彼女と別れ、傷心状態のお兄さん。しかし、彼女と似た顔立ちの弟に慰められているうちに、変な気を起こしてしまい、さらにそれに釣られて弟までも……。

台本は弟視点です。

(電話がかかってくる)

ああ、もしもし！　お兄さん♪
どうしましたか……って、泣いてる？
た、大変大変。なんかあったんですか？
……いや、聞かなくてもわかります。
お兄さん、まだ時間あるし、明日も休みだし、ボクんち、来ませんか？

はい！食べ物と飲み物用意して待ってます。
あと着替えもあるんで、良かったら泊まって行ってください。

あ、ご遠慮なく！全然大丈夫ですよ。
つらいでしょ？今晩くらい一緒に過ごしましょう。

はい！んじゃ、用意して待ってますね〜。
はーい。ではまたー。

(通話終了)
(しばらくして、お兄さんがやってくる)

(ピンポーン♪)

お、来た来た。

(ガチャ)

こんばんわー、お兄さん♪
さ、とりあえず上がってください。

はい、あ、こちらどうぞ。
座ってもらって。
あっ、部屋着に着替えます？

今は良いですか？
わかりました。

えーっと、とりあえず……
ボクは未成年なのでお酒用意できなくて……
あはは、ごめんなさい。
こんな時こそ、お酒飲んでしゃべりたいんじゃないかなーとは思ったんですけど……。
こう、酒の力を借りてどうこう……ってのもちょっと、ボク的には嫌かなーと思って。

え？
なんの用件かわかるのか、ですか？
わかりますよー。別れちゃったんでしょ？
彼女……ボクの姉と。

ああ、ですよね？　よかったよかった、一応ハズレじゃなくてホッとしました。
ほんと、姉がお世話になりました。本当に短い間でしたけど……。

あ、ごめんなさい、短いとか言って……。

あの、どうします？
とりあえずこの話は忘れて、関係ない雑談でもしますか？それとも、がっつり今の気持ちとか、話しますか？

今は忘れたいですか。わかりました。んじゃ、たんと飲んでたんと食べて、ゲームでもして楽しみましょ！

(しばらく遊んで楽しんだ二人)

あぁ〜お兄さん、ゲーム弱いっすね。
あはは、でもこのジャンルが苦手ってだけで、他はうまいかもしれませんよ。

ふふ、いろいろ雑談して、結構時間も経っちゃいましたね。
どうします？　帰るなら、そろそろ帰ったほうがいい時間ですけど。

……あ、泊まっていきます？
いいですよ〜！ぜひ！
ふふ、お兄さんがそう言ってくれるの、待ってましたよ、ボク。
いつも遠慮して、夜になったら帰っちゃうから。いつか泊まってってほしいなーって思ってました。

はい！本当ですよ〜？

じゃ、お風呂、お先にどうぞ。着替え置いときますんで。

(二人順番にお風呂に入る)

ふぅ〜上がった上がった。
あ、お兄さん、ドライヤー使ってくれて良かったのに！髪、乾かさなきゃ。

ん、お兄さん、ボクが乾かしてあげますよ。

いいですって、遠慮しないで？代わりにボクの髪も乾かしてください。ね？

はーい。んじゃ乾かしますね。普段どうしてるとかあったら教えてください。

(ドライヤー〜〜〜〜)

前髪ぱっかーんならないように？あぁ〜センター分けってやつですね。わかりました、んじゃそうならないようにしときますね。
お兄さん、髪ツヤツヤ〜。いいですね。シャンプーの香りも……良い香り。うちのシャンプーですけど。

えへへ……なんか、ボクがお兄さんの髪セットしてるみたいで、楽しいです。

(ドライヤーおわり)

はい、一通り乾いたかな……ちょっとワシャワシャーってして。……関係ないけど、頭撫でとこ……なでなで。
え？いらない？そうですかぁ……。

うん、いい感じ！かっこいいですね、お兄さん♪
いやぁ、イケメンですよ！

謙遜しなくていいですよ〜。かっこいいです。

あ、じゃあ、ボクの髪も乾かしてもらってもいいですか？

ありがとうございます！ではでは……

(ドライヤー〜〜〜〜)

