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[執事]涙の夜明け
written by 初実とうか
  • ファンタジー
  • 癒し
  • お嬢様
  • 金曜の天灯
  • 執事
公開日2024年01月19日 04:10 更新日2024年01月19日 04:10
文字数
1310文字(約 4分22秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
どんな時も気丈に振る舞うお嬢様が初めて見せた涙-。
一夜明け、自己嫌悪に陥ったままのお嬢様に、ずっと付き添っていた執事が優しく語りかける。
本編
( ) ト書き  《 》お嬢様のセリフ

効果音・BGMによる演出はご自由にしてください。



(朝。お嬢様の寝室。)
(執事、眠るお嬢様の手を握っている)
(お嬢様、目を覚ます)

あっ…。
お嬢様、おはようございます。
ご気分はいかがですか?

《あなた…ずっと私の手を握ってくださっていたんですか…。》

はい、
「眠っている間手を握っていてほしい」と
おっしゃっていましたので、そのように…。

《そう…私そんなこと言って…。ごめんなさい昨夜は気が動転してよく覚えていなくて。》

記憶にございませんか…。
無理もありません。
昨夜はかなり…
お気持ちが不安定でいらっしゃいましたから…

(お嬢様、昨夜のことを思い出し恥ずかしくなって枕に顔をうずめる)

っと…
そんな、枕にお顔をうずめたりされなくても…。

《合わせる顔がありません。》

わたくしに合わせる顔がない?
なぜです?

《あの程度で弱音を吐くなんて、この家の後継者失格です》

弱音を吐くなんて後継者失格…ですか。

そんなことございません。
お嬢様はこの家を継ぐため
日々努力されていらっしゃいます。
そのことは旦那様も奥様も、
この家の誰もがそう思っております。
もちろんわたくしも…。

弱音を吐いてしまうことも、
その…涙することも誰にでもございます。
どうかご自分を卑下なさらないでください。

《あんな醜いところを見せてしまって…。
ごめんなさい。昨夜のことはなかったことにしてください。》

昨夜のことは忘れてほしい…ですか。

お言葉ですが…
それはできません。

《なぜです?》

弱い所もお嬢様の一部だからです。
大切なお嬢様の心を
なかったことにはしたくありません。

お嬢様…
お顔、あげてください。

(お嬢様、おそるおそる顔をあげる)

ありがとうございます。

日頃の重圧に思い悩まれたり、
手を握ってほしいと甘えたり…
そんなお姿を知ったからといって、
わたくしは失望などしておりません。

お嬢様への尊敬の気持ちは
ずっと変わることはございません。

むしろ…昨夜のお姿を見て安心しました。

《安心?》

はい。
安心と…少し嬉しい気持ちもあるかもしれません。

わたくしがこのお屋敷に来た時からずっと、
お嬢様は聡明で気品にあふれ、
わたくし達にも分け隔てなく接してくださっています。

そして悲しみや苦しみのお気持ちを
決して口になさらない。

お嬢様のそのお心遣いは大変素晴らしいものです。
ですが、昨夜のように
抱えていらっしゃる感情を誰かに打ち明けることも、
同じくらい必要なことかと、
わたくしは思いますので。
お嬢様が話してくださって嬉しかったです。

難しいかもしれませんが、
我々にしてくださるように、
お嬢様自身の心も、
これから少しずつ大切にしてあげてください。

《ありがとう。不思議ね。あなたと話していたら気持ちが軽くなります。》

少しお気持ちが軽くなりましたか。
そうですか…それはよかったです。

《あなたのおかげです。》

いえ、わたくしは何も…。

またお辛くなったらご遠慮なくお申しつけください。
いつでも参ります。
もちろん他言は致しませんので。

さて、
もうすぐ朝の支度の時間ですね。
じきにメイド達も来るでしょう。
わたくしはここで一度失礼致します。

不安な顔をなさらなくても大丈夫です。
わたくしはいつも
お嬢様のことを気にかけておりますので。

では、本日も行ってらっしゃいませ。


〜おわり〜
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
[執事]涙の夜明け
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
初実とうか
ライター情報
初実(はつみ)とうかです。
閲覧・音声化等いつもありがとうございます。
主に女性向けシチュエーションボイスのフリー台本(甘々・ヤンデレ・ショタ等…)を書いています。(順次投稿予定)
ご使用時、タイトルはご自由に変更してください。
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