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開発者の男にとって、今の彼女の代わりはいない
written by 松平蒼太郎
  • からかい
  • ファンタジー
  • 純愛
  • 開発者
  • マスター
  • 告白
  • 戦闘
公開日2022年07月19日 20:21 更新日2022年07月19日 20:21
文字数
1792文字(約 5分59秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
男性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
開発者/マスター
視聴者役柄
人型兵器
場所
某所
あらすじ
人型兵器の貴女はマスター兼開発者である男に調整をしてもらい、敵の兵器との戦闘に出向くが、多勢に無勢で窮地に追い込まれてしまう。
そんな貴女を助けに来たのは、他ならぬマスターであった…
本編
んー…よし!調整完了!お疲れ、俺!

どうだ?どっか不具合とかない?

そっか、ならよかった。またなんかあったら言ってくれ。俺は寝る。

え、膝枕?いいの?マジで?

膝抜きして頭から落とすとかは勘弁してくれよ?

サンキュー。じゃあ遠慮なく…よいしょっと。

悪いな。足痺れてきたら、俺の頭は適当な枕に優しく乗っけてくれ。優しくな。

おう、頼むわ。そいじゃ、おやすみ…




んっ…あれ?いつのまにか膝枕が無くなってる…

あっ、もしかしてよだれ垂らしたから怒ったのかな?いや、でもあいつに限って…

ん?……あー、なるほど。そういうね…

(ため息)

また無茶するよなー、あいつは…

しゃーない。迎えに行ってやりますか…




よっ。お待たせ。さっき調整したばっかだってのに、ずいぶんボロボロだな。

まーた敵機の存在、感知しちゃった?

そっかぁ…ま、感度良好になるように設計したの俺なんだけど。

とりあえず周りに民間人はいないってことでオケ?

了解。じゃ、サクサク片付けますかー。

いやいや、心配すんなって。何も考えず闇雲に突っ込むわけじゃねーから。それなりに準備してきたし。

え?………いや、あの、そんな深刻にならんでも…てか、俺死ぬ前提?

(頭を撫でる)

大丈夫だって。あの敵機、元はと言えば俺が作った機体だし。

まぁ正確に言うなら、俺が作った機体を他の連中がパクりやがった偽物?みたいな?

だからとにかく大丈夫なんだよ。開発者本人が言うんだから間違いない。

あ〜…たしかにお前の人格のデータのバックアップは取ってあるよ。

性格とか体格とか機能とか…また同じものを作ろうと思えば作れる。

けどな、今ここで俺と会話してるお前は二度と復元できない。俺の技術力をもってしても、だ。

つーか、自分の方が無茶するくせに、一丁前に俺の心配ばっかしちゃってさぁ…

今回調整頼んだのも、もっと兵器としての性能を高めて欲しかったからだろ?

ははっ、分かってるって。俺のこと、守ろうとしてくれてんだろ?てか実際、今までも散々守ってもらってるし。

だからさ…たまには俺にカッコつけさせてくれよ。

いや、だって…好きな女守りたいって思うの、男として当然だろ?

あ、今のは臭かった?恥ずいな、おい。

…っと、ラブコメはこの辺にしとくか。

つーことで、お前はそこに隠れて俺の勇姿をその目に焼き付けとけ。

え?……ははっ、そうかよ。

そんなの聞かされたら、死ぬわけにはいかねーじゃん。

んじゃ、行ってくる。寂しくて泣くなよ?

ははは!今度こそ行くわ!じゃあな!




あれ?ここどこ?知らない天井だ…

あ、嘘嘘。言ってみたかっただけ。

とりあえずお互い無事だったみたいだなー…

いや、まぁ、うん…たしかに俺の方が重症だな。

腕上がんねーし、体の節々いてーし…ボロ雑巾ばりにボロボロだよ。

あ……えっと、泣くなって。お前の大好きなべっこう飴やるから、な?

……心配かけたことは謝る。悪かったな。

あの敵機ども、俺が開発したやつの劣化コピーだっつったじゃん?

だから、あれに自爆装置が付いてたのは分かってた。

その装置を起動させるために、戦いながら暗号解読してたわけよ。

天才の俺は見事にそれを読み解いて、あとは遠隔操作でまとめてドカン!……と、やったまではいいが、自分が爆風に巻き込まれちまったんだよな。

はは、たしかにバカだ。流石に言い逃れできねえわ。

え、何急に…どうかしt…ッ!

(キスされる)

あ〜…参ったな、こりゃ。俺、モテ期到来?

ははは…分かったよ。俺の正直な気持ち伝える。

俺もお前のこと好きだぞ。一人の男としてお前を愛してる。

あー、まぁそもそも、お前は俺好みの見た目に作ったし、惚れるのも当然っちゃあ当然なんだけどな。

けど中身は俺との関わりの中で、積み重なってできたお前だ。

もしお前が壊れて、人格データのバックアップで複製したとしても、今のお前は帰ってこない。

だからあの時、お前のことを迎えに行ったんだよ。

お前のマスターとして…一人の男として。

この際だからはっきり言っといてやるがな、お前はただの兵器じゃない。

俺の最高傑作で、俺が世界で一番好きな女だ。

この先、お前がどんな危険なとこに行っても俺が必ず迎えに行ってやるよ。

(抱きしめられる)

お前、泣き虫になったなぁ…昔はあんなに無表情だったのに。

いや?今のお前の方が断然可愛いぞ。24時間365日愛でられる自信あるし。

(抱きしめ返す)

入院中暇だし、お前の感触しっかり堪能させてもらうわ。

バーカ、俺もだよ。お前のこと、手放す気ねえし。

今は邪魔者もいねえし…こないだのラブコメの続きでもすっか…な?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
開発者の男にとって、今の彼女の代わりはいない
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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