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いつかふたりで青空を
written by 月野たけし
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  • 吸血鬼
公開日2021年06月30日 00:52 更新日2021年06月30日 00:52
文字数
4410文字(約 14分42秒)
推奨音声形式
ステレオ
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
OLもしくはヴァンパイア
視聴者役柄
OL
場所
主にOLのお姉さんの家
あらすじ
【登場人物】

お姉さん(24)…普通のOL。ショートカット。低音イケボのため男っぽく見られがち。
本人も時折そのような言動を見せることもあるが、実は結構乙女だったりする。でも料理は下手。

少女(322)…名門の吸血姫。金髪ロング。ヴァンパイアなのに結構気弱。
気弱改善に世界を回るよう父親から言われ、仕方なく諸国をフラフラしている。料理が上手。

【声劇バージョン】と【シチュボバージョン】の二種類あります。
【声劇バージョン】は、お姉さんと少女の二人芝居です。
【シチュボバージョン】は、ヴァンパイアの少女の一人芝居になります(声劇Ver. から少女のセリフを抜き出したものです)。
本編
SE コツコツと響く足音

少女「あの……すいません……(気弱な感じで)」

お姉さん「ど、どうしたの?(ひどく驚いた様子で)」

少女「お腹が……空いてしまって(気恥ずかしそうに)」

お姉さん「はあ?(呆れて)」

少女「血……」

お姉さん「ち、何?」

SE 倒れる音

お姉さん「あ、ちょ、ちょっと!」

SE ドアの音

少女「あれ……ここ、どこ……?」

お姉さん「私のうちよ」

少女「え? まさか家に入れてくれたんですか!?(嬉しい驚きの声で)」

お姉さん「う、うん。そんなに驚くこと? あ~、それとも、やっぱり救急車呼んだ方が良かったかな……?(気まずそうに)」

少女「救急車? とんでもない! そんなの呼ばなくっていいです(慌てて)」

お姉さん「そう? ならいいけど」

少女「素敵なお部屋ですね。落ち着いた感じで。ここならずっといられそう」

お姉さん「ずっと!? あなた居座るつもりなの!?」

少女「ずっといたらダメですか?(また捨てられるのを不安がって)」

お姉さん「ダメっていうか、帰るうちはないの?」

少女「帰るお城はありますけど、遠い外国にあるので」

お姉さん「外国……? お城……?」

SE お腹の鳴る音

お姉さん「まあいいわ。とりあえず何か作るわね。話はそれから」

少女「あの……」

お姉さん「何? 何かリクエストある?」

少女「もしリクエストしてもいいなら、お姉さんの血がほしいです。血、吸ってもいいですか?」

お姉さん「……ち? ちをすう? え、ちって、血液の血のこと?」

少女「そうです、そうです。血液の血のことです」

お姉さん「いや、そうですじゃないわよ。ダメに決まってるじゃない」

少女「ですよね~、ダメですよね~」

SE お腹の鳴る音

お姉さん「(頭大丈夫なのかしら、この子? やっぱり救急、ううん、いっそ警察に)」

少女「お腹……空いた……血……」

SE 倒れる音

お姉さん「きゃっ! またっ!?」

SE 冷蔵庫のドアの音

お姉さん「こんなのでいいのかな?」

少女「ぶえっ! ぺっ、ぺっ! な、何を飲ませましたかっ!?」

お姉さん「冷蔵庫にあるの忘れてた豚肉のパックに溜まってた血よ?」

少女「忘れてた豚肉のパックの血!? よりによってそれ!?」

