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怠惰な悪魔さんはあなたをなまけさせたいようです
written by ソライヌ
  • 悪魔
  • 使い魔
  • ダウナー
  • 人外 / モンスター
  • サキュバス / 淫魔
  • 百合
  • 誘惑
公開日2022年02月18日 21:55 更新日2022年02月18日 21:58
文字数
2096文字(約 7分0秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
指定なし
演者人数
1 人
演者役柄
怠惰な悪魔
視聴者役柄
真面目で頑張り屋なニンゲン
場所
あなたの自宅
あらすじ
あなたが家に帰宅すると、見知らぬ誰かが勝手にくつろいでいた。
不審になりながらも話を聞くと、その異形の存在は「怠惰」の悪魔を名乗りだして…
本編
いよう!おかえり。
勝手にお菓子食べたりテレビ見ながらよろしくやってるぜ〜。
あん?なんだよ?そんな変な顔しやがって。
まるで不審者を見つけた時みたいな顔してんじゃないか。
まぁ、あれだろ?アンタが聞きたいのはアタシが誰なのかってところだろ?
そうだなぁ…どこから話せばいいんだろう…
とりあえずほら…アンタもそんなところに突っ立ってないでさ、コッチに来て座りなよ。
別に堅苦しい話をしに来たんじゃないし、ほらクッションとお菓子もやるから、リラックスして聞いてくれよ。
「そもそもここは自分の家」だって…?まぁ確かにそうだけど、細かいことは気にすんなって。

(お菓子を食べながら)

(小声で)
あ…このクッキーめっちゃ美味いな…新作か…

ああゴメンゴメン。ちゃん話すからそんなに怒らないでよ。
そうだね、まどろっこしいのはメンドクサイから単刀直入に言うよ。
アタシはね「悪魔」なんだ。アンタたちニンゲンとは違う異形の存在、それが悪魔だ。
まぁアンタがさっきからジロジロ見ているこめかみに生えてる角とか腰から伸びてるしっぽも本物だよ。
そもそも鍵のかかった部屋に跡形もなく勝手に忍び込めるのなんて、ニンゲンの力じゃ出来ないもんな。
いいかニンゲン、悪魔ってのはな、アンタたちの契約をなくしては生きていくことが出来ないんだ。
悪魔の人知を超えた力をもって契約者の欲望を叶え、その代わりに生きていくうえで必要な生命エネルギーを分けてもらうってのが寸法だ。
ほとんどの悪魔は不要なエネルギーを消費してしまわないよう、モノや道具に宿ったり化けてみたりして、契約をしてもらえる日を今か今かと待ちわびているんだよ。
が、これはあくまでも大多数の話。ごくわずかだが例外もいるんだ。
その例外に当たる分かりやすい例が…アタシってことになるな。
アタシは何の因果か「怠惰」の性質を強く受け持ってしまってな。

…メンドクサイんだよ。何をするにも。
契約するのに力を使うこともメンドクサイ、気に入らないニンゲンにこびへつらって生きなくちゃいけないのもメンドクサイ、悪魔として生きるうえで必要なことが…めんどくさくてたまらないんだ。
そんなんだからさ、適当なモノに宿ってずっと眠ったまま消えちまうのも悪くないなんて思ってたよ。
だけど、こんな例外でも契約以外で生きていける方法がある。
それはな…ニンゲンに憑りついてしまうことだ。
対象にしたいニンゲンに憑りついて、悪魔の性質をじわじわと魂に流し込む。
そうすることで、そのニンゲンは悪魔の性質を受け継いで、無意識にアタシたち悪魔の望む行動を取るようになる。
そうして得たエネルギーを糧に生きていける…ってわけ。
性質の反転はなるべく大きい方がより多くのエネルギーを得ることが出来る。
「怠惰」を司ったアタシの受け継いだアタシの場合なら…真面目で、努力家で、体や心を壊しても頑張ることをやめない、そんな熱意あるニンゲンが好ましいな。
さて、そんなニンゲンに心当たりはないか?

…ピンポーン!大正解!アタシはね、アンタに憑りついていたんだ。
それもつい最近のことじゃない。
夢に向かって頑張るアンタにアタシが憑りついたら、どんな姿になり果てるんだろうとワクワクしていたよ。
でも、アンタはそれでも全くと言っていいほど怠けることはなかったなぁ。
アンタはただ、アタシの望むままに、怠惰を貪って生きていればいいだけなのに。
待てども待てども、アンタは自分のなすべきことのために務めていたよな。
悪魔が憑りついているだけでも相当なエネルギーを持っていかれているハズなのに、どんな精神力があれば動き続けることができるんだ?
アンタ、狂ってるよ。悪魔のアタシがいうんだから間違いない。
アタシは「怠惰」の悪魔。頑張りたくないからこうしてニンゲンに憑りついて生きてきた。

…だが、アタシはアンタに興味が湧いた。
それだけの精神力を持つアンタを墜落させた時、さぞ強力なエネルギーを得られるに違いない。
頑張るのは嫌いだけど、どっちにしろアタシも限界が近い。
最後の力をふり絞ってこの世界に姿を実体化させて、直接アンタを堕落させようとやってきたってコトだ。
という訳なんで…早速だが共に怠けようじゃないか。
このままくだらない話をしながらお菓子でも食べようぜ。
夜ご飯?今は便利な宅配サービスというものがあるじゃないか。
お風呂?匂わないから入んなくてもいいだろ。
勉強?そんなの疲れるだけだろう…今度まとめてやれば大丈夫だって。
仕事?労働なんかに限りある人生の時間を使ってしまったらもったいないだろう。
これからしばらくアンタと生活していくんだ、必要最低限の資金ぐらいだったら提供してやるよ。
それにアンタ、明日は久々の休み何だろ?
今まで頑張った分、ベットでずっと眠っていようぜ。
何も考えなくていい、無理して起きなくたっていいんだ。
…疲れることなんて苦痛なだけだろ?
気のすむまで、永遠にダラダラしようぜ。
アタシにはその力がある、なんていったって「怠惰」の悪魔なんだから。

…これは勝負だ、ニンゲンよ。
アンタが力尽きたアタシから逃げ切るのが先か、アンタの精神力がアタシに落ちるのが先か…
(小声)
せいぜい楽しもうぜ、ニンゲン…いや、我が主よ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
怠惰な悪魔さんはあなたをなまけさせたいようです
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ソライヌ
ライター情報
ソライヌと申します。
こちらに投稿している台本と同じ作品をpixivにも掲載しております。

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