運動部に所属する貴方は、同じ部活の後輩マネージャーにお熱であった。彼女をからかい、その困った顔を見るのが好きな貴方は、今日も部活終了後に絡みに行って…？

先輩…部活、お疲れ様。水、持ってきたけど飲む？


ん…どうぞ。わたしの唾液も入ってるから、一滴残らず、しっかり飲み干してね。


…冗談。衛生的に悪いから、そんなことはしない。たとえ、わたしがいくら先輩を好きだとしても。


…それは秘密。でも、普通に先輩としては尊敬してる。文武両道で仲間想いだし。それに…


…何でもない。わたし、部員みんなのユニフォームを洗濯してくるから。先輩も着替えたら、洗濯室に持ってきて。


(洗濯室でユニフォームを洗濯機に放り込む)


これでよし…あとは先輩が持ってきてくれれば、それを入れて洗濯機を回すだけ……って、噂をすれば。早かったね、先輩。もう少しゆっくり着替えてきてもよかったのに…


そう、気を遣ってくれたんだ。ありがとう。じゃあ、洗濯機回すね。


(受け取ったユニフォームを放り込み、洗濯機を回す)


…先輩？どうしたの？ユニフォーム持ってきてくれたんなら、もう帰っていいよ。今日は練習試合で疲れたでしょ？


…え？さっきの話？それってどれのこと？


あぁ、わたしがどれくらい先輩のことを好きかって話か…それは秘密だって言ったはず…


ズルくない。わたしも一応女の子だから…乙女の秘密を無理やり探るのは良くないと思う。


……は？先輩が、わたしの友達を…？なんで…？


いや…まぁ、たしかにいつも一緒にはいるけど。どうして先輩があの子を好きになるの？あの子と先輩には何の接点もなかったはず…


ひ、一目惚れ…そう。先輩って惚れやすい体質だったんだ。見境というか、節操ないんだね。誠実そうな顔しておいて、心の中は下心満載だったんだ。ちょっと失望した…


…怒ってない。先輩が馬鹿っぽくて、呆れてモノも言えないだけ。それくらい、見てわかるでしょ？


…ッ！冗談って…！先輩、もしかしてわたしのこと、からかってる？


……は？え、あぁ、えと…せ、先輩って小学生なの…？好きな子をからかって許されるのは、小学生までだよ…？


く…！先輩って、やっぱりずるい…！そうやっていつも人の心を弄ぶんだ…！最低…！


(ため息)


そこまで言うなら…わかった。でも、あとで先輩にも腹を割ってもらうからね…？


(そっと抱きつく)


…わたしも、嫌いじゃないよ？先輩のこと…むしろ好き寄りではある、かも…


どれくらいって言われると…カッコイイのもそうだけど、そういう意地悪なところもちょっとだけ、好き…その態度はわたしの前でしか見せないから…


うん…知ってたよ。それなりに先輩のことは見てるから…どうしてわたしの前でだけは意地悪なんだろうって思ってた。もしかして素を見せてくれてるのかなって思ってみたり…じ、実際はどうなの…？


…！そ、そう…先輩、やっぱり小学生みたい。わたしより年上なくせに、子どもっぽいんだから…


それは、そう…先輩がそういう意地悪ばっかりしてくるから、わたしも敬語を使わなくなったわけだけど。使う必要もないと思ったし。


生意気で結構。けど、先輩相手に遠慮はしてないってことだから…悪い気は、しないでしょ…？


…ん、それはやだ。先輩が男らしく告白してくれるまでエッチはしない。からかってばかりじゃ、わたしのことは堕とせないから。


(彼の身体から離れる)


じゃ、先輩…わたしも帰る準備するから。先輩は先帰ってていいよ。お疲れ様。


………いや、そこは一緒に帰るって言ってよ。「うん、じゃあまたな」じゃなくてさぁ…あっさりしすぎじゃない？


(ため息)


先輩が本当にわたしのことを好きか、改めて精査しなくちゃいけないかも…ホント、手のかかる先輩なんだから…もぅ。

・台本（ゆるボイ！）
【青春/甘々】無口な後輩マネージャーの翻弄される日常
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