とても優しくて心配症の年上彼氏。彼女を大切すぎて甘やかしがち。彼女のことは なんでも知っておきたいし、困ったことがあれば すぐに助けに行きたい。
でも、何度言っても、彼に遠慮して何も言わない彼女に ちょっとだけ荒療治することに…

―――新しい冷却シートを貼る―――

あ、ごめん。起こしちゃったね。
冷たかった？冷却シート、ぬるくなってたから新しいのにかえたんだ。
大丈夫？辛いとこはない？

良かった。
熱はどう？

そう…下がってきてるならいいけど…まだ 少し呼吸が荒いよ。早く楽になるといいね。

ん？なあに？

さあ、何故ここにいるんでしょうか？

《以下、不気味な優しさで》
不思議だよね。
だって、体調崩して仕事を休んだこと、内緒にしてたんだもんね。

《否定する彼女の言葉にかぶせるように強めに》
違わないよね!?

―――彼女沈黙―――
...まったく。
仕事帰りに 駅で君の同僚に会ったんだ。「具合、どうですか？」って聞かれて 何のことかと思ったよ。

《大きなため息》
具合の悪い時、怪我をした時、困ったことや悩み事ができた時、必ず相談する約束だったよね？
連絡してこなかったのは なぜ？

《「心配…」と言いかける彼女の言葉を遮るように》
「心配かけたくなかった」なんて言わないでよ。君が連絡してこなかったことで、その何倍も心配したんだから。

あのね、うつしたくないっていう気遣いは 嬉しい、けど嬉しくない。そんなことより 君の体調の方が気がかりだってわかるよね？

怒ってないと思う？

そうだよ。怒ってるよ、すごく。
何度も言ってきたことだよね？隠されると余計に心配だから やめてって。
君か困ったときには最初に側に行きたいんだって。
それなのに、何度言っても 無理をする、1人で解決しようとする。
どうして？そんなに頼りない？

違う？
いつもそう言ってくれるけど、実際 頼ってくれたこと あんまりないよね？一人でなんでも抱えこむ。

それとも 君は約束の守れない悪い子なのかな？
普段はとってもいい子なのに、どうしてこういう時だけ悪い子になるんだろうね？
かわいくてかわいくて、甘やかし過ぎちゃったのがいけなかったのかな？

怖い？そうだよね。
普段なら 熱を出して苦しんでる君を追い詰めようなんて 絶対に思わないのに、今日はどうしちゃったのかな。自分を抑えられない。

なんでそんなに怯えた顔してるの？
怒ってるからって、君に酷いことしたりしないよ。どれだけ 大切にしてるか知ってるでしょ？
君を大切に思う気持ちが もっと伝わるように 誠心誠意看病しようと思ってるだけ。

《彼女の髪に触れる》
どうしたの、そんな ビクッとして（笑）
いつもみたいに 髪をなでてあげるだけ。好きでしょ、これ。
そんなに震えないで。大丈夫、優しく看病するから。ね？
さっきより 目が潤んでる。熱、上がってきちゃったのかな？
ほら、水分 摂ろうね。

あー、いいのいいの。飲ませてあげるから。はい、少しだけ起きて。
今日は君の身の回りのこと全部 やってある。
着替えもしてあげるし、ご飯もつくって食べさせてあげる。安心して眠れるように添い寝もしてあげるよ。
嬉しい？

なんで泣いてるの？
そんなに嬉しい？

すごい首の振り方だね（笑）
違うんだ（笑）

そっかー、この口調が嫌なんだ（笑）
でも、やめて欲しいなら 言うこと あるよね？

そう。ちゃんと謝れてえらいね。
じゃあ、「お世話してください」っていってごらん？

「許して」じゃないよ。
「お世話してください」だよ。

《普段の優しい彼にもどって》
はい。よく言えました。
《ベッドに座る》
ほら、おいで。ギューってしよ。

―――彼女 泣きじゃくる―――

怖がらせてごめん。
何度言っても きかないから ちょっとしたお仕置のつもりだったんだけど…
そんなに泣くほど怖かったの？
ごめんごめん。ちょっとやり過ぎたかな。
《背中をとんとんしたり なでる》

大丈夫、もう怒ってないよ。
っていうか、最初から怒ってはいなかったんだ。ただね、すごく悲しかったんだよ。

もう 謝らなくていい。
でも、今度こそほんとに約束。
何かあったら 1番に俺に言うこと。ぜったい 変な遠慮しないこと。いい？

（笑）よし、いい子。
でも 次、約束を破ったら…

ははは、必死すぎ（笑）

どう？落ち着いてきた？
さあ、じゃあ ご飯の前に着替えてさっぱりしようか。タオル取ってくる。

あ！
今日は、君のお世話は俺の仕事なんだから 勝手に動かないように！いいね！
《いたずらっぽく笑うイメージ》


―――END―――

・台本（ゆるボイ！）
甘々過保護彼氏が怒ったら…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
美俐