新しい会社に入社して

だけど上手く人に頼ることができなくて

月を見ながら悩んでいたら...

こんばんは。


隣、いいですか？


(ベンチに座っている彼女の隣に腰掛ける)


綺麗な満月ですよね。今にも手に届きそうだ。(月に向かって手を伸ばし)


なんてね。ふふ。笑うところですよ。ここは。


あ、やっと笑いましたね。そっちの方があなたには似合います。


ははっりんごみたいに真っ赤ですね。


よかった。だって、あなた、ずっと悲しそうな、思い詰めた顔してたから。


なんだかほっとけないなって思いまして。


ここ最近、ずっとここで同じ空見てるでしょ。雨の日も曇りの日も。


なぜ知ってるかって？さて、何故でしょう。


ふふふ。秘密です。


(微笑みながら話しをそらし)


...さて、何があったか話してみませんか？こういう話って私みたいな他人に話すと案外スッキリするもんですよ。

ほら、騙されたと思って。


(彼女の話を聞き)
...なるほど...


(しばらく考え込むようにして)


...あなたは気負(きお)いすぎなんですよ。


あなたは1人で抱え込んでしまう、人に甘えるのが苦手なタイプではないですか？


そういう世の中、社会を作ってしまってるから仕方がないところもありますが...


...あなたは、相談することは甘えだって思ってませんか。


それが大きな間違いなんです(デコピン)


頼りすぎるのは問題かもしれませんが...頼らない、1人でしようとしていることも間違っています。


あなたその会社で1人で働いているわけではないでしょ？


それぞれの役割があるということはそういうことですよ。


頼ること、教えてもらうことが今のあなたのお仕事です。


...そしていつかそれをあなたが次の人へ繋げていくんです。


次の方が入った時、同じように悩まれる方がいるかもしれません。


(彼女の頭を優しく撫でる)


よしよし、1人で抱え込んで頑張りましたね。


頼ることも今のあなたにとっては1つの試練かもしれません。


でも...忘れないでください。


あなたは1人ではないんですよ。時には甘えることも覚えなさいな。


ほらほら。上を向いて月をみてごらんなさい。


月は何時でもあなたを優しく照らしてるんですよ。


あなたは1人ではないのです。


...私はずっとあなたをみてますからね。(ボソッと囁き)


え？どういうことかって？


それは...秘密、です。
(人差し指を唇に当て微笑む)


少し、すっきりしたお顔をなされていますね。


よかったです。


...また、何かあったらおいでなさいな。


その時はまた導いて差し上げます。


あなたの進む道へ...

・台本（ゆるボイ！）
月の光に導かれて
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
天羽ボレロ