お姉さん「だって、あなたがあんまり『血ぃ血ぃ』言うもんだから」

少女「わ、私はこう見えても名門ヴァンパイアの姫ですよ! 豚の血なんて飲みませんっ!」

お姉さん「そ、そうなんだ、ごめん。……って、ヴァンパイア???(ちょっと小バカにした感じで)」

少女「はい、ヴァンパイアです。吸血鬼です。アンデッドです。ノスフェラトゥです。知ってますか?」

お姉さん「知ってるけど……はぁ?」

少女「『……はぁ?』じゃありません。本物です」

お姉さん「本物なんだ。よかったね。ハロウィンか何か?」

少女「ハロウィンは10月ですっ。あと、コスプレじゃありませーんっ!」

お姉さん「コスプレじゃないの? じゃあ証拠見せてよ?(ちょっと揶揄う感じで)」

少女「しょ、証拠ー? 仕方ないですね。じゃあ包丁貸してください」

お姉さん「包丁? そんなもので何するのよ?」

少女「貸してもらった包丁で首筋を切ります」

お姉さん「貸せるわけないでしょ!」

少女「貸してくれないなら証明出来ません」

お姉さん「だいたいなんで首を切ったら証明になるのよ? 死んじゃうじゃない」

少女「大丈夫です。人間さんなら首を切ったら即死ですが、私は死にません。なんせ不死身のヴァンパイアですから(自慢する感じで)」

お姉さん「全部あなたの妄想だったら、あなたは首を切って死んで、私は刑務所行きよ」

少女「妄想なんかじゃありません。じゃあ、指先だけ。それならいいでしょ?」

お姉さん「ま、まあ、それなら……って、言いわけあるかぁっ!」

少女「指さえもダメなんですか? ああ言えばこう言う。困ったひとですね(ぷんすこした感じで)」

お姉さん「あなたみたいに綺麗な肌の女の子、指先だけだってダメに決まってるじゃない」

少女「え、肌が綺麗? 随分唐突ですね。わたくしの肌、そんなに綺麗ですか?」

お姉さん「うん。でも……あなた。え? どういうこと? あれだけ顔色悪かったのに、ちょっと血色良くなってない?」

少女「豚の血を飲んだからでしょうか? うう、豚の血で元気になってしまうなんて、末代までの恥ですよ」

お姉さん「まさか、本当にヴァンパイアなの? いやいや、何言ってんだ、私」

少女「だから本物のヴァンパイアだって言ってるじゃないですか」

お姉さん「本当に人間の血を吸ったら元気になるの?」

少女「ちょっとでもダメですか? 蚊に刺されたと思えば。ね、ほら? 大丈夫ですよ、ちょっとチクッってするだけですから」

お姉さん「やっぱり首筋に噛みつくの?」

少女「はいっ、首筋に噛みついてチュウチュウ吸います(吸わせてくれる展開になってきたのを感じて嬉しそうに)」

お姉さん「本当に蚊が刺した程度? チクッとするだけ? まあ、それなら、試しに……はい、どうぞ(おずおずといった感じで)」

少女「本当ですかっ!? ありがとうございますっ! はむっ!」

SE 倒れる音

少女「きゃぁっ! ごめんなさいっ、ごめんなさいっ! あんまり美味しくって吸い過ぎちゃいましたっ!」

お姉さん「うえ、気持ち悪い……貧血のときみたい」

少女「本当にごめんなさい。お詫びに貧血によく効くお料理作りますねっ!」

お姉さん「りょう、り……? そんなの、出来る、の?」

少女「まかせてください。横になっていていいですよ」

お姉さん「でも……材料が、ないよ?」

少女「冷蔵庫に……う~わ、見事に何もない」

お姉さん「普段外食とかコンビニのお惣菜とかばっかりだから」

少女「私、大急ぎで食材買ってきますねっ!」

SE 靴を履く音

お姉さん「あ、あの、お金……」

少女「大丈夫です、お金はいっぱい持ってますっ!」

SE ドアの音

お姉さん「……いっぱい?」

SE 料理の音(野菜を切る、炒める、肉を焼くなど連続で)

