遊びに行った先輩の家でBLの蔵書を見つけてしまった後輩くん。密かに先輩のことが好きな彼は、探りを入れてみることにした……。

<台本の読み方>
-の部分は呟きです。

<本編>

(先輩の家に無駄話などをしに来た)

うぃーっす。お邪魔します。久しぶりっすね〜先輩の家に来るの。なんか最初の頃はきれいだったのに、だんだん汚くなってません？
あれでしょ、最初は俺が来るからってきれいにしてたんだけど、何回かして掃除するのダレてるんでしょ。

あはは、図星じゃないすか。先輩がそんなに部屋をきれいにできるわけないっすからね。

まぁいいんじゃないすか？俺相手にそんなカッコつけることもないでしょ。ありのままの先輩でいてくれたら、それでいいっすよ。

さてさて、何の話します？
あっ、そこに積んである本の山、見てもいいっすか？

(本をチェック……)
おぉ〜〜。先輩、結構難しそうなこと勉強してるんすね。まぁ俺とは進んだ分野も違うし、そもそも書いてある用語が一つもわかんないけど……。
なんか、普段先輩とはおちゃらけた話しかしないから、先輩ってこんなことやってるんだ〜って思うと……尊敬しちゃいますね。

そんな大したことじゃない？
いやいや、ご謙遜を〜。俺、自分なりに努力してる人ってすごく好きなんですよ。自分はこういうのがやってみたいってのがあって、それをやってみる人とか続けてる人とか。かっこいいな〜って。

-俺、そんな人のそばにいたいなぁ……なんて。

あ、いやいや、気にしないでください。
ほんとすごいなぁ。この辺の、全部読んでるんですか？

はぁ〜〜すごい。先輩、そんなにいろいろ挑戦してるなら教えてくれたらよかったのに。
-かっこいい……ますます好きになっちゃう。

ん？　な、何の話っすか？
ところでこれも見ていいっすか？

あ、ちょ、何でダメなんすか、いいじゃないっすかぁ〜。その本だけダメなんすか？他はいいのに？
先輩が嫌がるほど見たくなるんすけど。なんか隠してるでしょ！

(その瞬間、本のカバーが取れる)

あっ、カバー取れた。
……は？　先輩、これ中身違うじゃないすか。あ〜やっぱり隠してたんすね！も〜、こんな幼稚な隠し方……かわいいっすね。やっぱ油断せずにちゃんと片付けといた方が……
って、しかもこれ、BLじゃないっすか。あらあら？先輩、まさか腐男子なんすか！

ふーん。認めるんすか。諦めが早いっすね。まぁ別に悪いことじゃないですもんね。
-潔いところもかっこいいよなぁ……

……ところで、先輩はどんなの読むんすか？

それは教えられない？
そっすか……教えてほしいなぁ。あと先輩、この本のカバーもフェイクっすよね？

あっ、ほらぁ。すぐ分かりましたよ。だってカバーのサイズ合ってないもん。
……先輩、抵抗しないんすか？俺、この辺の怪しい本、全部カバー外して中身見ちゃいますよ？

そんなに知りたいのかって、まぁ……知りたいっす。先輩が、どんな男がタイプなのか気になるから……。

えっ、あっ、そんなこと知っても、特に意味はないっすよ、ただの好奇心っすから！
か、勘違いしないでください！それを参考にして先輩のタイプになりたいとか、1ミリも考えてないっすから！

はぁ……てか先輩、隠しすぎでしょ。ボロボロ出てくるし。結構読んでますね……。

……なんか、なんか……年下受けが多いっすね……。年下、好きっすか？

あ、好き……？
……でも俺はあんまり受けっぽくはないもんな……。現に今も先輩をからかってるし……。

な、なんすか。
攻めとか受けとか知ってるのかって？
ん、まぁ……多少は。

俺っすか？俺は……俺は……BLなんか読んだことないっす！

何で知ってるのかって、そりゃ、まぁ……ネットで見かけるから……た、たまたまっすよ、たまたま。うん。

……は？
さっきから動揺しすぎ？俺が？
んなわけないっすよ、先輩こそ、見られたくないとか言って焦ってたじゃないっすか。
まぁBLだってバレてからの先輩の開き直りは早かったっすけど……。

ん……あの、先輩。取引、しませんか。
今日、俺は勝手に先輩の隠してあるものをひっくり返しました。先輩が最初は嫌がってたのを無視して。
ところで、今の俺……先輩に押され気味っすよね。先輩、年下受けが好きなんでしょ？
……俺、先輩の秘密を暴いたこと、謝ります。だから、先輩がお望みの年下受け……俺が、やります。
………って取引、どうすか……？

……謝罪になってない？　何でっすか？

……なっ、何言ってんすか！襲われたいとか思ってないって！うわっ！せ、先輩っ！
(押し倒され、見つめられる)

くっ……取引成立っすね……。
俺、襲われたいとか、ちっとも思ってないっすから……だから……そんなに見つめないでください……。
やめてくださいよ……俺、こんなのありえないと思って諦めてたのに……そんなに見つめられたら……
俺、先輩のこと、諦められなくなっちゃう……

あっ、だ、抱きしめないで……
……先輩、なんか、抱きしめ方が優しくないですか……

……諦めなくていい？
何言ってんすか……BLが好きでも、男が好きなわけじゃないでしょ？

……黙り込まないでくださいよ。俺、先輩と楽しい話しようと思って来たのに、俺がふざけたばっかりにこんなことになって……ごめんなさい。
先輩……俺……先輩のことが好きです。先輩の……恋人になりたいっす……。でも、わかってます。そんなの、ダメだって……。

……先輩、なんとか言ってくださいよ。早く……早く先輩の口からダメって言って……俺、もうこんな苦しい思いしたくない……。
先輩……？　えっ、ちょっと待って、何する気……
(優しいキス)

……へ？　えっ……どういうことっすか……
先輩……からかうのも大概に……んっ
(少し激しく……)

……はぁ……先輩……
あの……返事、返事を……ください……
俺、こんなことされたら、どう思ったらいいのか分からないっすよ……

……いいんすか？
えっ、あの、それは、どれに対する返事ですか？

……恋人になってもいいよってこと？
ほんとに？ほんとに言ってる？
それって、攻めの演技に含まれてます？

含まれてない？
……うぅ……俺が余計なこと言ったからどれが本当かわからない……でも……でも、先輩、いつも優しいから……
信じていいんすよね？

しつこいっすね……ごめんなさい。こんなの……まだ信じられなくて。……これから、パートナーとして、よろしくお願いしますね……っ！

はい……っ！先輩……好きですっ！
(熱いキス)
はぁ……先輩。かっこよくて、優しい言葉で俺を励ましてくれて、素直でよく笑ってくれるあなたが、大好きです……。

……じゃあ、「今から」演技ってことで、いいっすか？

ふふ……ありがとうございます！
先輩の望むままに、してください……。

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・台本（ゆるボイ！）
[BL台本]仲良い先輩のBLの蔵書を見つけてしまう
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・台本制作者
チャイシー・マチ