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公開日2026年05月06日 20:16
更新日2026年05月06日 20:16
文字数
1755文字(約 5分51秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
先輩(または彼女)
視聴者役柄
後輩(または彼氏)
場所
部屋
あらすじ
ふとした会話の途中、貴方(聞き手)は利き手ではない方の人差し指に貼った絆創膏を、彼女に見つけられます。
朝にはなかったはずの小さな傷。けれど彼女は、貴方の手の癖も、古い傷跡も、二年前の春に缶詰で指を切ったことさえ覚えていました。
紙で切っただけだと誤魔化す貴方の指を、彼女はそっと取り、絆創膏の上から拍動を確かめるように触れてきます。
痛みを飲み込んでしまう貴方に、彼女は「私の前では、飲み込まなくていい」と囁きます。
小さな傷をきっかけに、見透かすような優しさと、逃げ場のない執着を向けられるお話しです。
朝にはなかったはずの小さな傷。けれど彼女は、貴方の手の癖も、古い傷跡も、二年前の春に缶詰で指を切ったことさえ覚えていました。
紙で切っただけだと誤魔化す貴方の指を、彼女はそっと取り、絆創膏の上から拍動を確かめるように触れてきます。
痛みを飲み込んでしまう貴方に、彼女は「私の前では、飲み込まなくていい」と囁きます。
小さな傷をきっかけに、見透かすような優しさと、逃げ場のない執着を向けられるお話しです。
本編
……ねえ。 さっきから気になってたんだけど。
その指。 利き手じゃない方の、人差し指。
絆創膏、新しいやつだよね。 朝はしてなかったでしょ?
……ふふ。 よく見てるな、って顔した。
まあね。 見るよ、そりゃ。 私、あなたの手のこと、結構好きだから。
骨が浮いてるところとか。 爪の形が、左右で微妙に違うところとか。 親指の付け根に、薄い傷跡があること。 あれ、いつのか覚えてる?
……覚えてないんだ。 私は覚えてるよ。 二年前の春。 あなた、缶詰のフタで切ったって言ってた。 桃のやつ。
ふふ。 そんな顔しないで。 別に、観察日記つけてるわけじゃないよ。 ただ、目に入っちゃうだけ。
……で、その絆創膏。 何があったの?
……紙で。 へえ。
紙で切るのって、地味に痛いよね。 浅いのに、深いところまで響く感じ。 あの、ピリッとした、後を引く痛み。
……今も、痛む?
……嘘。 痛むでしょ。 今、絆創膏の上から、別の指で押さえようとした。 無意識に。
ばれてる、ばれてる。 私の前で隠し事は無理だよ。 あなたの体、私の方がよく見てるんだから。
……あー。 ちょっと、それ貸して。
ううん、絆創膏はそのまま。 指、貸して。 ……うん、その指。
手首から先、預けて。 力、抜いて。
……そう。 上手。
……ね。 こうしてると、あなたの指、思ったより細い。 骨。 骨の感じが、ちゃんと分かる。
血、ちゃんと流れてるね。 指の腹の、ここ。 拍動、伝わってくる。 トクッ、トクッ……って。
……ふふ。 今、早くなった。 私が触ったから? それとも、絆創膏のところに息がかかったから?
……どっち?
……答えなくていいよ。 答えない方が、こっちは想像できて楽しいから。
ねえ。 紙で切った時のこと、思い出してみて。
どこの紙? ……書類。 そっか。
その時、あなた、たぶん舌打ちしたでしょ。 ……してない? じゃあ、息を、ふっ、て吐いた。 ……それも違う?
ふぅん。 我慢しちゃったんだ。 周りに人がいたから。
……ばーか。 そういうとこだよ、あなたの。
痛いって言わないで、自分で絆創膏貼って、何事もなかった顔して、午後の打ち合わせ出て。 で、私の前にも、何も言わずに座ってる。
私が気付かなかったら、ずっと黙ってるつもりだったでしょ。
……ふふ。 図星。 目、逸らした。
別に、責めてるわけじゃないよ。 あなたのそういうとこ、分かってて好きなんだから。 痛みを、ちゃんと痛みとして他人に渡せないところ。 飲み込んじゃうところ。
……でもさ。 私の前では、飲み込まなくていいよ。
ここに、置いていきなよ。 紙で切られた、っていう、その小さい痛みを。
私が代わりに覚えとくから。 二年前の桃の缶詰みたいに、ちゃんと覚えとくから。
……ね。 もう一回、見せて。 絆創膏。
……うん。 ちゃんと貼れてる。 あなた、こういうとこは器用だよね。
……このまま、しばらくこうしてていい?
ううん、何もしないよ。 ただ、あなたの指、握ってるだけ。 絆創膏のとこは、押さえないから。 大丈夫。
……ふふ。 大人しいね、今日は。
いつもなら、もう手を引っ込めてる頃なのに。 今日は、置いたまま。
……痛かったの? そんなに。
……うん。 そっか。
じゃあ、もうちょっとだけ。 私のとこに、置いといて。
……ね、知ってる?
人の体って、痛みを覚えてる場所と、覚えない場所があるんだって。 同じ場所を何度も切ると、そこは痛みを覚えるようになる。 神経が、強くなるんじゃなくて、敏感になるの。
……怖い話でしょ。
だから。 同じ指を、何度も紙で切らない方がいいよ。 ……あなた、これ、二回目じゃない? 先月も、ここ、切ってなかった?
