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泊めて、そして、愛して。
written by 夜木嵩
  • 甘々
  • 片思い
  • 友達
  • お泊り
公開日2022年01月25日 19:12 更新日2022年01月25日 19:12
文字数
2284文字(約 7分37秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
彼を想う女子大学生
視聴者役柄
男子大学生
場所
男宅
あらすじ
いきなりあなたの家に訪れた同じ大学の女友達。
何か事情があるようで、今夜だけでも泊めて欲しいとのこと。
特に拒否する理由もないので、あなたは彼女を泊めることに。
その夜中のお話。
本編
 (インターフォン)
 (男、扉を開ける)

いきなり、ごめんね?
しかもこんな夜遅くに。

端的に言うと、泊めて欲しい。
無理は言わないから、今夜だけ、寝る場所さえくれればいいから。

何かあったのかって、それは、ちょっと……。
だから、家族には言わないで欲しいな。
……お願い。

ありがとう、後でお礼、君の求めることなら何でもしてあげるから。
いいんだよ? 君はこれで私の恩人なの。
遠慮とかいらない。

まあ、そのお礼については後で考えてくれればいいよ。
本当に何でもいいから。

ご飯は食べたから、用意しなくていいよ。
朝も、自分でどうにかするし。
いやいや、君に迷惑はかけられないもの。

迷惑でも何でもない?
そ、そんなことないでしょ。
だとしても、私が申し訳ないっていうか……

えっ、何でもしてあげるとは言ったけど、ここで使うのは違うって……

わかった。
君に甘えて朝ごはんは食べるけど、今のはお礼としてはノーカンだよ。
もっと、君に尽くせるものとか、君に価値のあるお願いに使って。

それで、寝る場所、どうしよっか。
君は遠慮して私にベッドを譲るつもりだろうけど、突然押しかけて来たような私に気を遣うことなんてないからね?

そうだな、もし私をベッドに寝かせるんだったら、君のこと引き摺り込んで、そのまま朝までメークラブ。って忠告するよ。
私はどこでも、君の言う場所に眠るから。

あ、ここのソファーでいいの?
わかった。
君は、もう寝る感じ?

あ、いいのいいの、構って欲しいとかじゃないし、家主の睡眠の妨げはしたくないから。
私も結構眠いんだ。

今日は、こんなわがままに応じてくれてありがとう。
君は、本当に優しい人だね。
君がいなかったら私、今夜どうしてたんだろう。

だから、今日は本当に助かったよ。
お礼は、絶対するから。

うん、おやすみ。

 (間)

 (ここから小声)

うーん、一時間ぐらい君が来てくれることを期待して、寝たふりを続けてたんだけど、来ないと思って私の方から来てみれば、本当に寝てるなんて……

でも、それもそっか。
君って、乱暴なことできないぐらい優しいんだもん。
もしかしたら、ベッドの上で悩んでたのかも。

それにしても、本当に可愛い寝顔だなぁ……
瞳に焼き付けておきたい。

あ、写真、撮っちゃお。
えへへ。眺めてるだけで私の口元が緩んでくる気がする。

 (シャッター音)

……起きて、ないよね?

 (間)

多分、大丈夫なはず。

……入って、いいかな?
君から求めてくれないのが悪いんだから、これくらい、許されるよね……?

大丈夫、たぶん大丈夫。
大丈夫じゃなかったら私のこと泊めてくれてないよ。
さっきの冗談だって本気で嫌がってなかったし、ベッドに入るくらい問題ないはず。

それじゃ、お邪魔しまーす……

 (女、ベッドに入る)

んふふっ、気付いてない。

こんな至近距離で君の無防備で可愛い寝顔が見られるだなんて幸せだよぉ……

そ、そもそも、今私、き、君と、同じベッドの中にいるんだ……!

んーーーーーっ!!

って、そんな声出したら起きちゃう起きちゃう!
落ち着け私、私落ち着け!

 (小声ここまで)

……無理だよぉぉ!

 (男、起きる)

あっ、お、起きちゃった……。

ご、ごめん。
うるさくし過ぎたかな。
つい、はしゃいじゃった。

え、何で一緒のベッドの中にいるのかって?

 (笑って誤魔化そうとする)
……えへへ。

あ、誤魔化せない?
そ、そりゃそっか。

そうだな、なんというか、君が悪いんだよ?

むーっ、まるで何のことかわかってなさそう……
私は寝ないで期待してたのに。

話したいこと?
そんなことじゃないよ。
もっと、大胆なこと。

でも、君じゃ悩んで結局何にもできないっていうのは、想像通りかも。
そもそも私みたいに君が好きでもなかったら、ただの女性に乱暴を働く最低な男になっちゃうから、難しいか。

いいんだ、君には女心を正確に見抜いて、勇気のいる行動をさせるような難しいこと、いくらなんでもハードルが高すぎるかもって思ってたから。

だからね、私から来たんだ。
この人生最大のチャンスをもらったからには、逃すわけにはいかないでしょ?
据え膳食わぬは女の恥ってとこかな。

え、そうだね。
君が据え膳ってことになるけど。

だって、今夜、ここに泊めてくれたのって、そういう……

えっ……そうなの?
そうなんだ、君ってそんなにも鈍感さんだったんだ。

いい?
男女で家に泊めるっていうのは、おおよそそういう意味があるんだから。
例えば、今みたいに。

だけど、当の君がそんな意識だとは……

何? 私に特別な事情があるように見えた?
あー、確かに、玄関前でそんな感じを装った気がする。
ごめん、あれ、嘘なの。

だけど、本当になにか事情があったとして、君の家に泊めてもらおうっていう時でも、私は受け入れてるって意味だから。
君がいいよって言った時点で、私はそういうことについて、いいよって言ってるものだって解釈するけど。

ううん、駄目だよ?
君がそのメッセージを発したからには、無意識だとしても取り消せないんだ。
というより、ここまで来た私は後に退くつもりなんてないから。

折角抱き締められるくらいの近さまで詰め寄ったのに、みすみす君を逃すなんてもったいないことできないよ。

それに、君にそんなつもりがないとしても、嫌いな人のこと泊めたりはしないでしょ?
プライベートな空間晒すなんて、簡単にしてあげられるものじゃないはずだし。

だから、いいよね?
君が嫌って言うなら、それは強引にしたりはしないけど……

お願い?
ここで使うの?

「明日、午前から授業あるから、ちょっとにして」か。
拒否、されるのかと思ってひやひやしてた。

いいよ。こういうことは、自分勝手にすることじゃないし。
じゃあ、もう夜も遅いし、ほどほどに君と、ね。

その代わり、今回限りなんて、言わせないよ?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
泊めて、そして、愛して。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
夜木嵩
ライター情報
ヤンデレとか書きます。

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