あ、ボクもセンター分けなったら嫌なんで、センター分けならないように前に下ろして頂けたら……。はい、ありがとうございます。

……えへへ、なんか、お兄さんに頭撫でられてるみたい……。

あ、乾きましたかね。ありがとうございます。

……お兄さん、気分は大丈夫ですか？

多少、ですか。
何か話したいことあるなら、ぜひどうぞ。

……まだ寂しい、ですか。
そりゃそうですよね、だってつい何日か前に別れたばっかりですもんね。そりゃ寂しいですよ。

ボクは、お兄さんがボクに連絡してくれて、ちょっぴり嬉しかったですけどね。

はい！
いやいや、迷惑だなんてとんでもない。
お兄さん、年下のボクにも気を遣ってくれるし、優しくて、いろんなこと知ってるし……スポーツもやってたんですよね？

ですよね。細マッチョで素敵だな〜〜なんて。
だからボクも、こんな素晴らしい人なら、姉さんもちゃんと真剣に考えてくれるかなって思ってたんですけどね。
うーん。

あはは、謙遜しないでくださいよ。お兄さんは間違いなくステキな男性ですよ。
姉さんがダメなんです。昔からそう……恋人だけじゃなくて、友達関係もすぐコロコロ変えようとするから……。ボクもそれはダメだって時々言ってるんですけど、姉さんはそれで生きてきたから……今更変えられないんでしょうね。

……わかってたのかって？
うーん、まぁ、大方、予想はついてましたよ。こうなるだろうなって。ただ、姉さんが連れてきたいろんな男性の中で、お兄さんが一番素敵な人だなってボクは思ったし……だから今回は大丈夫かなって、ほんの少し期待したんですけど。
ダメでした。概ね予想通りでした。

……あ、お兄さん！泣かないで……いや、泣いていいですよ。泣きましょう。
ほら、ボクの胸に甘えていいですよ。ぎゅー……よしよし。思いっきり、泣いてください。

(お兄さん、しばらく泣く)

……よしよし。大丈夫ですよ、一人じゃないですよ。むしろ別れて正解っす、あんなやつ。

いやまぁ、自分の姉ですけど……お兄さんみたいな素敵な人が、あんなのと付き合ってるって……なんか嫌です。
……あんまり人の悪口もよくないですね。今はお兄さんのそばにいることだけ考えますね。

……よしよし……。年下の男に頭撫でられるのとか、気に障ったりしません？

ボクだから大丈夫？
そうですか。ならよかった。よしよし……。

ん、もう大丈夫ですか？
じゃあベッド入りますか。

(もぞもぞ……)

ふわぁ〜。気持ちいい。
電気、消しても大丈夫です？

はーい。じゃあ消灯しますね。

(消灯)

……暗くなったら、寂しいこととか思い出しません？

あはは、やっぱり？
んじゃ、真っ暗じゃなくて、オレンジの明かりだけつけときましょうか。

(常夜灯点灯……)

ん……いいですね、このぼんやりした明かり、ボク結構好きです。

お兄さんも？ふふ、同じ感性ですね。
にしても、ちょっとだけ顔が分かりますね……なんか、近くて、照れくさい……。

……お兄さん、やっぱりイケメンですね。ふふ。

え？
ボク、かわいい？
あ、え……あ、ありがとうございます……。

あ、姉さんの面影、あります？
あはは……まあ似てるとは言われます。姉さん、顔だけは良いんでね……ボクもちょっと、その恩恵を受けてるかも。

……かわいいですか？
恥ずかしいなぁ……こんな真正面でそんなこと言われると……。男同士なのに、なんか……。

……だ、ダメですよ？
お兄さん、いくら姉さんと別れたからって、姉さんと似た顔立ちの弟を襲うなんて……。

……手、ですか？
うーん……。

確かに今まで、お兄さんとボク、割と仲良くしてきたし……全身マッサージしたり、さっきみたいに髪乾かして頭触ったり、一緒に寝たのも初めてじゃないし……まぁ……手、繋ぐくらいなら……
いい、のかな……？

