったり…（笑）
笑って眺める日もあれば、悲しい気持ちで眺める日もきっとある。でも、いつも2人で一緒に観ような。

喧嘩したら1人かも？
ちがうよ。仲直りして2人でながめるの！
で、いつか、3人とか4人で観たいな…。

なに笑ってんの？

そっか、なんでもない、か。

―――彼女、あくび―――

（笑）眠くなってきた？

俺？うーん、なんか目が冴えちゃったな。
もうちょい こっちおいで。体重かけていいよ、くっついてた方があったかい。
しっかり抱きしめてるから 安心して寝ろよ。

おやすみ


―――以下 モノローグです―――

眠れない夜は 少しだけ未来の話をしよう。
この先の不安な日にも 必ずそばにいること、君の歩くどんな未来にも俺がいて 必ず支えていくってこと、わかってもらえるように…。

・台本（ゆるボイ！）
眠れない夜は未来の話をしよう
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
美俐