BL台本を書いてるのが彼氏にバレて恥ずかしい目に遭う話。
台本投稿100本目記念(pixiv)。

(帰宅)
あ〜疲れた。座ろっと。
ふぅ……晩ご飯の用意めんどくさー。買いだめしてるインスタントでいいかな……。

てか、テーブルになんか紙置いてるんだけど……こんなん置いてったっけな。

(紙を見る)
……は？　え、これ、俺が書いた恥ずかしい台本じゃん……なんでこんなの置いてあるの？
まさかよっぽど寝ぼけてたとか……？
いやいや……冷静になれ……きっと幽霊かなんかの仕業だろ。

……い、いるなら、出てきやがれ！　こんなんよりもっと痛い台本で恥ずかしい思いしたくなかったら、俺の家から出ていくんだな！

……何言ってんだ俺。落ち着け。

ま、たぶんあいつがやったんだろうな……いつの間に入って出て行ったんだ？　ほんと、あいつに合鍵渡してからロクなことない……。
俺の電気代で冷房ガンガンにかけるし、勝手に酔っ払って寝てたりするし……
家帰ったら料理ができてたり……誕生日にはプレゼントがそっと置いてあったり……

あれ……？

いや……絶対あいつのせいだろ。ここに入れるのは俺とあいつしかいないんだから……。
にしてもなんの嫌がらせだよ……。

待てよ？　なんであいつは俺がこんな恥ずい台本書いてること知ってるんだ？　いつ気づいた……？
まさか、怒ってる、とか？　こんなハレンチな妄想ばっかりして、頭の中に彼氏作ってそいつといちゃついてるんだろ！　みたいな……。

あいつに限ってそんなことないと思う……けど……もしそうだったらちゃんと謝って、大事なのはお前だけだからって、伝えないとな……。

ん？　なんか連絡来てる……え、あいつ、俺んち来んの？　もうすぐ着きそうって……急だな。
まぁ合鍵あるんだからいつ来てもいいけどさ。

あっ、でもこれは隠しとこ。絶対いじられるからな……。でも……そうだな、不安にさせてたら申し訳ないから、ちゃんと言うべきことは言うか。

……よし、まぁ、ここに入れときゃ見つからんだろ。
えーっと、どうしようかな。飲み物ぐらい出しといてやるか。

(ドアが開く音)
あっ、もう来た。はやー。

よっ、おかえり。
ん、荷物持つよ。あと飲み物も出しといたからテキトーに飲んどいて。

……うわっ、何？
へっ？　す、好き？　あ、ありがとう……俺も……好きだよ、お前のこと。

あの、いや、嬉しいんだけどさ……玄関だし、その……いちゃつくなら中に入ってからにしない？

わっ、んん！
(キス)

ちょ、どうしたんだよ……お前、そんな素直だとびっくりするって。嬉しい……けど…………。

何ニヤニヤしてんだよ……。ほら、早く中入れよ！

ん、紙……？　し、知らない。なんのことかな。
ここに置いてあった？　いやぁ……見てないけど。

うん、見てない見てない。

え？　さっき……？　あぁ、キスされた時……？　うん、嬉しかったよ……それがどうしたのさ。

えっ……あぁ、台本通りにした？　そっか……そうだね……そんな話も書いた……だ、台本って何？

し、しらねぇよ！　台本とか、なんの話？　ほんとに知らねぇから！

お前こそ、嬉しそうじゃん……そんなにニヤついて……。よかった、じゃあ、怒ってないんだな？

なんでって、そりゃ……俺があんな台本みたいな妄想ばっかして、お前で満足してないみたいに思われるんじゃないかなって……。

あっ、ちょっと！　んっ……
(キス)

健気とか言うな……違うよ……そんなんじゃないって。俺はただ心配性なだけ……。お前のことになると、なんか、いまだにソワソワする時があるんだよ。

あぁ、BLの台本書いてるのは認めるよ……ちょっとリアリティーがない話も多いけど、妄想だから……。
でも俺にはお前がいるし、いつもドキドキさせてもらってるから……その、あくまで妄想だよ。
でも、ヤキモキさせたらごめん。

大丈夫……？　ありがとう。

……お前さ、さっき台本通りって言ったけど。
その、もし良かったら……つ、続きを……してくれないかな……。

え、続き覚えてない？　そっか……。

紙？　あぁ……うん。隠したよ。だってお前が帰ってきたら速攻いじられるだろうから、なかったことにしようと思って……。

持ってきたら続きしてくれる？　……わ、わかったよ……ちょっと待ってて。

(隠した紙を出して見せる)
ほら……これだよ。恥ずかしい……目の前で読まれるの無理……。

え？　印刷したのこれじゃないの？
……え？
もしかして、ほんとに幽霊なの……？

あー、いや、あの、俺が帰ってきたらこの紙が置いてあったから、誰が置いたんだろ、幽霊がやったのかなーとかふざけて考えてたんだけど……。
だって、印刷してたのは別の台本なんだよな？

カバン？　はい、お前の。

(彼がカバンの中を探す)
あ、何それ……別の台本？　あぁ、うん、これも……俺が書いたやつだよ。

タイトル読み上げんな……！
……あぁ、何、これを置いとく予定だったの？　なるほどね……どっちの台本置くか悩んで置き間違えたのか。
まぁどっちも同棲もので玄関でキスされるシチュエーションだからな……。

はぁ……ビビった……ほんとに何かいるのかと思ったって。

なっ……別にそんなに怖がってねぇし！

あっ、ちょっと、なんで帰るんだよ！　せっかく来たんだから泊まって行けよ……冷やかしか？

怖がってないって……単にお前のミスだったんだろ？　それなら別に怖くないよ。
でも今更帰るのは無しじゃない？　その……ほら、ベッドの上の台本もあるんだし……さ？

んっ
(キス)

あはは……お前、いつ台本書いてるの気づいたの？

俺が風呂入ってる時？　最近？

そっか……最近か。スマホつけっぱで台本書く画面開いたまま風呂入ったのが悪かったか……。

何？　参考になる……？
し、しなくていいよ……俺が耐えられないって。

いや、まぁ……中にはお前にしてほしいやつも……ある、けど……。

んっ！
(キス)

あっ、ばか！　そんな抱き締めんな……
お前……もうカチコチじゃん……固い……

お前も、そういう……台本通りにやってみたいの？

……俺のこと想像しながら読んでた？　やめろ……恥ずかしすぎる……。
でも、わかった……お前がそう言うなら……お前がやりたいやつ、教えてくれよ……。

ん、いいよ。だって、自分が書いたものでお前が喜んでくれたら、それ以上に嬉しいことなんかないし……。

……それにする？　わかった……。んじゃ時間早いけど、ベッド、行こっか……。

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・台本（ゆるボイ！）
[BL台本/R-15]BL台本を書いてるのが彼氏にバレた
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・台本制作者
チャイシー・マチ