２０XX年
スパイも自我に目覚め、任務にやいのやいの言い始めた
なので国はなんとかスパイをなだめようと、ある施策を打ち出しますが……

あなたはその犠牲になっちゃいました

はーい、起きて～

んー、起きないなぁ……

じゃあしょうがないね

鼻つまんでー……

//キス
んっ、ちゅぅっ……

んふふ、起きたかな？

おはよー

おっ、気づいたね

私のことわかるー？

そーそー、君にプロポーズした女の子ですよー

なら話進めても大丈夫かな？

あ、拘束は解かないよー、当たり前だけどさ

んふふ、そう暴れたってどうしようもないよ？

それ、一流のスパイでも抜けられないようにしたんだから

んふふ

話がこじれる前に喋っちゃうけど、私はスパイなの

わかる？　現代社会を裏で支える仕掛人

だけどさ、こういう命かける仕事も、最近は嫌になっちゃうような人が増えてきたんだよね

ま、私もその一人なんだけど

だから、国の偉い人がね？　私たちにも支えをくれるっていう話なんだよ

誰でも好きな人を一人、こうやって自分の物にしていいんだって！

ね、凄いでしょ？

だから私は君を選んだってわけ

よかったねー♪　国を支えてる人に選ばれたんだよー？

もっと嬉しそうにしなよー♪

え？　これから？

あー、君のこれからかな

うん、勿論私とずーーっと一緒に暮らすんだよ

あ、任務中は寂しいけどしょうがないよねっ

え？　住む場所？

あ、ここだよ

ほら、回りよく見てよ

窓はないけど、二人が暮らすには充分な広さの部屋でしょ？

あ、うん、だってここは本部の内部にあるもん

いやぁ、さすがに家族を人質に取られたら私だって感情的に厳しいからさー、絶対にさらわれないようにするにはこうするしかないんだよ

あ、まぁ逆にいえば、組織には首輪はめられちゃったってことだけどねっ

んふふ、でもそんなのどうでもいいんだよ

君さえいてくれればね

なんで？

もしかして、そこから？

あー、だからプロポーズしたときに誰？　なーんて聞いてきたのかぁ

ねぇ、昔、覚えてない？

私たち、一緒の孤児院にいたんだよ？

その時にお互い、約束したよね

ずっと一緒だよって

あはは……私の方から先に約束破っちゃったもんね

ごめんね？

だけど、こうしてまた君に会えた

国が、私たちが結ばれるのを認めてくれたんだよ♪

大丈夫、イチャイチャしていいし子どもも作っていい

君はもう働かなくていいよ、私が養ってあげるから

だから、私と結婚して？

……ごめん？

ごめんって、どういうこと？

……んふふ、まさか他に？

あー、そうなんだ

そっかぁ……

じゃあ、私に変えてもらうしかないね

え？　いやだって、今さらはいそーですかーって帰せるわけないじゃん

っていうか自覚してる？　わかんないならもっと具体的に言ってあげよっか？

//低音有声囁き
君は、私の、慰み物なの

だから嫌だとか無理だとか他の人がとか、そーゆーのはどうでもいいの

必要なのは君の体だけ

……とは言ったけど、やっぱり心も欲しいよね

だって私が好きなのに、なんで君は私のこと好きじゃないの？

こんなに頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って、でも好きな人には認めてもらえないの？

そんなのやだよ

……ねぇ、最初に言ったよね

誰でも好きな人を、自分の物にしていいって

国がそれを認めてるって

だからさ、君が生きてきた証拠とか、戸籍とか、もう全部ないんだよ

つまりね？

//低音有声囁き
君の人権もないから

あは♪　意味わかった？

君は私が好きなように扱っていいってことなんだよ♪

だからぁ、君を拷問したって、な～んのルールにもひっかからないんだよね～

だって、君は存在しない人だし

あ、ごめんね？　君は私のためだけに、私の中だけに存在してるからねっ♡

まぁ、そういうことだからさ

あんまり抵抗して私を傷つけたら、拷問しちゃうよ？

あは♪　まだ強がってるんだー……

じゃあ、しょうがないよねー……

でも仕方ないんだー……君が私をそうさせるんだもん……

でも君のためだからね

じゃあ、始めるよ……

//恍惚と甘く無声囁き
君の好きな人、私って言えるようになるまで拷問するね♡

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレスパイの愛の尋問　「私」って言えるまで拷問するね♡
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
空上新奇