今日は後輩女子にデートに誘われた。
集合時間より早く着いたが、後輩は既に待っていた。
しかし、その顔はどこか曇っていて・・・
というお話。

（電話の音）

「もしもし、先輩？
いつものお電話ですよ。

今日は先輩にお願いがあるんです。」

「最近冷えてきたじゃないですか。
なので、暖かい服を何着か買いたくて。」

「荷物が多くなりそうなので、先輩に荷物持ちしてほしいんです。
もちろん、お昼代くらいはお礼に出しますよ。」

「いいんですか？・・・やった（小声）。

それじゃ、明日の１０時にショッピングモール待ち合わせでどうですか？
はい。よろしくお願いします。それでは。」

（後輩女子先についている。ザワザワ的な効果音）

「ちょっと早く着きすぎちゃったかな。

・・・前髪、変じゃないよね。
服も悪くないはず。昨日あんなに悩んだんだから。

・・・逆に、気合い入れすぎって思われちゃうかな？」

「やめやめ。今更気にしたって仕方ないんだから。
おとなしく先輩を待ってよう。」

「ん？・・・ああ、久しぶり、だね。
中学校以来だ。」

「そ、そう。友達と買い物。
・・・やめてよ。そんなんじゃないってば。

かわいい？良かった。ありがとう。」

「え？・・・ああ、まあ、声は、ね。
低いままかな。

そ、そう。相変わらず可愛くなくて、困っちゃうよ。」

「うん・・・それじゃあ。
・・・そうだね。またみんなにも会いたい、ね。

ばいばい。」

「はあ・・・。
まさか、こんなところで会うとはね・・・。」

「・・・やっぱり、この声は、可愛くないよなぁ。」

（このセリフは自信なさげに）
「あ、先輩。お疲れ様です。
いえ、今来たところですよ。

・・・え？声小さい、ですか？
そんなこと、ないと思いますけど・・・。」

「いや、浮かない顔なんて別にしてませんって。
何にもないです。早くいきますよ。」

「・・・はあ。先輩も頑固ですね。

いいですよ。別にどうしても隠したいことじゃないですし。
何があったか教えます。」

「そこのカフェ、入りましょうか。」

～カフェにて～

「あ、はい。アイスティー私です。
ありがとうございます。」

「って先輩。砂糖入れすぎ。
それもうコーヒーじゃないですよ。」

「そんなことよりって・・・まあ、いいですけど。

・・・大したことではないんですよ。」

「先輩を待っている間、たまたま中学の子に会ったんです。

その時に、やっぱり声のことを言われまして。」

「先輩が変なだけで、普通は可愛くない、女の子らしくない声だってことを再認識して、
少しナーバスになってるだけです。

そのうち治るから大丈夫ですよ。」

「え？それでも私の声が好き、ですか？
いやいや、今はそんな下手な励ましは・・・。

って！先輩やめてください！
私の声の良さを語らないでください！

他のお客さんもいるんですから！」

「はあ・・・。まったく・・・。」

「・・・でも、そう、ですよね。
先輩は私の声大好きですもんね。

私には、それだけでいいのかも。」

「よし。先輩、もう大丈夫です。

時間も押しちゃいましたし、買い物に行きましょう！
しっかりと荷物持ち、やってもらいますからね！」

～買い物が終わったよ～

「結構買っちゃいましたね。荷物持ち、お疲れ様です。」

「私の家はこの辺なので、後は自分で持っていけます。
はい。ありがとうございました。」

「・・・あの！先輩。
来週末、いつもの部室で会いませんか。」

「そこで、伝えたいことがあるんです。
・・・とても大事なこと。」

「・・・もしかしたら、先輩ももう気が付いているかもしれないけど。
ちゃんと私の言葉で伝えますから。」

「はい。それじゃあ、詳しい予定はまた後で。

今日はありがとうございました。さようなら。」

～ちょっと間を置く～

「約束・・・しちゃったな。
もう、逃げ場ないや。」

「はぁ～・・・すごくドキドキする。
でも、楽しみだな。
でも、ちょっと、怖いな。」

「どうなるかはわからないけど、ちゃんと伝えよう。
だって、私の本当の気持ちだから。」

「待っていてくださいね。先輩。」

・台本（ゆるボイ！）
低音コンプレックス後輩女子とデートしよう！【低音後輩女子３】
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ありまびぃばぁ