少女「はい、おまたせしました。お口に合うといいんですけど……」

お姉さん「んっ! 美味しいっ!」

少女「美味しいですか? 良かった!」

お姉さん「どうやったらこんなに美味しく作れるの?」

少女「普通に作っただけなんですけどね」

お姉さん「これ食材はどこで買ってきたの? コンビニ?」

少女「食材はスーパーで買ってきました。ちょうどまだ開いてるところがあったので」

お姉さん「行って帰ってきた時間から計算すると、まさかそれって高級スーパーのことなんじゃ?」

少女「高級スーパー、ですか? うーん、普通のお値段でしたけど」

SE ゴミ袋をガサガサする音

お姉さん「ぎゃーっ! たっか! 何これ、高級食材じゃん! 美味しいはずだわ!」

少女「何はともあれ、美味しかったのなら良かったです」

お姉さん「本当にヴァンパイアで、本当に名門のお姫様なんだね……」

少女「(あくびを噛み殺して)美味しい血をいただいて、運動したら眠くなってきましたわ」

お姉さん「もう寝る? どこで……」

SE ベッドに倒れ込む音

お姉さん「そこ私のベッドなんですけど!?」

少女「ふふふっ♪」

お姉さん「……一緒に寝るかぁ。仕方ないなあ」

少女「むにゃむにゃ……おやしゅみ……ママ」

お姉さん「って、もう寝てるじゃん。さっきの笑い声も寝言?」

SE 布団に潜り込む音

お姉さん「ねえ、これから一緒に暮らす?」

少女「(気持ちの良さそうな寝息)」

お姉さん「あ、でも、一緒に暮らすなら、今後食材は私のお金で安いスーパーにしなきゃ」

SE 照明を消す音

お姉さん「おやすみ、お姫様」

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SE コツコツと響く足音

「あの……すいません……(気弱な感じで)」

「お腹が……空いてしまって(気恥ずかしそうに)」

「血……」

SE 倒れる音

SE ドアの音

「あれ……ここ、どこ……?」

「え? まさか家に入れてくれたんですか!?(嬉しい驚きの声で)」

「救急車? とんでもない! そんなの呼ばなくっていいです(慌てて)」

「素敵なお部屋ですね。落ち着いた感じで。ここならずっといられそう」

「ずっといたらダメですか?(また捨てられるのを不安がって)」

「帰るお城はありますけど、遠い外国にあるので」

SE お腹の鳴る音

「あの……」

「もしリクエストしてもいいなら、お姉さんの血がほしいです。血、吸ってもいいですか?」

「そうです、そうです。血液の血のことです」

「ですよね~、ダメですよね~」

SE お腹の鳴る音

「お腹……空いた……血……」

SE 倒れる音

SE 冷蔵庫のドアの音

「ぶえっ! ぺっ、ぺっ! な、何を飲ませましたかっ!?」

「忘れてた豚肉のパックの血!? よりによってそれ!?」

「わ、私はこう見えても名門ヴァンパイアの姫ですよ! 豚の血なんて飲みませんっ!」

「はい、ヴァンパイアです。吸血鬼です。アンデッドです。ノスフェラトゥです。知ってますか?」

「『……はぁ?』じゃありません。本物です」

「ハロウィンは10月ですっ。あと、コスプレじゃありませーんっ!」

「しょ、証拠ー? 仕方ないですね。じゃあ包丁貸してください」

「貸してもらった包丁で首筋を切ります」

「貸してくれないなら証明出来ません」

「大丈夫です。人間さんなら首を切ったら即死ですが、私は死にません。なんせ不死身のヴァンパイアですから(自慢する感じで)」

「妄想なんかじゃありません。じゃあ、指先だけ。それならいいでしょ?」

「指さえもダメなんですか? ああ言えばこう言う。困ったひとですね(ぷんすこした感じで)」

「え、肌が綺麗? 随分唐突ですね。わたくしの肌、そんなに綺麗ですか?」

「豚の血を飲んだからでしょうか? うう、豚の血で元気になってしまうなんて、末代までの恥ですよ」

「だから本物のヴァンパイアだって言ってるじゃないですか」

「ちょっとでもダメですか? 蚊に刺されたと思えば。ね、ほら? 大丈夫ですよ、ちょっとチクッってするだけですから」

「はいっ、首筋に噛みついてチュウチュウ吸います(吸わせてくれる展開になってきたのを感じて嬉しそうに)」

「本当ですかっ!? ありがとうございますっ! はむっ!」

SE 倒れる音

「きゃぁっ! ごめんなさいっ、ごめんなさいっ! あんまり美味しくって吸い過ぎちゃいましたっ!」

「本当にごめんなさい。お詫びに貧血によく効くお料理作りますねっ!」

「まかせてください。横になっていていいですよ」

「冷蔵庫に……う~わ、見事に何もない」

「私、大急ぎで食材買ってきますねっ!」

SE 靴を履く音

「大丈夫です、お金はいっぱい持ってますっ!」

SE ドアの音

SE 料理の音(野菜を切る、炒める、肉を焼くなど連続で)

「はい、おまたせしました。お口に合うといいんですけど……」

「美味しいですか? 良かった!」

「普通に作っただけなんですけどね」

「食材はスーパーで買ってきました。ちょうどまだ開いてるところがあったので」

「高級スーパー、ですか? うーん、普通のお値段でしたけど」

「何はともあれ、美味しかったのなら良かったです」

「(あくびを噛み殺して)美味しい血をいただいて、運動したら眠くなってきましたわ」

SE ベッドに倒れ込む音

「ふふふっ♪」

「むにゃむにゃ……おやしゅみ……ママ」

「(気持ちの良さそうな寝息)」
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
いつかふたりで青空を
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
月野たけし
ライター情報
 主に男性向けシチュエーションボイスのフリー台本を書いています。
 たまに小説も書きます。
 ヴァンパイアとヤンデレが大好物。
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