遠方に住む、友達以上な友達に会いに行ったあなた。ホテルに送ってもらうが、その前に彼を引き止める。

あ〜歩き疲れた。けど楽しかった。すっごく楽しかったよ。お前と二人でこんなに一緒に長いこといたの、初めてだもんな……。
朝から夜までずっとお前を独り占めして、ほんとに最高だったよ。

うん、明日もよろしくな。明日はすぐ帰っちゃうけど……それでも、またすぐお前に会えると思うと嬉しいよ。
お前がいなかったら絶対地下鉄とか乗り方わかんなかったわ。ほんと助かった。ありがとなー。完璧な観光案内だったよ。

あはは、大袈裟かなぁ。でもまだまだ見るとこあるんだろ？　また必ず遊びに来るからさ、その時はまた案内してくれよ。

うん……あー、もう着いたのか。このままホテルの部屋にお前を連れて行きたいなぁ。お前、なんとかしてスーツケースに入らないの？

うそうそ、んなことしないって。ホテルの部屋に勝手に追加の客を入れちゃいけないし。

一人暮らし始めたいって？
あ〜、まぁ、そっか。それなら俺もお前の家に泊まればいいわけだもんな……。
ふふ、でも友達がたまに来るだけなんだし、そのためにそこまですることないだろ。気持ちは嬉しいけどさ。

はぁ……でも確かにな。俺、もう足が止まってるもん。このままお前とバイバイしたくないから。
かといって、お前が一人暮らししてて、俺を部屋にあげてくれたら……俺、お前のこと襲っちゃうかも。

あはは、冗談だってば。でもさ、ちょっとくっついたりはするかも。んで、お前の反応みて楽しむの。

そんなことするならやめとく？
なんでだよ、いいじゃん。お前と会う時って必ず外だから、もっとこう、親密にしたいのに……できないからさ。

どしたの。

周り？
ああ、まあ、人はいないな。もう結構遅い時間だしな。この辺、繁華街でもなさそうだし。

えっ、どこ行くの？

……ここなら誰もいない？
ほんとかな。急に角から出てきたりしない？　だってこんな都会なんだし……そこらじゅう人だらけじゃん。いくらここら辺がそんなに人いないからって。

大丈夫？
……わかった。信用する。でも、そんなに長くは……怖いし。
てか、何するの？　ただ話すだけならさっきのとこでもよかったじゃん。

(手を握られる)
……お前
随分急だな……いきなり手、握ってくるとか。
てか、手は、さっきもふざけて繋いだじゃん。

別にふざけてない？
……その、こんな誰も見てない暗いところで手、握られたらさ、すごい……いろいろ、意識しちゃうんだけど。
あー、じゃあさ、こんなこと、してもいい？

(ハグする)
ん……しっかり抱きしめてやる。
ふふ、お前、身長たりてないぞ？

あー、ごめんごめん。まぁほとんど身長差ないけどな。

ちょっと、なんかそんなふうに背中触られたら……もう、こんな熱いハグのつもりじゃなかったんだけどなー。
いや、嘘。もっとこうしてたい。

……俺ら、ここまで来たらさ。そろそろ、次に進まない？

何するかって？
さぁ、何すると思う？　ちょっと考えてみてよ……。
俺ら、こんなに体が触れ合ってて、顔が近くて……。

あ、わかった？
ん、その表情は……
オッケーってことで、いい？

ごめんな、回りくどくて。

(そっとキス……)

……ん
ありがと……。
信じられないな、なんか。
しかも、このまま、またお前と離れ離れなんて、つらすぎる。

……うん、お前からも、してほしい。

(優しくキス……)

あぁ、もう……もう可愛すぎて仕方ないんだけど。
でも、ここ、外だし……熱中して忘れかけてた。
次、遊びに来る時は、その……そーゆーホテルに二人で泊まるか。

うん……そうだな。
こんなに火照ったままお前を離さなきゃいけないなんて……。

……さ、じゃあ俺はホテル入るよ。お前も、気をつけてな。
あっ、そうだ、よかったら、通話しよっか。それならできるもんな。

うん、そうしよ。今日の感想とか、話し足りないこととか、いろいろ話そ。
あーよかった。なんかもう一生会えないくらいの気分になってたから救われた……。

ふふ、お前の声が聞けるだけでも幸せだよ。
うん、じゃあな。また明日。

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