バスに揺られて数時間
山の中腹のバス停に降り立った
誰もいないと思ったら年上のお兄さんかお姉さんかわからない人がいて話しかけられた
自称山の主
ただ、おじいちゃんの名前を知っていたので地元の人ではあるみたい
無遠慮に色々聞いてきた上に何も手助けしてくれない
道案内くらいしてくれても良いのに！

おや、珍しいお客さんだ
我が山にようこそ
バスの乗り心地はどうだったかな？
最悪？
そりゃ残念

私？
私はこの山の主だよ
仕事で今は来山者の監視をしているんだ
どんなやつが来るかわからないからな
暇なのかって？
……今は他にやることもないからなぁ
大事な仕事ではあるんだけどな

これから何をするんだ？
山登りか？　観光か？
ん、墓参り？
あー、お前◯◯のところの孫か
ご苦労なこった
良い孫を持てて◯◯も鼻が高かろうよ

そういや、◯◯のせがれや嫁はどうした？
お前1人で墓参りなんて感心せんな
……いない？
そりゃあ悪いことを聞いた
まあ、その、強く生きろ

それじゃあ気を付けて行けよ
道は険しいからな
私の手助け？
そんなもんはないよ
私は下々の事情に不干渉なんでね
じゃあな

・台本（ゆるボイ！）
山中のバス停にて
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
征（ぎょうにんべんまさし）