……ほら。 やっぱり。
ねえ。 もし、また切ったら。 ……今度は、ちゃんと、私に言って。
貼ってあげるから。 私の絆創膏で。
私の絆創膏、可愛い柄なんだよ。 あなた、嫌がるかな。 ……うん、嫌がるね、絶対。 でも、貼っちゃう。
そしたらあなた、一日中、私の柄の絆創膏つけて、打ち合わせ出ることになる。 ……ふふ。 想像したら、ちょっと面白い。
……あ。 笑った。
笑ったね、今。 やっと。
……うん。 そういう顔。 そういう顔の方が、好き。
……指、もう離していいよ。 はい、お返し。
……でも。 さっき、私が拍動を感じてた場所。 そこ、覚えといてね。
私の指の温度、まだ残ってるでしょ。 それが消えるまでの間は、私のこと、考えててよ。
……消えたら? 消えたら、また、触りに行くから。
その指。 利き手じゃない方の、人差し指。
絆創膏、新しいやつだよね。 朝はしてなかったでしょ?
……ふふ。 よく見てるな、って顔した。
まあね。 見るよ、そりゃ。 私、あなたの手のこと、結構好きだから。
骨が浮いてるところとか。 爪の形が、左右で微妙に違うところとか。 親指の付け根に、薄い傷跡があること。 あれ、いつのか覚えてる?
……覚えてないんだ。 私は覚えてるよ。 二年前の春。 あなた、缶詰のフタで切ったって言ってた。 桃のやつ。
ふふ。 そんな顔しないで。 別に、観察日記つけてるわけじゃないよ。 ただ、目に入っちゃうだけ。
……で、その絆創膏。 何があったの?
……紙で。 へえ。
紙で切るのって、地味に痛いよね。 浅いのに、深いところまで響く感じ。 あの、ピリッとした、後を引く痛み。
……今も、痛む?
……嘘。 痛むでしょ。 今、絆創膏の上から、別の指で押さえようとした。 無意識に。
ばれてる、ばれてる。 私の前で隠し事は無理だよ。 あなたの体、私の方がよく見てるんだから。
……あー。 ちょっと、それ貸して。
ううん、絆創膏はそのまま。 指、貸して。 ……うん、その指。
手首から先、預けて。 力、抜いて。
……そう。 上手。
……ね。 こうしてると、あなたの指、思ったより細い。 骨。 骨の感じが、ちゃんと分かる。
血、ちゃんと流れてるね。 指の腹の、ここ。 拍動、伝わってくる。 トクッ、トクッ……って。
……ふふ。 今、早くなった。 私が触ったから? それとも、絆創膏のところに息がかかったから?
……どっち?
……答えなくていいよ。 答えない方が、こっちは想像できて楽しいから。
ねえ。 紙で切った時のこと、思い出してみて。
どこの紙? ……書類。 そっか。
その時、あなた、たぶん舌打ちしたでしょ。 ……してない? じゃあ、息を、ふっ、て吐いた。 ……それも違う?
ふぅん。 我慢しちゃったんだ。 周りに人がいたから。
……ばーか。 そういうとこだよ、あなたの。
痛いって言わないで、自分で絆創膏貼って、何事もなかった顔して、午後の打ち合わせ出て。 で、私の前にも、何も言わずに座ってる。
私が気付かなかったら、ずっと黙ってるつもりだったでしょ。
……ふふ。 図星。 目、逸らした。
別に、責めてるわけじゃないよ。 あなたのそういうとこ、分かってて好きなんだから。 痛みを、ちゃんと痛みとして他人に渡せないところ。 飲み込んじゃうところ。
……でもさ。 私の前では、飲み込まなくていいよ。
ここに、置いていきなよ。 紙で切られた、っていう、その小さい痛みを。
私が代わりに覚えとくから。 二年前の桃の缶詰みたいに、ちゃんと覚えとくから。
……ね。 もう一回、見せて。 絆創膏。
……うん。 ちゃんと貼れてる。 あなた、こういうとこは器用だよね。
……このまま、しばらくこうしてていい?
ううん、何もしないよ。 ただ、あなたの指、握ってるだけ。 絆創膏のとこは、押さえないから。 大丈夫。
……ふふ。 大人しいね、今日は。
いつもなら、もう手を引っ込めてる頃なのに。 今日は、置いたまま。
……痛かったの? そんなに。
……うん。 そっか。
じゃあ、もうちょっとだけ。 私のとこに、置いといて。
……ね、知ってる?
人の体って、痛みを覚えてる場所と、覚えない場所があるんだって。 同じ場所を何度も切ると、そこは痛みを覚えるようになる。 神経が、強くなるんじゃなくて、敏感になるの。
……怖い話でしょ。
だから。 同じ指を、何度も紙で切らない方がいいよ。 ……あなた、これ、二回目じゃない? 先月も、ここ、切ってなかった?
……ほら。 やっぱり。
ねえ。 もし、また切ったら。 ……今度は、ちゃんと、私に言って。
貼ってあげるから。 私の絆創膏で。
私の絆創膏、可愛い柄なんだよ。 あなた、嫌がるかな。 ……うん、嫌がるね、絶対。 でも、貼っちゃう。
そしたらあなた、一日中、私の柄の絆創膏つけて、打ち合わせ出ることになる。 ……ふふ。 想像したら、ちょっと面白い。
……あ。 笑った。
笑ったね、今。 やっと。
……うん。 そういう顔。 そういう顔の方が、好き。
……指、もう離していいよ。 はい、お返し。
……でも。 さっき、私が拍動を感じてた場所。 そこ、覚えといてね。
私の指の温度、まだ残ってるでしょ。 それが消えるまでの間は、私のこと、考えててよ。
……消えたら? 消えたら、また、触りに行くから。
クレジット
ライター情報
デカダンスでメランコリーなお話しが好きです。
ご覧いただきありがとうございます。シチュエーションボイス等の台本を制作しています。
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素敵な作品作りのお手伝いができれば幸いです。よろしくお願いいたします。
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