魔法使いのあなたはある日ひとりの弟子をとった。
男勝りでしっかり者の弟子とグータラでいつも気だるげな師匠のあなた。
最初こそは優秀な魔法使いとして尊敬されていたあなたでしたが、経営してるお店にいつもガラクタを持ってきたり、ズボラなあなたに徐々に弟子である彼女の対応も雑になっていく…
そしてそんなある日、あなたはある目的の為に出ていた旅先から帰還するのですが…

ベルの音)

あ、いらっしゃいませーーって、なんだお師匠様ですか

おかえりなさいませお師匠様、今回の旅は随分と長かったみたいですね。何か収穫はありましたか？

……お師匠様、またゴミを拾ってきたのですか！？

ゴミじゃない…？この苔の生えた石がですか？

魔力がほんのり宿っている…ですか。まぁ確かにそうですか、こんなのその辺探せばいくらでも見つかりますよ。まだ四葉のクローバーの方が珍しいです

な、なんでそんな悲しい目をするのですか！まるで僕がひどい事を言ってるみたいではありませんか！悪いのはお師匠様です！全く…このままだと今月も赤字ですよお師匠様

随分楽観的ですね。あのですね…このお店に人がなんで来ないか分かりますか？

辺境にあるから？違います！このお店の商品がどれもこれもお師匠様が拾ってきたガラクタだからです！！

僕ら魔法使いにとってこの場所は別に辺境でもなんでもありません。人間界で言う近所のコンビニレベルですよ

…あぁ弟子入りする場所間違えたかなぁーーほんとに！来る前はすっごい魔法使いだって聞いたから、楽しみにしてたのに…初日から旅に出ていないし、帰ってきた矢先に自分が張った結界に引っ掛かるし…本当に魔法使いか疑いたくなります

こんなんじゃ僕、魔女試験に合格出来ませんよーー

…って、なんですかこれ…丁寧に包んで…いつも床に物をほったらかしなお師匠様にしては珍しい…

え、プレゼントですか？…それはそれは、ありがとうございます…

その…開いてみてもよろしいですか？

…それでは…失礼して…

ーーーーーーーーーーーーー

…これは、指輪…ですか？とても綺麗です…

え、はめるんですか？…わかりました

こ、これ…なんですかお師匠様！そ、その…これまで感じたことのない魔力を感じます…

魔力を極限まで凝縮した魔石の指輪…身に付けている者の魔力を強化して、より強力な魔法をコントロールできるようになる…ですか？

お師匠様。お気持ちは大変嬉しいのですが…このように貴重な物…流石に受け取れません…お師匠様が持つべき物です…僕のような未熟者が持つべき物では…

…これは僕が持つべき物…って、どう言う事ですか？

…え、僕がもう合格？…待ってください、確かに僕は初めてお師匠様に所に来た時より、今の方が成長はしているはずですが…それでも…まだ僕はお師匠様に勝っていません！

…え、弟子を持った魔法使いの真実を知ってるかですか？し、知りません…

……え、弟子を持った魔法使いは最後のその弟子に己の魔力の全てを凝縮した魔石の指輪を渡すって……そ、それって…まさか……この指輪…ですか？

…そんな、じゃ、じゃあお師匠様はこれからどうするんですか！魔力がなくなったら、どうやって生きていくんですか！

それは今から考えるって、待ってくださいよ！僕、嫌ですよ！お師匠様！

だって…僕、お師匠様のことが大好きなんですよ…？た、確かにお師匠様はドジで、商売の才能が無い魔法使いかですが……見ず知らずの困った人を助けて、どれだけ自分が傷つこうが誰かを守る最高の魔法使いです！

僕はそんなお師匠様が大好きです！一緒にいて楽しかったんです！こんな僕を置いてくれて、沢山のことを教えてくれたあなたが大好きです！離れたくありません…僕は…僕は…あなたのことが好きです…

抱きつく)

…お師匠様ぁ…僕、僕…恩返ししたいんです。僕に沢山の物を与えてくれたあなたに、今度は僕が…お返しをしたいんです…離れたくない…離れたくないんです…だって…大好きなんだもん…

…やだ離れたくない…もう二度と離れたくない…お師匠様は僕のなんだもん…

押し倒される)

お師匠様……僕もうあなたと離れたくないんです…あなたがお外に行く度にどれだけ辛い思いをしたか！

…もうこの思いを隠す必要無いですよね…お師匠様愛しています

キス)

…抵抗…しないんですかお師匠様？それとも出来ないんですか…？

ふふふ、そうですか。もう抵抗も出来ないのですか、なら…これからは僕がお師匠様のことをお世話します。今までくれたあなたからの愛情を…たっぷりと永遠に死ぬまで返し続けます

お師匠様…これからもよろしくお願いします

キス)

・台本（ゆるボイ！）
ツンなボクっ娘見習い魔法少女に卒業を言い渡したらヤンデレ化した
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
ゆぅ