ジャンルは病弱ヤンデレです(？)。最終的にヤンデレ？ストーカーから彼女を助けようとしてくれます…！

　

（ベッドで横になり、咳込んでいる）
…………
（舌打ち）
（彼女のスマホをポチポチ操作しながら）
……しね……しね、しね、しね、しね、しね……

（ドアが開く）


……あれ、もう、帰ってきたの……？

へぇ……忘れ物……

（スマホを取り上げる彼女）
わっちょっ……！
なんだよ……勝手にボクのオモチャ、取り上げないでよ……

は？　キミのケータイ？
知らないよそんなの。
大体、キミのものは全部ボクのものだって散々言ってるだろ！？

それに最近……1人でコソコソとそんなもの触ったりして、やたらソワソワしてたのも……ボクは見てたんだから。
（舌打ち）いい加減にしてよ。
ボク以外のものに気を取られてるキミなんか、嫌い……大っ嫌い！！　……うっ……

（咳込む）
（荒い呼吸）

るさいな大丈夫だよ！
……ほんと、ボクがこうやってさ、思うように、起き上がれないからって……
（イライラと）
はぁ……キミってばきっと……ボクのいないところでいつも、好き勝手に行動してくれちゃってるんだろうなぁ……ムっカつく……（咳込む）

そんなことあるだろ！
ウソだ！　キミはいっつもボクのことをないがしろにしてる！！
……ボクのこと、バカにしてんの？
ふざけんな！！　バカなのはキミだから！！

……え？
あー、うん。
さっき消してたけど？
だって、いらないでしょ？
そのケータイに、ボク以外の連絡先なんか……

家族？
知らないよ、家族だからって消して何が悪いの？
大体、ボクは家族なんかどーでもいい。
ボクには、家族なんかいない。
ボクにはキミしか……いないんだよ……？
それなのにキミは「ボクだけ」じゃないなんて……そんなの許せない。

みんな、どっかいけ……どっかいっちゃえよ……
キミ以外……みんな……消えてくれればいいのに……
（咳込む）

あー……もー……クッソ！！
（苦しそうな呼吸）

……は？　行かないよ、病院なんか。
絶対に行かない。
大体、行って良くなるような症状じゃないって何回言えば、バカなキミでも理解ができるのかな……はぁ……

ボクは、死ぬまでキミの家に居座ってやるんだから。

……あ、もしかしてキミ、「ボクが先に」、さっさと消えてくれればいいのにって、そう思った？
この病弱なボクが、誰よりも先にいなくなってくれそうだけどねとか、思ってる……？
ふふっ……あはっ、あははっ……

絶対に、そんな簡単にいなくなってなんかあげないから……

……だって……
（涙声）
だって……ようやく……
ボクは、ようやく、キミのことを……手に入れられたのに……ック……ぐすっ……

……絶対に手離さない。

たとえキミが、どれだけボクのことを拒否するようになったとしても、ボクはいつまでも、永遠に、キミに付きまとう。
……そう簡単には、死んでなんてあげないから。


（ギュッと抱きしめられる）
……っ……
っな……なんで……急に、抱きしめてくるんだよ……

……"死なないで"……？

ふふっ……

そっか。
ボクも……（咳込む）
（苦しそうな呼吸）

大好き、だよ……？
（青ざめながらキス）

……ああー……

なんか、また、ちょっと具合悪い、かも……

（振り解いてそっぽを向き、生気なく）
はぁ……もーいーや。
もーどっか行っていいよ？
わかったから。キミの気持ち。
ん。もう怒ってない。

……水？　別にいらない……

いいから行って。
買い物行くんじゃなかったの？
さっさと出てけばいーじゃん。

（舌打ち）
だから、大丈夫だから！！
（苦しそうな呼吸を繰り返す）

……うん……わかった。10分……ね。

……じゃ、もしもそれ以上帰る時間が遅れたら、キミのこと、コロシてもいい……？

……あっそ。

いってらっしゃい……


……ねぇちょっと……

バカなの？
ケータイ、持っていくんじゃないの……？

……ふぅん。
好きにしていいんだ……



（ドア閉まる音）


（しばらく苦しそうに咳込んだあと、徐々に呼吸を整える）

（再びスマホを操作）
……それじゃ、お望み通り、続きの連絡先も消してあげよーっと……

（通知音が鳴る）
（舌打ち）次から次へと……

つーか、誰だよ……
コイツ……
しかも、なんだこの変なメッセージ……

……『同棲シテイタノ』……
……『ウソツキ』……
……『シネ』……

……『イマカラコロシニイク』……？


……は……？
……ッ！！
（勢いよく起き上がり、バタバタしながらドアを開け、思い切り走る）


（道端でストーカー男に襲われそうになっている彼女を発見し、ゼーゼー息を切らしながら）
……なっ……！　てんめっ……！
おいお前！！
ふざけんな！！
その子からとっとと離れろよ！！

（大きく咳込む）
……カハッ（吐血）……

……（舌打ち）だから……
お前、離れろって言ってんだろ！？
（走って男に飛びかかる）

ぐっ……はぁ、はぁ……
このっ……しね、しね、しねっ！　どけよ！！
離れろよ！！
オレの彼女から離れろっつってんだろストーカー男！！

（男にボディブローされる）
ぅぐっ！！　カハッ（吐血）……
（ゲホゲホ咳込み、荒い呼吸）

……お前……だけは……ぜっったい……許さない……
ボクが……死んだら……死んでも永遠に、呪ってやる……


（彼女、突如ブチ切れてストーカー男を蹴り飛ばす）

……へ？

……えっ、え、あれ、今……
なんか、でかい男が、ボクの目の前から吹っ飛んで……

……え……？
キミが……吹き飛ばしたの……？

思った以上に力が出たみたいって……
いや、普通、あんなのが蹴り飛ばせるのかよそれ……？

って、（彼女再び抱きしめる）ぐっ……
ちょっとそんなにひっつかないでよ……
ボクの吐いた血、ついちゃうけど？

……今度は何……
そんなに、泣かないでくれる……？
バカにしないでよ。
別に、ちょっと激しく動いたくらいで……ボクはそう簡単に死なないし……
はぁ……ほんとさ、キミは何回言えば理解してくれるのかなぁ？

……んっ……
（膝を立てようとしてよろめく）
くっ……そ……
まだちょっと、立てなさそうだから……しばらく、このままでもいい……？

やだよ。オンブなんか。
ちょっと休めば、ちゃんと立てるから……


（フッと笑う）

……生きてる間だけでもいい……

ずっとずっと、側にいてね……？







おわり

・台本（ゆるボイ！）
病んでるヤンデレがヤンデレから彼女を守る
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
蚊ネコ