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呪いを肩代わりしたシスターを助けるためには拷問のような解呪が必要で…
written by ろべ
  • シリアス
  • ファンタジー
  • 切ない
  • シスター
  • 年下
  • 清楚
公開日2024年06月01日 17:17 更新日2024年06月01日 17:17
文字数
2237文字(約 7分28秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
⚠痛々しい描写を含みます

呪いをその身に引き受けて解呪することがお仕事。解呪方法は体を痛めつけること。呪いが焦って次の宿主を探そうと実体化するのを祓う。痛めつけるのは同じ修道院で育った兄。妹にこんな酷いことをすることに罪悪感を抱いているが、人助けのためと自己犠牲を厭わない彼女の意思を尊重し加虐する。

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本編
『神よ。呪いに蝕まれ苦しむ憐れな子に、どうか安らぎと祝福をお与えください』



はい、お疲れ様です。これで解呪は完了しました。

お辛かったですね。もう大丈夫ですよ。


呪いのせいで体力を消耗していますから、今日のところは無理をせず、すぐにお休みになってください。


兄さん、この方をお家まで送って差し上げてください。


ええ、私は平気です。
少し休めば問題ありません。


では、お気をつけて。お大事になさってください。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー



はぁ…はぁ………っ…


これは…前のよりも…ずっと…


…こんなに強い呪い…やっぱり魔物の活性化となにか関係が…



(教会の扉が開く)



ぁ…にい、さん…


お見苦しいところを…すみません…

引き受けた呪いが予想より強く…


はぁ…はぁ…


高熱、倦怠感、身体の中を虫が這い回るような不快感…立って歩くことすら困難です…



あの方からこの苦しみを取り払えて良かったと、心から思います…


は、はい…早く解呪の儀式をしなければ…



んっ…(抱きかかえられる)

すみません、このようなことまで兄さんの手を煩わせてしまって…


はい、助かります…このまま地下室まで運んでください…



(抱えたまま地下室へ降りていく)


兄さん…今回で2回目ですが、解呪のやり方は覚えてらっしゃいますよね…



はい、そうです…

私の身体を痛めつけ、呪いが次の宿主を探して実体化したところを聖水で祓います…



…そんな顔をなさらないでください。

私は平気です。これは人助けのためですから…



ふふ、"代わってあげたい"ですか。

お気持ちは嬉しいですけど、それは無理です。


呪いの肩代わりは神に操みさおを立てる聖処女にしかできない御業みわざ。

いくら眉目秀麗な兄さんと言えど、さすがにシスターは務まりませんわ。



それに…仮にできたとしても私は、兄さんにはこんな思いをしてほしくありませんから…



(地下室に着く。ぴたりぴたりと水滴が落ちる音が聴こえる)


着きましたね…では、そこの陣の上に降ろしてください。



はい。ありがとうございます。


次は…服を脱がせてもらえませんか…?


いえ…着用していても問題無いのですが、以前の鞭打ちで修道服が破れてしまって、修繕が大変でしたので…


(服を脱がして下着姿にする。白く透き通った肌には痛々しい赤い跡が残っている)



……すみません、あまり見たくありませんよね、こんな肌…



鞭は痣にはならない分、どうしてもミミズ腫れが残ってしまって…



…兄さんが謝ることではありません。

出血や骨折を極力避けて痛みを与えるには、やはり鞭が一番効果的ですから。



(会話しながらもどんどん体調が悪そうになっていく)



…すみません、もう身体を起こすのも苦しくなってきました…

兄さん、地面に寝かせてくれませんか…?


(その場に寝かせる)


…ええ、大丈夫です。地面が冷たくて少し気持ちが良いです。


兄さんはそのまま聖水の準備を進めてください。


薄めすぎると効果がなくなりますから、注意してくださいね…


………


(調合を続けている間にも後ろで苦しそうな息遣いが聴こえる)



……はぁ…はぁ…


兄さん…そこに…いますか…?



…わかり、ました…もう少し、ですね…



……、………っ……ぁ…、……ぁ……


(朦朧として夢か現実かもわからなくなっている)


(だんだんと意識が弱く幼くなっていく)



…にいさん……にいさん……くるしい……こわい…です…


たすけて……はやく…はやく…


(調合が終了し彼女の元へ向かう)



ぁ…にい、さん…来て、くれた……?


、まって、にいさん…なんでそんなもの…

やめて、いや…!叩かな…んぐっ…!(鞭で打たれる)


〜〜〜〜〜〜〜ッ!(声にならない叫びと後引く痛みに耐えて小刻みに早い息遣い)



ーーッ!!(息を吸いすぎて咳き込む)




…なん、で…いたい…おにいちゃん…おにいちゃんなんで…


(鞭が振りあげられる)


やだ…、やめて!いたいのいや!はなして…!わたしなにもわるいこと…ひぎぃ…!(鞭で打たれる)


うううううう…!(子犬のような呻き泣き声)



ごめ…ごめんなさい…ごめんなさい、おにいちゃん、ゆるして…ごめんなさい…ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…(声帯が締まっていて甲高く聴き取りにくい)



(鞭で打たれる)


…っ!ごめんなさい…ごめんなさい…おにいちゃん…おにいちゃん…



(何度か鞭で打たれ、その度痛みに喘ぎ、ごめんなさいを繰り返す)



(何度目かの鞭でついに意識を失いなにも言わなくなる)



(蟲がたかるような羽音とともに呪いが実体化する)



(すかさず聖水を撒き散らし、しばらくすると羽音が止む)




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




(暖炉で焚き火がパチパチと音を立てている)


……ん……にい、さん…?



…っ…!あの、呪いは?



そう、ですか…ちゃんと祓えたんですね…


……

……あの、兄さん…どうかなさったんですか?その、お顔がすごいことになって…



ぁ…(何かを納得したような間)



よし…よし…ごめんなさい。怖かったですよね…


もう、大丈夫ですよ。兄さんのおかげで私は元気です。


ありがとうございます。兄さん。

本当に、お疲れ様でした。



もう…泣かないでください…せっかくのお顔が台無しですよ…?





…"もうやめにしよう"って…それは、解呪のこと、ですか?


…嫌です。言ったでしょう?人助けですからって。



人の命がかかっています。私なら助けられる。苦しみから解放してあげられる。


それを見てみぬふりなんて、私にはできませんもの。



どうか兄さんも、考えてみてください。
もし、自分の大切な人が呪いに侵されて苦しんで死んでしまったら…



そんな悲しいこと、無いほうが良いに決まってます。




…………言いたいことはわかります…


兄さんは優しいから、私のほうが大切だと、そう思ってくださるんでしょう…?


………………………


………………………



…すみません…私、今はまだ上手く考えられなくて…


もう少しだけ、お休みさせていただきます…






あの…また起きるまで、そばにいてもらえますか…?



…ふふ、手を、握っていてくださるのですね…

安心、しました…



ありがとうございます、兄さん

おやすみなさい…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
呪いを肩代わりしたシスターを助けるためには拷問のような解呪が必要で…
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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