ねぇ…どうしたの？

惨めったらしくうずくまって…らしくないよ。

へぇ…大魔王相手に力の差を思い知ったから泣いてるの？

そうだね。君がもっと強ければ、君の親友二人もそれぞれ神と悪魔に魂を売ったりしなかっただろうね。

うん。君に足りなかったのは、大事な人を繋ぎ止めるだけの力。

絆を繋ぎ止める力…それが今も全然足りてない。

その証拠に、君はわたしたち道具に振り回されてる。

ふふふ…君、ダサいね。ホントにダサいよ。

道具を扱ってるつもりが、逆に道具に扱われていたなんて…

ふふふっ…あははははっ！

ダッサwダサすぎてウケるんだけどw

あーぁ…でも分かるよ？君の気持ち。

最初は情にほだされないように、「コイツらは道具だー」って、自分に言い聞かせてたんでしょ？

でも、みんなから好意を寄せられていくうちに、君はあたしたちをただの道具だって割り切れなくなった。

道具だけど、人であり女でもあるって、分かっちゃったんだ。

分かっちゃったっていうか、最初から分かってたんだよ。君は。

分かってたのに、その現実から目を背けた結果がこれ。

そ。配下の悪魔を心から受け入れてる大魔王に、君ごときが敵うはずなかったってこと。

ん？……あらら、囲まれちゃったね。どうする？

どうすればいいって…

それ、こっちが聞いてんじゃん。

つーかさぁ、このままだとホントに殺されるよ？

それでもいいの？

なーんも出来ずに、ただここで犬死にするだけの人生なんてさ…

みんな悲しむだろうなぁ…失望するだろうなぁ…

自分たちが好いていた男が、この程度だったなんて知ったら。

ね、今何考えてる？

みんなの気持ちに応えたい？

自分を裏切ったかつての友人を殺したい？

それとも…自分を苦しめるだけの理不尽な世界をぶっ壊したい？

ふふっ…そうそう。

自分の心に聴いてみて？

君が本当に望んでいること…あたしに言って？

三つ、叶えてあげる。

ほら、魔王様が待ってくれてる間に…

うん…それはそうだね。

この状況を打破するにはそれしかないよね。

で？二つ目は？

ふふ、なるほどね。

みんなの愛をまとめて受け入れるには、それくらいでちょうどいいんじゃないかな？

最後、三つ目だけど…

最後の願いを口にしたら…君、死んじゃうよ？

うん。三つの願いの代償は君の命。

タダで叶えられる願いなんてないってこと。

あたしが君に求めるのは、それだけだから。

それとも命が惜しい？ん？

…ぷふっ、あははっ！あははははははは！

あはは…あー、おかし！それ、本気⁉︎

さっきのは冗談半分だったんだけどなぁ…！

ふふふ…いいよ、それも叶えてあげる。

もう口に出しちゃったから、前言撤回は無しね？

はいはい、りょーかい。これで契約完了ね。

それじゃ、あたしからも一言。

(キス)

君のことが好き。愛してるよ。

ふふふ…あたし、ずーっとこの時を待ってたんだぁ…

君が膝をついて無様な醜態晒すの、ずっと待ってた。

それくらい心折れとかないと、君、絶対あたしの言葉聞かないしね。

君の全部を手に入れるためには、やっぱその命をもらうしかないと思って。

ホントはもっと早く君を手に入れたかったんだけど…

でも今までの君なら、あたしが願いを叶えるって言っても、首を縦に振らなかっただろうし…

だから待った。めちゃくちゃ待った。

君が他の子とイチャイチャしてるのを見んのは、ガチで苦痛だった。

正直、殺してやろうかと思った。

しかも君が自分の本心押し隠して、みんなのこと道具呼ばわりするもんだから、余計腹立ったし。

けど、我慢の日々もこれで終わり。

欲しかったものがやっと手に入ると思うと…ふふっ♪

あー、ダメだ！顔のニヤケが止まんない！

さ、始めよっか。

あたしたちだけの世界をつくるための戦いをね…♪

ふふふっ…あははっ！あはははははは！

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな妖剣に愛され過ぎて道具をただの道具として見られない〜疫病神・ティルフィング〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