……じゃあ、どうぞ。
ぎゅっ……。

お兄さん、これじゃ、思い出してかえってつらくなったりしません？

……明らかに男の手だから大丈夫？
……よくわかんないけど……。

可愛いのに手はゴツゴツしてて意外、ですか……。確かにまぁ、女の人の手って、本当に細くて柔らかいですもんね。

え、ハグしてほしい……？
この状態で？
……恥ずかしいですって……でも、わかりました。優しく抱きしめてあげる……。

ぎゅー……。

……っはい、おわり、おわり！
もうダメです、なんか、ボク……照れくさくて。

かわいいって……
まだ言ってる。か、可愛くなんかないですよ。

……それは、ボクが姉さんに似てるからですか？
それならお兄さん、多分、姉さんのこと、忘れられないですよ。
あんな人のこと、早く忘れましょう？

……そうじゃない？
純粋に、ボクが……可愛く見えてるってことですか？

……そうですか……嬉しいですけど……。

……優しくて、一緒にいて楽しい？
もう……ありがとうございます。

……お兄さん。
夜中に暗いベッドで二人、互いにかっこいい、かわいい、優しい、素敵だって口説き合って……

ボク、姉さんがお兄さんを連れてきた時から、素敵な人だなって思ってました。立ち居振る舞いも、言葉遣いも、本当に……。こんな人と仲良くなれたらいいなーって。いろんなこと、この人から学びたいなって。

だけど、なんか……こんな雰囲気になっちゃったら、仲良くなる以上のこと、考えちゃうんですけど……。
お、男同士なのに、変っすよね……でも……なんか……お兄さんの肌に触れてると、だんだん……そんな気になってきて。

……なにびっくりした顔してるんですか。
ボクがこんな大胆なこと言える理由はたったひとつですよ……。さっき抱きしめた時、お兄さん……下の方に硬いお山ができてた。ボク、咄嗟に腰を引っ込めたけど、当たっちゃって、もう……。

もしかして、ボクと至近距離で見つめ合って、ちょっと反応しちゃってるのかなって……。

……あっ、お兄さん、いま抱きしめたら、ダメっ

あっ……

うぅ……ダメ……
お兄さんのとボクの、当たってる……

ちょっと、なに擦り付けてるんですか！
……あっ……ダメだって……ほんとに……

ん……もうダメ……カチコチになっちゃった……
お兄さん……じゃあ、こっち向いてください。

覚悟はいいですか？

(確かめるようにしっとりと触れるキス……)

……あぁ……しちゃった……。

姉さんより優しい……？
ふふ……そっすか……なんかそれ、めちゃくちゃ複雑な気持ちなんで、やめてください……。
ああ、その唇、ボクの姉さんとも……あぁぁぁぁ！

へ、変な気分になる……頭がおかしくなりそう……

あっ、ちょっと
(こんどは少し引き留めるようなキス……)

……うぅ……はぁ、考えると変になるけど……されると気持ちいい……
……嫌だ、変なこと考えたくない……
お兄さん、もう一回、して……？

んっ
(優しいキス……)

はぁ……ボクからも……

(もっと求めたいけど、控えめなキス)

……気持ちいい……男同士なのに……。
ちょっと、お兄さん、さっきから、当てすぎ……。もう全然遠慮とかしないじゃないですか……。

……ボクのこと、欲しくなったんですか？
……ずいぶん積極的じゃないですか……そんなタイプだったのかな……。

ねぇ、お兄さん。
欲しいってことは、ずっとそばにいさせてくれるってこと？

ほんとに？　単に体が欲しいって意味じゃなくて？

……ボクも、めちゃくちゃ素敵なお兄さんが、ほしいんですよ。こんな人と、ずっと一緒にいられたらな……って、思ってたから……。

お兄さん。ボク、自分の気持ちが今までよく分かってなかったけど……
お兄さんのこと、好き……。

うん。本当に。
完全に横恋慕だったってことになっちゃうけど……

あはは、別れた直後に告白されるとか……
ごめんなさい、ボク……
先走っちゃった……

あっ、お兄さん？
どうしたんですか……

か、かわいい……？
それだけですか……？

んっ
(意地悪なキス)
っ……お兄さん、急だってば……

……え、何？

えっ……いいの？
いいの！？

え、あっ、お兄さん……その、
男同士で、恋人として付き合うってことですよ？
しかも別れたばっか……
いいんですか？
気を遣ってるんじゃ……

あっ、お兄さんっ、押し倒さないでっ
んっ！
(ちょっと強めのキス)

っ…………はぁ……お兄さん……
ボクの知らない間にお酒飲んだりとか
してないですよね……？

してないね……
あ……じゃあ本当に、ボクたち、
恋人同士なんですね……？

お兄さん……好きっ！
(かわいらしくチュッ)

へへ……
あの、このまま……どこまでできるか、
試してみますか……？

はい、そうしましょう……
うぅ……緊張する……

それじゃ、えっと、
よろしくお願いします、お兄さん……。

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・台本（ゆるボイ！）
[BL台本/R-15]お兄さん、元カノの弟に引き込まれる。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
チャイシー・マチ