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後輩男子との非日常
written by 松平蒼太郎
  • 後輩
公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年06月05日 18:00
文字数
1507文字(約 5分2秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
本編
あ、もう下校時刻か…ちょっと長居しすぎたな。帰るか。

(勢いよくドアが開かれる)

ん?図書室に何か用?これから施錠するんだけど…

どうした?顔真っ青だけど…気分悪いなら早く帰った方が……って、本当にどうした?

マジか、それ……今までストーカー被害にあってたのか。

んで今日一人で帰ってたら強引に迫られて、怖くなって逃げてきたと。

なんでわざわざ学校に……無我夢中で逃げてたら家と離れた方向に向かってたから、学校にしたのか。

警察には通報したか?それから先生には助けを求めたか?

どっちもしてない?……携帯は逃げてる途中で落として、職員室に駆け込んだけど、先生が一人もいなかったと。

もしかして校内の見回りに行ってるのか?どっちにしてもタイミングが悪いな…それで犯人は?

まだ追いかけてきてる?………っ、静かに!

あれが犯人か。なんかヤバそうだな。明らかに誰かを探してますって感じだ。

まずいな……ここは南校舎の一番端の教室だし、部屋から飛び出したらまず間違いなく見つかる。

窓から?無理に決まってるだろ。ここ3階だぞ。

飛び降りたら怪我するのは確定だし、打ちどころが悪ければ死ぬかもしれない。

降りるときに人の体重を支えられるロープなんて図書室にあるわけないしな…

だいぶ近づいてきたな…おい、これ。図書準備室の鍵。カウンターのすぐ後ろの扉、それ使ったら開けれるから。

その中に入って内側から鍵かけて閉じこもっといて。電気も消してな。

あとほら、俺の携帯貸すからこれで警察呼んで。…俺?大人が来るまでアイツを引きつける。

危険なのはわかってる。けど今はこれしかない。

それはダメだ。一緒に隠れてもいずれ見つかる。図書準備室が最後の部屋だからな。

開いてないとわかれば、無理にでも蹴破ろうとしてくるはず。そうなったら本当におしまいだ。

大丈夫、なんとかする。少なくとも大人が駆けつけるまでは時間を稼ぐつもりだから。

それじゃ、行ってくる。絶対に部屋から出るんじゃないぞ。




ん?あ、どうも、お久しぶりです……いえ、その、あの時は先輩だってわかってなかったから、ついタメ口で…

いえ、別に大したことはしてません。結局あの後、警察が来るまでそんなに時間かからなかったですし。

そうですね…そのまま一緒に隠れてても大丈夫だったかもしれません。あの時は俺も動揺してましたから…

はい、すみません…ご心配をおかけしました。

え?いえ、大丈夫です。これはただのかすり傷ですから。

犯人が持っていたのが包丁じゃなくてカッターナイフでよかったです。おかげで俺でもどうにかなりました。

そんなに気に病まないでください。先輩だって被害者なわけですし。悪いのは全部アイツですから。

その犯人も現行犯で逮捕されましたし、この件はこれで全部解決。それでいいじゃないですか。

償いとかお礼とか必要ありません。俺はあのとき、自分にできることをしただけですから。

俺も先輩に心配かけましたし、それでチャラってことにしませんか?

ぐ…先輩は中々強情ですね。どうすれば納得してくれます?

してほしいこと、ですか……なら、先輩のおすすめの本を教えてください。

あぁ、いえ、同じ本を読んだ感想を言い合える人がいればって思っただけです。

わかりました。では明日の放課後、図書室で。

え、まだ何か?………タメ口、ですか。いえ、あのときは歳上だとは思わなかっただけです。だからタメ口はちょっと…

わかりましt……わかった、これでいいか?やっぱり先輩に対しては違和感あるな、これ…

はい?……いえ、どういたしまして。本当にそんな大したことはしてないんですけど…

勘弁してくれ…仮にも先輩に対して、いきなり敬語外すの難しいんだから…

あぁ、連絡先の交換か。どうぞ……ん、とどいた。ありがとう。

あ、はい。こちらこそよろしくお願いしm……よ、よろしく…
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
後輩男子との非日常
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
 pixivにてフリー台本を投稿しています。
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