おー、目ェ覚めたか？

んだよ、急に頭上げなくていいだろ。

とりあえず、じっとしてろって。

少なくとも、無傷じゃねえんだから。

流石にお前でも、あの大物ドラゴンはキツかったろ？

グラム様の力が無かったら危なかったな。

ひひっ、まーな。

ドラゴンスレイヤーの聖剣と言やぁ、このあたしだからな。

だーかーらー、まだ寝てろって。

一応手当てはしたけど、まだ完治してねーんだから。

にしても、お前もよくこんな連日戦い続けられるよな。

へー…天界の神々と地獄の悪魔どもに魅入られた、裏切り者の人間を許せねえ、と。

なに、そいつらをぶっ倒すことが目的なの？

あー、なるほどな。

地上をめちゃくちゃにした神と悪魔は、お前にとってどっちも許せねえ存在ってわけだ。

あっ……てことはあれか！

天界と地獄、両方に喧嘩売りに行くってことか！

へー！面白そーじゃん！

ぜひ、あたしにも協力させてくれよ！

天界にも地獄にもドラゴンは存在するからな！

ぜってー、あたしの力が必要になると思うぜ！

へへっ、そうこなくっちゃ！

あー、今から楽しみだ！

存分に暴れられるってこったろ⁉︎なっ、なっ⁉︎

あー、わりわり。つい興奮しちまった。

強えー相手と戦えるって分かったら、なんか血が煮えたぎってしまってよ。

ちなみにその裏切り者の人間ってのは、お前とどーいう関係なんだ？

へー、元親友…なるほど、そりゃ許せねえわけだ。

じゃ、尚更あたしの力が必要だな。

なんでって…

そりゃそいつが、ドラゴンタイプの神や悪魔と契約結んでるかもしれねえだろ？

龍殺しに特化したあたしなら、一撃で葬れるぜ。

あったりまえだろー？

あたしはお前の聖剣で、ダチなんだから。

いくらでも力になってやるぜ。

あー、あとついでに贅沢を一つ言うなら、あたしと全面的に契約してくれると助かるかなー、なんて…

あん？何言ってんだ、お前？

デュランダルの加護？あのチンケな結界のことか？

邪魔だったし、ぶっ壊しちまったよ、そんなもん。

んなことよりさ、どーなんだよ。

あたしにお前の全部、預けて見る気はねえか？

そうすりゃ、ドラゴンどころか神や悪魔だってぶっ潰せる力が手に入るぜ？

おいおい…

仮にも女にここまで言わせといて、そりゃねーだろーよ。

よ、要するにだな…

人間の言葉でいう、け、結婚しようって話なんだから…

マジかよ…くそっ、なんでだよ…！

他の聖剣の野郎ども、あたしのダチに妙なこと吹き込みやがったな…！

ぜってー、許せねぇ…！

おい、ちょっと顔貸せ。

(キス)

わりー…なんか我慢できなくなった。

お前のこと、ダチとしてだけじゃなくて、生涯のパートナーとしてもアリかなって思ったんだ。

ここまであたしの力を引き出してくれた奴は初めてだからな。

こっから先、お前以上の奴に会える保証もねーし…

だからよ、先に唾つけさせてもらったぜ。

さっきので、グラム様の加護を与えてやったからよ。

今のお前なら、素手でもドラゴンと渡り合えるぜ。

あ、でも連中と戦う時はぜってーあたしを呼べよ！約束だからな！

…これ以上、あたしのダチに手ェ出すってんなら、アイツらも容赦しねえけど。

いや、なんでもねえ。

とりあえず今はあたしの膝の上で休んどけよ、な？

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな聖剣に愛され過ぎて道具をただの道具として見られない〜盟友・グラム編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