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優しい時間〈2〉
written by 美俐
  • 添い寝
  • 睡眠導入
  • 同棲
  • カップル
  • 癒し
公開日2022年02月08日 21:53 更新日2022年02月08日 21:53
文字数
1750文字(約 5分50秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
年上彼氏
視聴者役柄
彼女
場所
2人が同棲している部屋
あらすじ
優しい時間〈1〉から 数日後のお話です

眠れない彼女、彼氏は何があったのか聞こうとしますが 話したがりません。
眠れないからと、なかなか寝室に行こうとしない彼女に、自分の話を聞いて欲しいという彼氏。それは、彼女がききたがっていた数日前の夢の中話。
守っているけど守られている、お互いがお互いの気持ちに寄り添っている…そんな2人です
本編
おーい、まだ寝ないのー?
…って、いない?
リビングにいないってことは…
やっぱりベランダだ。ったく、寒いのにしょうがないなー。

―――ベランダのドアをあける―――

星、綺麗に見える?

そんなに驚かなくてもいいだろ(笑)

寝ようと思ったのに ちっとも来ないから迎えにきたの。

謝んなくていいけど…できたら、もう少し厚着してて欲しかったかな。ほら、これかけて。

どういたしまして。
今日はどうした?

何が?って、お前がこうやってベランダから動かない日は 大体 何かあって眠れない日って決まってるから。

そうでもない?
へぇ…じゃあ、もう中入って寝よ。

ダーメ。平日は それぞれの都合があるから、週末くらいは 一緒に寝ようって決めただろ?

でーもー、じゃなくて。
なんかあったなら ベッドでゆっくり話しきくよ?

いいの?ほんとに?
…じゃあ、俺の話、きいてくれる?

そう。この間から聞きたがってる夢の話。

ほんと!?って、ゲンキンだなぁ(笑)
ほら、行くよ。

―――ベランダのドア(閉まる)音―――

―――間―――

まったく、こんなに体冷たくなって…

―――ベッドをポンポンする音―――
ほら、おいで。
腕枕するから もっとこっちきて。
《ぎゅっと抱きしめる》
苦しくてもダメ。あんな寒いベランダにいつまでも立ってたのが悪い。大人しくギューってされてろ。

ん?いいよ、あったまったら緩めてやる。

なーんだよ(笑)、それはそれで嫌なんだろ?素直じゃないんだから。

ああ、はいはい。お話ね。

夢の中で俺は子どもになってたんだ…。
―――以下、夢の話―――
てっぺんが見えないくらい高い木を登っていた。登っても登っても 一向に上に進まない…なんて事はなくて、気づいたらかなりの高さまで登ってた。下を見ると綺麗な雲海が見えた。なんだ、けっこう余裕じゃん、なんていい気になって またてっぺん目指して登り始めた。最後の枝を掴んだ時、お約束みたいに枝が折れたんだ。当然落ちていくんだけど、何故か慌てなかった。きっとさっきの雲が受け止めてくれるって思ってさ。でも、雲をすぽんって突き抜けてずーっと下まで落ちていったんだ…ずーっと、ずーっと下まで…。
地面にぶつかる!って思った瞬間、大きな穴があいて吸い込まれていった。
長いスロープを滑り落ちると、その先には点々と松明で照らされているだけの 真っ暗な道があった。暗いって心細いよな。泣き出したい気持ちをこらえて、その道を歩いていくと遠くに小さな灯りが見えた。ほっとして、その灯りに向かって走り始めた時、後ろで何かを引きずるような音がして振り向いた。そしたら、でっかい蛇がこっちに向かってきてるんだ。もう、必死で逃げた。
一生懸命逃げてるのに、全然進まないと思ったら 何故かちっちゃなウサギの姿に変わっていたんだ。逃げきれなかったら ひと飲みにされるのは間違いない。必死に走って走って、やっと出口に着いた時、ヘビはもうすぐ後ろにいて大きな口を開けて襲ってきた。もうダメだと思った瞬間、大きな手がすくい上げてくれたんだ。
大きな手は、震える身体を優しく抱きしめて、何度も何度も撫でてくれた。暖かい手だった。安心しきって眠ってしまった俺が目を覚ますと、お前の顔が見えた。相変わらず優しい手が 頭を撫でてくれていて、なんとも言えないくらい幸せだった。

これが、この前見た夢の中話…って、寝てる?
良かった…眠れたみたいで。

なぁ…あの時、俺、結構ギリギリだったみたいだ。
最初は楽勝だと思っていた仕事に、次々に問題がでてきて、夜も眠れなくなって…それでも平気だと思っていたけど、お前が俺より早く気づいてくれた。あんなにピリピリしていたのに、あっという間に穏やかな気持ちで眠らせてくれた。ありがとな。
優しくて涙脆くて、俺が守ってやるって思ってたのに、助けてもらった。いざって時は頼れる、最高の彼女だ(笑)
……今日は、何があったんだ?
お前は言いたいことを言葉にするまでに時間がかかるから ちょっと心配だよ。困った時は、絶対力になるから、ちゃんと話すんだぞ。

え…今、ありがと。って言った?起きてたのか?

あ、ごめん、ブツブツうるさかったのか。
大変失礼しました。
じゃあ、お詫びに 眠るまでトントンしますよ、お嬢様。

え?(笑)了解。

―――キス―――

これでいい?
《小さく笑う》
大好き。
おやすみ。



  ――END――
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
優しい時間〈2〉
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
美俐
ライター情報
出会ってくださってありがとうございます
年上彼氏との日常の風景を中心に かいています
たくさん 読んでいただけると嬉しいです
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