学生である兄と妹の、どこにでもあるようなお話。喧嘩するほど仲が良いとはよく言ったもので…？(※尚、一線は越えない模様)

(兄の部屋の扉を開く)


なぁ、兄貴ー。今度、兄貴んとこの学園祭に友達連れてってやってくんね、え、か…？


い、いや、兄貴…！なんで上半身真っ裸なんだよ…！服着ろ、服！


はぁ⁉ 筋トレって…！普通に通気性のいい服着ながらやりゃいいだろ！なんでわざわざ全部脱ぐんだよ！変態か！


うぐっ…！そ、そりゃあ、ノックもしなかったアタシが悪かったけどよ…


…あ、そうだった。えっと、何話そうとしてたんだっけ…そうそう、友達を兄貴んとこの学園祭に連れてって欲しいって話なんだけどさ…


いや、アタシが連れていきたいのは山々なんだけどよ…アタシはアタシで、部活の大会が重なっちゃってさぁ。


あ、いや。友達も学校までの道のりは知ってるから大丈夫。兄貴にして欲しいのは、校内の案内係だな。流石に中の構造までは知らねえだろうからさ、案内してやってくれよ。


う…いや、兄貴も当日の仕事で忙しいのはわかるけどさ、他に頼めるのが兄貴しかいねーんだって。妹からの頼みくらい、聞いてくれよ。なっ？


…条件？な、なんだよ…変なことだったら、承知しねえぞ…？


…あ？お前の椅子になりたいって…兄貴、マゾか？


あ、あぁ、そういうこと…体幹トレーニングしてる兄貴の背中の上に座れってことね。


てか、最初からそう言えよ…兄貴が変な性癖に目覚めちまったもんかと…


(兄の背中の上に座る)


んっ…これでいいか？大丈夫？


いや、全然大丈夫そうに見えねえけど…やっぱ降りようか？


お、おぅ…まぁ、その、頑張れよ？自分から言い出したことなんだしさ…


あー、わかった。じゃあ、スマホのストップウォッチで三分計るな。よーい、ドン！


(三分計測中)


…おーし、一分経過。その態勢、しっかり維持しろよ～？


……あ？今、なんつった？尻がどーとか聞こえた気がすんだけど？


バッ、バカ…！なに人の尻堪能してんだよ、この変態！死ねっ、死ねっ！


(兄の頭をひっぱたく)


うるせー！トレーニングにかこつけて人の身体、勝手に堪能しやがって！しばかれんのは当然だろーがよ！


ったく、この変態兄貴が…！おら、三分経過！もう降りっからな！ふんっ！


(兄の背中から降りざまに、ケツをけっとばす)


けっ、だらしねえ…尻、蹴っ飛ばされたくらいで涙目になるなよ。トレーニング、足りてねえんじゃねーの？


ま、何にせよ、これで条件は満たしてやったから…当日は頼んだぞ。そんじゃあな…


(部屋から出て行こうとすると、兄に手首を掴まれて、止められる)


…あ？んだよ、もうやること終わったろ？手ェ放せよ…ッ⁉


(無理やり壁に押し付けられた状態になる)


けほっ…！な、何すんだよ、いきなり…！逆ギレか、よ……？


う…いや、それは…ケ、ケツを蹴ったのは悪かったよ…余計なことしたなとは一瞬思ったけど、さ…


わ、わからせるって、何を…？お、おい、それ以上はシャレにならねえから、やめろって！おい！


(迫りくる兄に赤面)


～～～ッッッ！！！あぁっ、くそっ！もうどうにでもしやがれ…！アタシは逃げも隠れもしねえ…！来るなら来いよ…！


(強烈なデコピンをくらう)


…ッ⁉ いっ、てぇ～～～⁉


おい！ここまで人を追い込んどいて、やることがデコピンって、舐めてんのか！


あ、いや、それは…それ以上先に進むのは、兄妹的にはどーかなとは思うけどさ…


と、とにかく…！当日は友達のこと、頼んだからな！そんじゃ！


(兄の部屋から出て行く)


はぁっ、はぁっ…！んだよ、上半身真っ裸で迫ってきやがって…！心臓に悪いっつの、あの変態野郎が…！

・台本（ゆるボイ！）
【わからせ/ツンデレ】不良系妹に、人にモノを頼む態度というものを教えてやる
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